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NOKTON 35mm F1.2 X-mountは欠点もあるが個性的で趣があるレンズ

ePHOTOzineがコシナ「Voigtländer NOKTON 35mm F1.2 X-mount」のレビューを公開。開放がソフトで逆光時のフレアも劇的ですが、優れたビルドクオリティや絞った際のシャープネス、美的なボケやフレアを評価。

ePHOTOzine:Voigtlander 35mm f/1.2 Nokton X Lens Review

レンズの紹介:

  • フォクトレンダーはツアイスやローライと並ぶドイツの古いレンズメーカーの名前だ。現在は日本企業であるコシナが商標を使用してレンズを製造。最新の光学設計と製造技術により、興味深いMFレンズを作っている。
  • 今回登場した35mm F1.2は富士フイルムXマウント用に設計された最初のレンズだ。

ビルドクオリティ:

  • 金属製の外装は美しい仕上がりだ。
  • 小さなねじ込み式の金属製レンズフードがある。
  • フィルターサイズは46mmだ。
  • 金属製レンズマウントには電子接点がある。カメラのEXIFにレンズの情報を記録することが可能だ。
  • レンズ構成は6群8枚で12枚の絞り羽根を採用している。

携帯性:

  • 一眼レフ用レンズよりもコンパクトで、ライカのレンジファインダーレンジにとてもよく似たコンパクトサイズに仕上がっている。
  • 重量はわずか196gだ。
  • X-S10と組みわせた際のバランスは完璧である。

操作性:

  • 絞りリングにはグリップがあり、1/3段ごとにクリックストップがある。このクリックを解除することはできない。
  • 絞りリングの回転方向はニコンやペンタックスと同じだ。
  • フォーカスリングは滑らかに回転し、十分な抵抗を備えている。回転方向はキヤノンと同じだ。

オートフォーカス:

  • 最短撮影距離は.030mであり、これは従来の35mmレンズに期待されているものと同じだ。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 中央はF1.2で比較的ソフト、F1.4で良好となり、F2でとても良好になる。F2.8からF11まで優れた結果となり、F16まで絞っても非常に良好だ。
  • 端はF1.2からF1.4までソフトでF2からF11まで非常に良好だ。F16まで絞ると良好となる。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 絞り開放で心地よい描写だ。

色収差:

  • 色収差はとてもよく抑えられている。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 歪曲収差は+0.14%の僅かな糸巻き型だ。

周辺減光:

  • 大口径レンズは光量落ちが強くなるものだが、このレンズはとても控えめだ。
  • F1.2で-1.1EVの光量落ちが発生する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 実写で問題とならないが、簡単に作り出すことができ、その際は劇的な結果が得られる可能性が有る。
  • フレアは欠陥とも評価できるが、創造性を刺激する描写でもある。

総評

富士フイルムのXマウント用の35mmレンズの競争は熾烈を極めている。Voigtlanderは、その性能に加えて、「個性」という付加価値を持っている。これは、シャープネスや色収差などの数値だけではない、伝統的な考え方だ。「ピクシーダスト」と呼ばれることもあるが、これは客観的に測定することが難しい魔法のようなクオリティを意味している。

Voigtlander 35mm F1.2 Nokton Xは、そのレトロで伝統的な雰囲気にふさわしく、独自のキャラクターを持っている。上記のように様々な欠点があるものの、写真家の撮影スタイルに合うのであれば、このレンズは期待を裏切らないものとなるだろう。おススメできるレンズだ。

  • 長所
    ・大部分の絞りで良好なシャープネス
    ・とても良好な色収差補正
    ・適度な光量落ち
    ・歪曲収差がほぼ皆無
    ・小型軽量
    ・美しいビルドクオリティ
    ・優れた被写界深度表示
    ・F1.2
    ・個性的
  • 短所
    ・絞り開放がソフト
    ・壮大なフレア
    ・防塵防滴ではない
    ・MF限定

とのこと。
APS-C用レンズとしては珍しいトラディショナルなダブルガウス型の大口径レンズですね。絞り開放ではソフトさがあるものの、絞れば全体的にシャープとなり、面倒な色収差はきちんと補正されている模様。フォーカスリングや絞りリングはメカ式ですが、カメラ側の自動アシストやEXIFへの記録が可能となっているのは便利ですね。電子接点に対応している使いやすいオールドレンズと言ったところでしょうか?

実写サンプルショットを確認してみると、F8までしっかり絞れば全体的にシャープな結果を得られているように見えます。フレアはレビュー通り、意図的に発生させる場合は盛大に現れる模様。描写は綺麗で、これはこれでアリなのかなと。
ボケはまずまず良好に見えますが、撮影距離が固定されているので判断するには時期尚早。いつも通りのガウスタイプであれば、撮影距離によっても表情が変わってくるはず。自由な作例時に絞り開放を使った写真がないので判断し辛いのが悩ましい。

コシナ「Voigtländer NOKTON 35mm F1.2 X-mount」交換レンズデータベース

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