ePHOTOzineがニコン「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」のレビューを公開。小型軽量で低価格ながら、優れた光学性能と操作性、手ぶれ補正を備えた高倍率ズームであり、汎用性がとても良好と評価しています。
ePHOTOzine:Nikon Nikkor Z DX 18-140mm F/3.5-6.3 VR Lens Review
外観・構造:
- 小型軽量なレンズであり、構造にプラスチックを多用しているのは明らかだ。
- レンズマウントまでプラスチック製である。
- レンズフードは遮光性を向上させる以外にも役目があるので、同梱していると良かった。
- フィルターサイズは62mmだ。
- 2枚の非球面レンズと2枚のEDガラスを含む13群17枚構成だ。
携帯性:
- 非常にコンパクトで、重量はわずか315gだ。
操作性:
- ズームリングには18mm・24mm・35mm・50mm・70mm・140mmの焦点距離が印字されている。
- ズームリングは滑らかに回転するが、しっかりとしたトルクがかかっているので自重落下の兆候は見られない。
- コントロールリングは初期設定でフォーカスが割り当てられている。カメラ側で絞りや露出補正、ISO感度を割り当てることが可能だ。
フォーカス:
- 最短撮影距離は0.2m、最大撮影倍率は0.33倍だ。マクロレンズではないが、クローズアップしやすい汎用性のあるレンズだ。
- オートフォーカスは高速かつ正確に動作する。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正に対応しており、カメラ側でオンオフを切り替えることが出来る。
- 公称値は5段分で、実写テストで確かな数値であることが確認できた。
解像性能:
- 18mmでは、中央部のシャープネスがF3.5からF8まで傑出しており、F11とF16では優れており、F22でも非常に良好だ。周辺部は、F3.5からF8までは優れており、F11とF16では非常に良好で、F22でも良好である。
- 35mmでは、中央部のシャープネスはF4.2で優れており、F5.6とF8で傑出しており、F11とF16で優れており、F22とF29で良好である。周辺部は、F4.2で非常に良好、F5,6からF11で優れており、F16で非常に良好、F22で良好、F29でソフトである。
- 70mmでは、中央のシャープネスは、F5.3からF11まで優れており、F16で非常に良好、F22で良好、F32とF36でソフトだ。周辺部は、F5.3で非常に良好、F8とF11で良好、F16で非常に良好、F22で良好、F32とF36でソフトである。
- 140mmでは、中央のシャープネスは、F6.3からF11までは優れており、F16では非常に良好、F22では良好、F32とF40ではソフトである。周辺部はF6.3?F16で非常に良好、F22で良好、F36とF40でソフトだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- ざらついていない描写であり、ポートレートに適してるように見える。
色収差:
- 数値がとても小さく、大部分でゼロに近い。
- これは補正がオフの状態でも色収差を修正しているように見える。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 18mmで0-0.12%、35mmで+0.05%、70mmで+0.06%、140mmで+0.13%だ。
- 注目に値する数値だが、カメラ内補正が適用されている可能性がある。
周辺減光:
- とても控えめで、絞り開放でのみ確認できる。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性はとても良好だ。
- 光源がフレーム端にある場合は軽度のゴーストが発生する可能性があるが、それ以外では最小限に抑えられている。
総評
この高性能でリーズナブルな価格の汎用ズームレンズには、多くの魅力がある。光学的な性能、操作性、そして手ぶれ補正と耐候性だ。同種のレンズの多くは望遠端が135mmまでしかないので、140mmへの拡張も意味があるだろう。また、多くのレンズよりも近くにピントを合わせることができるので、小さな被写体を撮影するが得意である。
撮影全般に使うことができ、常にカメラに入れておくことができるかもしれない。薄暗い森の中での夜景撮影から、ポートレート、風雨の中でのイベントまで、幅広くカバーしており、ニコンZシリーズのレンズの中でも特に使い勝手の良いレンズだと思う。迷うことなく「Editor's Choice」と評価する。
- 長所:
・傑出したシャープネス
・色収差の補正状態が良好
・素敵なボケ
・小型軽量
・防塵防滴
・優れた接写性能
・5段分の手ぶれ補正
・歪曲収差が無い
・適切な周辺減光- 短所:
・レンズフードが同梱していない
とのこと。
良好な解像性能を備え、諸収差の補正状態も良さそうですね。ただし、手持ちの18-140mmで歪曲収差がカメラ内で補正されているのを確認済み。部分的にソフトウェア補正に依存しているものと思われます。それでも結果が良ければ特に問題視する必要は無いはず。
また、APS-C用の高倍率ズームとしては撮影倍率が高く、35mm判換算でハーフマクロに近い撮影倍率を得られるのも魅力的ですね。
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