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NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRの諸収差をチェックする

ニコン「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」のレビュー第五弾を公開。今回はレンズの色収差や歪曲収差などをまとめてチェックしています。

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRのレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指す。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の影響が考えられる。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合もある。ただし、近距離でフラットな被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要は無い。

無限遠でも影響が見られる場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がない。

参考:Wikipedia 像面湾曲

実写で確認

18mm

少なくとも近距離では像面湾曲が目立つ。中央からフレーム端にかけてピント位置が近側へ移動しているのが分かる。至近距離でフラットな被写体をパンフォーカスしたい場合は注意が必要だ。とは言え、そのようなシーンは限られていると思うので、過度に心配する必要は無い。また、遠景で目立つ像面湾曲は見られない。

50mm

18mmと比べると穏やかだが、僅かに像面湾曲の影響があるように見える。とは言え、この影響量を問題視することはない。

140mm

近距離でも像面湾曲の影響はほとんど見られない。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

18mm

良好な補正状態に見えるが、これはLightroomで現像時に適用を外すことが出来ない色収差補正が効いているため。RAW Therapeeで確認してみると、微妙に滲んでいる部分で色ずれが発生している。とは言え、高倍率ズームの広角端としては良く抑えられており、強く批判すべき問題ではないように見える。この収差は絞っても改善しないため、コントラストが高いシチュエーションでは目立つ可能あり。

24mm

18mmと同じ影響あり。自動補正で脱色しているが、補正後はコントラストやシャープネス低下の要因となる可能性あり。絞ると収差もシャープとなり、補正後の結果も良好となる。

35mm

基本的に24mmと同じ傾向だが収差はより抑えられているように見える。

50mm

35mmと同程度。

70mm

50mmよりも少し目立つようになるが、それでも許容範囲内だ。

100mm

少なくともLightroomで現像する限りでは良好な補正状態に見える。

140mm

自動補正を適用しても色収差の存在を少し感じる。とは言え過度な影響量ではなく、極端なコントラスト環境を除いて心配する必要は無い。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

18mm

僅かに収差が残存しているものの、絞り開放からほとんど問題無し。

50mm

18mmと同じく軸上色収差の影響はほとんど見られない。良好な補正状態だ。

140mm

広角・中間域と同じく良好な補正状態を維持。高倍率ズームとしては優れたコントラストの実現に一役買っているように見える。

球面収差

実写で確認

18mm

球面収差は良好に補正されているように見えるが、非球面レンズによる同心円状のムラが非常に目立つ。特にZレンズはボケが綺麗なレンズが多いので、ここまで玉ねぎボケが顕著なレンズは珍しい。また軸上色収差の影響と思われる色付きが見られる。

50mm

前後のボケ質はほとんど同じだが、やはり非球面レンズの影響による玉ねぎボケの兆候が見られる。軸上色収差も残存しているようだ。

140mm

他の焦点距離と比べて軸上色収差は完璧に補正されている。玉ねぎボケの兆候は見られるが、色付きが無く、まずまず落ち着いた描写に見える。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

実写で確認

18mm

このレンズで最も気を付けたい収差。カメラ内出力のJPEGや純正RAW現像ソフト、LightroomなどRAWに格納されたプロファイルを利用できる現像ソフトであれば歪曲収差は自動補正される。

しかし、自動補正が適用できない現像ソフトの場合、このレンズは18mmの広角端で非常に目立つ樽型歪曲が浮かび上がる。自動補正後は綺麗に修正されるが、四隅が引き延ばされるので画質の低下は避けられない。(ただし、元が良いので顕著な画質低下とは言えない)

このように電子補正依存はミラーレスで珍しい設計ではないが、プロファイルに対応していないRAW現像ソフトを使っている場合は歪曲修正の難易度が一気に跳ね上がる。

24mm

18mmとは打って変わって穏やかな収差となる。無補正のRAWを見る限りでは樽型歪曲から糸巻き型歪曲へと切り替わっている。このままでも実用的だが、自動補正でキレイサッパリ修正することも可能だ。

35mm

24mmを折り返し地点として、目立つ糸巻き型歪曲へと変化する。24mmと比べて影響度合いが強いので、直線的な被写体をフレームに入れる場合は自動補正を適用しておきたい。

50mm

35mmと比べてさらに強度の高い糸巻き型歪曲へと変化する。

70mm

50mmと同じく強めの糸巻き型歪曲だ。補正は必須に見える。

100mm

50mmや70mmと同程度で、さらに極端な収差ではない。

140mm

50mmや70mmと同程度で、さらに極端な収差ではない。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

実写で確認

18mm

完璧な補正状態とは言えないが、高倍率ズームとしては良く抑えられているように見える。僅かに変形している点光源はF4まで絞るとほぼ改善する。

24mm

18mmと比べると点光源の変形が少し強くなるが、F5.6まで絞るとほとんど解消する。

35mm

全体的な印象は24mmと同じ。完璧ではないが、まずまず良好だ。

50mm

24mmや35mmよりも良好で、絞り開放から点光源の変形はほとんど見られない。

70mm

50mmと似ているが、比較的影響の度合いは強くなる。

100mm

70mmと同じ傾向。

140mm

70mm、100mmと同じ傾向。

まとめ

軸上色収差の補正状態はとても良好で、本当に極端なシーンを除いて心配無用だ。特に望遠側で優れた補正状態を実現しており、細部の良好なコントラストに繋がっている。倍率色収差は自動補正に依存している部分もあるが、補正時に画質低下はほとんど見られない。

球面収差は良好に補正され、絞り開放からヌケの良い描写を得ることが出来る。非球面レンズの影響が目立つ場合もあるが、大部分の被写体で問題となることは無い。

問題の歪曲収差は自動補正されるので、一部のRAW現像環境を除いて問題に直面することは無いと思う。純正ソフトやLightroomでは補正前の結果を見ることができないので、そもそも歪曲収差が残っていることも判断できないと思う。

コマ収差は完璧な状態と言えないが、細部の点光源を注意深く見なければ絞り開放から実用的な画質だ。

全体的に見て、ミラーレスの高倍率ズームとしては良くできていると思う。歪曲収差と玉ボケに発生する玉ねぎボケに注意は必要だが、問題に遭遇する可能性は低い。

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