Photographylifeがニコン「NIKKOR Z 40mm f/2」のレビューを公開。大部分のNIKKOR Zレンズと長所と短所が異なり、手ごろな価格で小型軽量ながら優れた光学性能を備えていると評価しています。
Photographylife:Nikon Z 40mm f/2
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 外装はレンズマウントを含めて総プラスチック製だ。
- マウント部までプラスチック製となっているのは軽量化というよりもコストダウンが理由なのだと思う。
- 前面にフッ素コーティングは採用していないので、通常のZレンズよりも水滴やごみが付着しやすい傾向がある。
- ほこりが舞い散るシーンや氷点下の雨天など、様々な環境で問題なく機能した。
携帯性:
- 一部では「マフィンレンズ」とも呼ばれている小型軽量なレンズだ。
操作性:
- スイッチはなく、コントロールリングのみだ。
- A/Mスイッチは搭載してほしかった。
フォーカス:
- 高速で静かなオートフォーカスだ。
- 低照度でも問題なくピント合わせが可能だ。
- 最短撮影距離は0.3m、撮影倍率は1:6だ。大部分の被写体で問題ないが、多くのNIKKOR Zレンズと比べると接写に適したレンズとは言えない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- F2~F2.8のパフォーマンスは低めだ。
- F4~F5.6まで絞ると大幅に改善する。
- 風景撮影ならF5.6~F11で隅まで高いシャープネスが得られる。
- 開放付近の性能はZ 35mm F1.8が有利だ。しかし、F4以降は差が縮まる。
像面湾曲:
- 顕著な像面湾曲が見られる。
(訳注:近距離のテストチャートでの話)ボケ:
- ボケが大きい場合は心地よい描写である。
- 微ボケの場合は背景がかなり騒がしく見える。
色収差:
- 少量の倍率色収差が発生する。
- 補正オフでも気が付くことは無いだろう。
球面収差:
- ピントを合わせてからF2.8~F4まで絞って撮影するとフォーカスシフトの影響が見られる。
- ZカメラはF5.6まで実絞りの測距となるのでフォーカスシフトの問題を回避することができる。
歪曲収差:
- 0.62%の樽型歪曲だ。
- さらにレンズプロファイルで完璧に補正可能である。
- Adobe製品ではプロファイルが強制的に適用され、解除する手段がない。
周辺減光:
- ピント位置にもよるが、非常に強い周辺減光が発生する。
- 無限遠で最悪の状態(2EV)となる。
- ヴィネッティング補正は強めに設定しておくのがおススメだ。
コマ収差:
- 見事な補正状態とは言えないが、堅実な結果が得られる。
逆光耐性:
- 絞っても光条は良好と言えない。
- 逆光時のフレアは光源がフレーム周辺部にあるとひどくない。光源が中央に近づくと悪化する。
- レンズ構成枚数が少ないので内部の反射が少ないように見える。
総評
NIKKOR Zレンズとしてはシャープネスが強みとなるレンズではないが、一眼レフ時代のレンズと比べると非常にシャープである。手ごろな価格で旅行や風景用のレンズを探している人にとって優れた選択肢となるだろう。大部分のNIKKOR Zレンズとは異なる長所・短所を持つレンズであり、このような選択肢が登場したことをうれしく思う。
- 長所:
・きちんとした作り
・AF速度と精度
・歪曲収差と倍率色収差の補正
・超軽量
・小型
・低価格- 短所:
・プラスチックマウント
・コントロールが少ない
・フッ素コーティングなし
・微ボケが騒がしい
・周辺減光がやや目立つ
・フォーカスシフト
・像面湾曲
とのこと。
2022年現在、NIKKOR Zシリーズの中では最も手ごろな価格のレンズ。外装やマウントはプラスチック製で、光学設計もNIKKOR Zとしては妥協点が多いものの、携帯性の高さと使い勝手の良い焦点距離、F2の開放F値は魅力的。
Photographylifeによると、Zレンズらしい抜群の光学性能は期待できませんが、必要な場所で必要な性能を手堅く得られるレンズに仕上がっている模様。接写時は開けてふんわり、離れる場合は絞ってキリリの描写が楽しめそうですね。
私もZ 7やZ fcと組み合わせて楽しんでいます。印象としてはPhotographylifeのレビューとほぼ同じ。接写時の収差変動が強く、解像性能は期待できませんが、滲むような滑らかなボケを得ることができます。一方、撮影距離が長くなるとボケが騒がしくなるので絞って使ったほうが良いかもしれません。光学性能を追求するとZ 50mm F1.8 Sがおススメですが、一周回ってZ 40mm F2くらい肩の力を抜いた携帯性の良いレンズが面白いと感じる人もいるはず。
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