Dustin Abbottがキヤノン「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」のレビューを公開。重めの歪曲収差や周辺減光、そしてコマ収差を指摘しつつ、小型軽量で接写性能も高い汎用性の高い24mmと評価しています。
Dustin Abbott:Canon RF 24mm F1.8 Macro IS STM Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- ビルドクオリティは典型的なコンシューマーモデルだ。EF50mm F1.8 STMよりも良いが、シグマやタムロンのサードパーティ製レンズほどではない。
- 従来通り防塵防滴やレンズフードを同梱していないのは残念だ。
- 別売りのレンズフードは50ドルもする。
- 外装はエンジニアリングプラスチック、マウントは金属製だ。
携帯性:
- 直径74.4mm、全長63.1mmと適度に痕p区とだ。
- 重量は270gでRF35mm F1.8とほぼ同じである。
- RF35mmと同じく52mmフィルターに対応する。
- フォーカス時に内筒が伸びるものの、大きく伸びるのはマクロ時のみである。
- 電源オフ時に内筒が格納されるようにカメラを設定しておくのがおすすめだ。
操作性:
- AF/MFスイッチと手振れ補正スイッチを搭載している。
- バイワイヤのフォーカスリングは抵抗が少ないが、操作時に距離指標をライブビューに表示できるのは便利だ。
- レンズ先端のコントロールリングはフォーカスリングと触感が異なるので識別しやすい。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動で動作する。
- 大部分の被写体でAF速度と静粛性に問題は見られない。
- 通常の撮影で駆動音はほとんど発生しない。
- 瞳AFは正常に動作する。
- 低照度での撮影でも良好に機能する。
- 動画撮影では若干の遅延が見られ、決して速くない。また、フォーカスブリージングが少しある。
手ぶれ補正:
- 光学手振れ補正を搭載している。
- 最大で5段分の補正効果があり、ボディ側と協調で6.5段分の効果がある。
- 1/10秒や1/15秒でシャープな結果を得るのは簡単だ。さらに遅くすることもできる。
解像性能:
- 中央は並外れた解像度とコントラストだ。
- 周辺部も非常に良好で、隅もきちんとした性能を発揮する。
- 予想よりも少し良好だった、
- F2まで絞ると全体的にコントラストが少し改善し、F2.8で大きく改善する。
- F4-5.6で極わずかな改善が見られ、以降は徐々に低下する。
- EOS R5と組み合わせて満足のいく結果だ。
- マクロ距離でも有用なパフォーマンスを発揮する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- F2.8まで絞ってもボケの形状はほとんど変わらない。
- 正直に言うと悪くない質感だ。
色収差:
- 軸上色収差が少し見られるが、過度に目立つほどではない。
- 倍率色収差は目立たず、簡単に補正可能だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RFレンズはLシリーズですらソフト補正に依存している場合があり、このレンズも例外ではない。
- RAWではJPEGよりも広い画角で重い樽型歪曲が発生する。
- 珍しいことに陣笠状の歪みはなく、リニアで手動補正しやすい。
- 現像ソフトで歪曲を修正し、はみ出した部分をトリミングすると3700万画素相当の画像となった。
- JPEGと同程度までトリミングすると、3250万画素程度のサイズとなる。
- カメラ出力のJPEGが4500万画素となるのは興味深い。
- プロファイルを適用できる環境では良好に補正される。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 点光源の撮影では望ましくない結果が得られた。
逆光耐性:
- 逆光耐性はとても良好だ。
- ゴーストは最小限で、フレアは発生しない。
- 絞った際の光条は心地よい描写だ。
総評
RF35mm F1.8と多くの点で似ているが、実際にはより肯定的な印象のレンズだ。歪曲収差と周辺減光は重過ぎるが、強力なマクロ性能など様々な点で強力だ。
24mmの広い画角で風景や環境ポートレートとして利用でき、接写性能を活かしたクローズアップの撮影も可能だ。様々な被写体に対応できる汎用性の高いレンズである。
Lシリーズと競合しうる光学性能ではないが、ボケが少し騒がしい以外は好みの描写だった。
- 長所:
・美しい外観
・汎用性が高い
・フォーカス精度
・安定感のある追従AF
・接写性能
・F1.8の性能
・逆光耐性
・演色性- 短所:
・歪曲収差
・周辺減光
・コマ収差
・防塵防滴ではない
・レンズフードが別売り
とのこと。
「RF35mm F1.8」「RF85mm F2」に続く、コンパクトでハーフマクロに対応する明るい単焦点レンズですね。価格を考慮すると防塵防滴やレンズフード同梱に対応していないのは残念ですが、小型軽量ながら良好なパフォーマンスを発揮する24mmに仕上がっている模様。最近は24mmで0.5倍のハーフマクロに対応するレンズが増えているものの(「24mm F3.5 DG DN」や「24mm F/2.8 Di III OSD M1:2」など)、F1.8の大口径と光学手振れ補正まで両立しているレンズはキヤノンのみ。様々な状況に対応できる汎用性の高いレンズと言うことができそうです。
私も発売日に入手してEOS R5やR10と組み合わせて楽しんでいます。
極上のレンズとは言えないものの、手ぶれ補正やハーフマクロに対応した小型軽量な広角レンズで、カメラやセンサーサイズを選ばずに使いやすいのが特徴と言えそう。光学性能も悪くなく、絞ればフレーム全体でシャープな結果を得られ、接写時はボケもまずまず綺麗に見えます。ただし、Dustin Abbott氏の指摘通り、コマ収差の影響が強く、F1.8を使った夜景や星空には不適なので、その辺りは今後登場するであろう大口径Lレンズを待つ必要が有りそうです。
キヤノン RF24mm F1.8 MACRO IS STM 最新情報まとめ
RF24mm F1.8 MACRO IS STM | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2022年 8月26日 | 初値 | ?87,120 |
マウント | RF | 最短撮影距離 | 0.14m |
フォーマット | 35mm | 最大撮影倍率 | 0.5倍 |
焦点距離 | 24mm | フィルター径 | 52mm |
レンズ構成 | 9群11枚 | 手ぶれ補正 | 5段分 |
開放絞り | F1.8 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | SSC |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ74.4×63.1mm | 防塵防滴 | - |
重量 | 270g | AF | STM |
その他 | |||
付属品 | |||
レンズキャップ |
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