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ニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」は期待通りのマクロレンズ

Lenstipがニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」のレビューを公開。全体的に良好な光学性能であり、欠点は周辺減光と少し目立つコマ収差だけとのこと。期待通りのマクロレンズであると言及しています。

レンズの紹介:

  • 2018年8月にスタートしたニコンZマウントは基本的なズームレンズとF1.8単焦点レンズのラインアップに重点を置いていた。マクロレンズが長く欠けていたが、ついにニコンは2本のZマウント用マクロレンズを投入した。

ビルドクオリティ:

  • レンズマウントは金属製だ。
  • 直径27mmの後玉はマウントから約1cmほど奥に隠れて固定されている。周囲は適切に黒塗りされ、反射防止対策が施されている。こちら側から見る限りでは完璧だ。
  • レンズ外装はプラスチック製だ。
  • レンズは中国製である。
  • 直径20mmの前玉は前群全体が前方へ移動する。内筒の長さは2.5cmを超え、表面には0.16-0.17-0.19mのピント距離表示がある。

携帯性:

  • レンズ構成枚数は多いがサイズと重量は抑えられている。そして対応するフィルター径は最小だ。

操作性:

  • レンズ左側面にはA/M・AFリミッター用のスイッチを搭載している。
  • 幅26mmのフォーカスリングはゴム製だ。フォーカスバイワイヤで動作し、適切な抵抗量で回転する。ストロークはピント全域で360度以上と高い数値であり、正確な操作が可能だ。

オートフォーカス:

  • Z 7との組み合わせでAFは完全にノイズレスではなく、スピードも速くは無い。
  • フルレンジでピントを移動させると約2秒かかる。しかし、ハーフマクロ以下の撮影倍率でAFを利用する場合に0.5秒以上かかることはない。非常に効果的だ。
  • さらにAFは迷いなくピタッと被写体に合焦する。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • Nikon Z 7のRAWを測定している。
  • 良像の基準値は41-43lpmmだ。
  • 最良の結果は85lpmmを超える可能性がある。
  • 中央の解像性能は間違いなく優れている。絞り開放から60lpmmのとても高い水準を超え、絞ると75-77lpmmに達する。これはZ 50mm F1.2よりも少し良好であり、ニコンの光学設計者は良い仕事をしたようだ。もちろんZ 50mm F1.8の水準には達していないが、F2.8のレンズで大口径レンズと競争するのは難しい。
  • APS-C領域の結果も良好だ。絞り開放から良像の基準値を超え、絞るとさらに向上する。F5.6でほぼ65lpmmだ。
  • フルサイズの隅で性能が最も低下するが、それでも過度に心配する必要は無い。絞り開放から画質はまともで、絞ると急速に改善する。F4からF11の広い範囲でシャープな画質を得ることが可能だ。
  • 記録的な解像性能ではないが、欠点が無い、まさにマクロレンズらしい性能である。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 非球面レンズがボケに影響を与えており、完璧からは程遠い。そうはいっても批判するような描写ではない。
  • 縁取りが少し明るかったり、F5.6まで絞らないと口径食が解消できないなどはあるが、全体的には良くも悪くもない。

色収差:

  • 軸上色収差の補正は完璧だ。
  • 倍率色収差は高い数値でも0.03%以上とはならず完璧な結果だ。

球面収差:

  • フォーカスシフトの兆候は見られないが、前後の玉ボケを確認すると僅かに差が見られる。

歪曲収差:

  • APS-Cで+0.23%の非常に小さな糸巻き型、フルサイズでも+0.64%と知覚し辛い程度の歪曲収差だ。

周辺減光:

  • フルサイズのF2.8で-1.99EVの光量落ちが発生する。これは目立つ数値だが、フルサイズミラーレス用の光学設計としては良好だ。
  • F4まで絞ると-1.07EVまで改善し、F5.6で-0.54EVまで改善する。

コマ収差・非点収差:

  • APS-Cの隅で既に点光源が変形しており、フルサイズ隅ではさらに変形が大きくなる。F4まで絞るとAPS-Cまでは改善するが、フルサイズ隅はまだ収差が残存している。
  • 全体的に見て褒められるような結果ではない。
  • 非点収差の平均値は6.6%と低い数値だ。

逆光耐性:

  • 絞り開放付近でゴーストとフレアは全く気にならない。
  • 絞りを閉じると状況は一変し、放射状におゴーストが発生する。ただし、これは太陽がフレームの少し外側にある場合に限定され、それを避ければ問題はない。

作例集

総評

NIKKOR Z 50mm F2.8 MCは期待通りの性能を持ったレンズだ。前玉と被写体の間にわずかな距離しかない状況でも、完璧に機能する非常によくできたマクロレンズである。このレンズの初値は650ドル近くで、一眼レフ用の「AF-S Micro 60mm F2.8G ED」の価格よりも約10%高いという点は言及しておく。

  • 長所
    ・優れた中央解像
    ・APS-Cで良好な画質
    ・フルサイズ端で実用的な画質
    ・軸上色収差が無視できる程度
    ・倍率色収差が非常に少ない
    ・実質的にゼロ歪曲
    ・非点収差が少ない
    ・APS-Cでわずかな周辺減光
    ・逆光耐性
    ・静かで正確なAF
  • 短所
    ・フルサイズの周辺減光
    ・少し目立つコマ収差

とのこと。
際立った解像性能ではありませんが、全体的に良くまとまった光学性能のようですね。前群繰り出し式フォーカスですが、一般的な撮影距離では快適なAF速度で特に問題はない模様。価格設定が少し高いと感じるものの、小型軽量な標準マクロを探している人にとって面白い選択肢となりそう。
既にFlickrに専用ページが開設されており、50点ほどユーザー投稿を確認することが出来ます。それを見る限りではマクロ距離でもシャープで良好なコントラストを維持しているように見えます。ボケもまずまず綺麗ですね。

ニコン「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」交換レンズデータベース

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