Robin Wongがオリンパスの交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」のレビューを公開。バランスの良いサイズ・機能・価格に加え、隅から隅まで一貫した画質と評価しています。
バランスの取れた超望遠ズーム
Robin Wong:Olympus M.Zuiko 100-400mm F5-6.3 IS Review
オリンパス映像事業がJIPへの売却が進む中、製品リリースのペースは落としていないようだ。本日、オリンパスは超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO 100-400mm F5-6.3 IS」と、2つの新カメラ「OM-D E-M10 Mark IV」と「Mark IIIs」の3製品を発表した。100-400mmレンズとE-M10 Mark IVのサンプル機を2週間ほど前から持っていたので、まずは100-400mmレンズをレビューしてみよう。
私はオリンパスマレーシアのブランドアンバサダーであるオリンパスビジョナリーだ。オリンパスの100-400mmレンズは貸し出し中であり、レビューが終わればオリンパスマレーシアに返却する予定だ。これはテクニカルレビューではないので、分析、チャート、グラフ、または技術的な比較に深く踏み込むことは無い。私はプロの写真家としてオリンパス100-400mmレンズを使用して、私の経験を皆と共有する。
- このレンズは超望遠ズームであり、オリンパス製のマクロフォーサーズレンズとしては最も長焦点をカバーしている。
- 非PROレンズであり今冬発売予定の「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」より手ごろな価格設定だ。
- 主な特徴
・IPX1準拠の全天候型レンズ
・15群21枚の優れた光学設計
・光学手ぶれ補正搭載
・テレコンバージョンレンズ対応
・取り外し可能な三脚座とレンズフードが付属
・1.12kg- 「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」などPROレンズとよく似たデザインを採用している。しかし手に取てみると、非PROレンズであることがすぐにわかる。
部分的にプラスチックパーツを使用しているが、それでも頑丈でガタツキは無い。「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」よりも優れた作りだ。- 三脚座は総金属製である。
- レンズフードはプラスチック製だが落下などの衝撃から保護してくれるはずだ。
- 本体には4つのスイッチがある
・ズームロック
・フォーカスリミッター
・AF/MF
・手ぶれ補正
残念ながら、PROレンズに見られるL-Fnボタンは搭載していない。- 重量を削ぐためカメラのバッテリーグリップやレンズの三脚座を外した。4時間以上の撮影で体の負担は感じなかった。
- レンズのフレアやゴーストの発生を確かめるため、レンズフードは全く使用していない。それでも逆光時にとても快適だった。
- 400mmの手持ち撮影にはコツがいる。
- 光学手ぶれ補正を搭載した初めての非PROレンズだ。400mmの超望遠域をカバーしているのだから光学手ぶれ補正の搭載は当然と言える。ただし、シンクロISに対応していない点は特筆しておくべきだろう。シンクロISはボディ側の手ぶれ補正と協調して補正効果を高める機能だ。
このレンズは光学側でピッチ・ヨーの2軸を補正し、ボディ側で回転軸の補正を行う。互換性のあるボディと組み合わせた際に3段分の補正効果を発揮すると言われている。つまり800mm相当の画角で1/100秒のシャッタースピードまで安定する。- 実際の撮影では1/40秒まで安定した撮影が可能であり、1/80秒まで自信をもって利用することが出来た。このような長焦点ではボディ側の補正ユニットより、光学補正のほうが効果的とのこと。
- オリンパスから「PROレンズでは無いので期待させすぎないでくれ」と警告された。このレンズは15群21枚で構成され、4枚のEDレンズ、2枚のスーパーHRレンズ、2枚のHRレンズが含まれている。
- 動物園での撮影では一貫してシャープでディテール豊富な描写を得ることが出来た。私はこのレンズの性能に感銘を受けている。
- とてもシャープでディーテルもしっかりとしており、コントラストも良好だ。ズーム全域でシャープであり、隅から隅まで一貫している。
- 絞る必要は感じない。暗いズームレンズとしては重要なポイントだ。
- 発色はニュートラルで良好だ。
- ボケはまともだがベストではない。
- このような望遠ズームレンズにありがちな糸巻き型歪曲を予想していたのだが、実際には完璧な直線だ。
- 四隅のソフトさや減光は気にならなかった。
- コントラストの高い領域では色収差が僅かに見られたが、色ずれはとても小さく簡単に補正可能だ。
- 逆光耐性はとても良好だ。
- 40-150mm F2.8や300mm F4などのPROレンズはこのレンズよりも高水準のシャープネスとコントラストを備えている。75-300mmや12-200mmと比べて、間違いなく大きな成長を遂げている。
- 普段はC-AFを使っていないので、C-AFについてコメントは出来ない。S-AFはオリンパスレンズに期待するようにとても優れたものだ。
- 300mm F4と比べてズームレンズらしい柔軟性があり、さらにより長焦点を利用可能だ。テレコンバージョンレンズで拡張することも出来る。
- 正直に言うと、400mmでの撮影は簡単ではない。少しブレるだけでフレーム全体が大きくずれてしまう。一貫した結果を得るには慣れが必要だ。普段は40-150mmの望遠端されあまり使わない自分からしてみると、400mmはとれもチャレンジングな経験だ。
- 動物は日陰に居ることが多く、日中でもISO800以上で撮影する機会が多かった。曇天の場合はもっと酷いことになるだろう。マイクロフォーサーズの場合、ISO200-400が理想的だが、このレンズを使う限りそれは難しい。
- このレンズは現在販売中のテレコンバージョンレンズに対応している。最大で1600mm(35mm判換算)の長焦点を得ることが可能だ。本当に印象的な使い勝手だ。
全体的に私の期待を超えていた。このレンズは、驚くほどシャープで、ズーム全域で細かいディテールをふんだんに再現し、コントラストも良好で、美しい描写である。優れた操作性を備え、PROレンズではないかもしれないが、IPX1の公式評価を受けた、完全な耐候性を備えている。そして現在の非PROレンズを凌駕する画質を誇り、光学手ブレ補正を搭載、高い成功率を実現し、手持ち撮影でも十分に使用可能だ。さらにテレコン(MC-14とMC-20)を使用して焦点距離を拡張することも出来る。
このレンズにおける欠点はなんだろう?価格設定は高いが、 汎用性、素晴らしい画質を考慮すると文句は言えないはずだ。そして望遠端でF6.3の開放F値はISO感度が高めてしまうかもしれない。理想的にはF5.6が良かったが、それはレンズサイズと重量を増加させる原因となるだろう。現時点でサイズ、性能、価格設定はバランスが取れている。
プロの写真家ではなく、PROグレードのレンズ(M.ZUIKO 150-400mm F4.5 IS PRO)に大金を使いたくないのであれば、懐に優しい、より手頃な価格で実用的な代替品となるだろう。
とのこと。
逆光耐性はRobin Wong氏と真逆の評価となっているレビューサイトもありますが、全体的に好印象な望遠ズームとなっているようです。テクニカルなレビューサイトと比べると弱点をあまり詳しく解説しない傾向があるので注意が必要。
シグマのOEMとも噂されており、イメージサークルが広いのか四隅まで安定した画質は期待できそうですね。その反面、手ぶれ補正の効果やレンズサイズはパナソニック製の競合レンズと比べて少し見劣りするように感じます。
文中に登場する「OM-D E-M10 Mark IIIs」の話は初耳ですが、地域限定のマイナーチェンジモデルかもしれませんね。
(追記:どうやらパノラマ撮影やP/A/S/Mでの静音撮影などに対応したファームウェアベースのアップグレードモデルとなる模様)
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