Admiring Lightがキヤノン「RF70-200mm F4 L IS USM」を「RF70-200mm F2.8L」と比較したレビューを公開。DCWのレビューと同じく、F4Lの四隅が少し甘くなるみたいですね(像面湾曲の影響もある)。
F4Lは像面湾曲の影響が強い?
Admiring Light:Canon RF 70-200mm f / 4L IS vs. Canon RF 70-200mm f / 2.8L IS
外観など
- これはレビューでは無く、F2.8L・F4Lふたつのコンパクトな望遠レンズの画質を評価するためのテストだ。F4Lのフルレビューは2週間以内に公開予定である。
- 11月にキヤノンはRF70-200mm F4L IS USMを発表した。これはRF24-105mm F4Lよりも少し大きいだけの、非常にコンパクトなハイエンドレンズである。
- 1600ドルと安価なレンズでは無いが、RF70-200mm F4Lよりも1000ドルほど安い。
- どちらもインナーズームでは無く、伸びるズーム構造を採用している。その結果、一眼レフ用と比べて重量とサイズを大幅に削減している。
- RF70-200mm F2.8L IS USM
・全長:146mm
・重量:1070g
・一眼レフ用より数インチ短く、400g近く軽量だ。- RF70-200mm F4L IS USM
・全長:120mm
・重量:695g- どちらも高水準な作りだが、よく見るとF2.8Lのほうが頑丈な作りだ。
- F4Lは内筒にほんの少し遊びがある。比較してF2.8Lはしっかりとしている。
- どちらも滑らかなズーム操作である。
- どちらもフォーカスリング・コントロールリング・AF/MFスイッチ・ISスイッチ、ズームロックを搭載している。
- F2.8Lのみ三脚リングに対応している。
- どちらも高速で正確なAFだ。
- 焦点距離は同じだが、F4Lのフォーカスブリージングが近距離時に僅かに少ない。無限遠での画角はほぼ同じだ。
解像度・ボケのテスト
- ピント位置を1.5mに設定に設定して70mm・135mm・200mmでの解像度とボケをチェックした。テスト機はEOS R5である。
- どちらも絞り開放から見事な中央解像だ。F2.8LはF4まで絞るとF4Lより少しシャープになるが、とても小さな違いだ。
- 70mm:四隅はF2.8Lの絞り開放が少しソフトだが、F8に至るまで絞るごとに改善する。
- 70mm:F4は全ての絞り値でとてもソフトであり、F8で僅かに改善する。
- 135mm:どちらも絞り開放から優れた中央解像だ。
- 135mm:四隅はやはりF2.8Lのほうが遥かに良好だ。F2.8からシャープである。絞ると光量落ちが改善し、シャープネスも向上する。
- 135mm:F4Lの四隅は少しソフトだが、解像度に問題は無い。残念ながら絞ってもそれほど改善しない。
- 200mm:F2.8Lの中央は絞り開放から良好だ。F4まで絞ると優れた解像度となる。F4LはF4でとてもシャープであり、F2.8Lの絞り開放よりも良好だが。しかし、F2.8LをF4まで絞った時ほどシャープではない。F4を超えると同等だ。
- 200mm:F2.8Lは絞り開放からF4まで良好、F5.6からF8で優れた解像度となる。しかし、F4の四隅はソフトで、なぜか絞るとさらに悪化する。
F4Lの像面湾曲について
- 200mmの結果は少し奇妙なものであった。F4Lは何度かテストしてみたものの、結果は毎回同じだ。
- 今回のテストは中央でピントを合わせて撮影している。四隅にピントを合わせて撮影してみたところ、結果は大きく異なっていた。像面湾曲の影響がある。
- F4Lは四隅にピントを合わせた場合、それほどシャープでは無いが中央ピントよりも大きく改善する。長焦点と開放F値付近では像面湾曲によりフラットな被写体を撮影する時に影響があるようだ。比較してF2.8Lの像面はとてもフラットである。
- 少なくとも今回テストした撮影距離ではF2.8Lのほうが良好な全体像を得ることが出来る。
ボケ
- どちらも非常に心地よいボケだ。
- 玉ボケに縁取りは無く、目立つ色づきも見られない。
- F2.8LはF4Lより1段大きなボケを得ることが可能だ。
- F2.8LはF4まで絞ることで四隅の口径食を抑えることが出来る。
今回のテストで、より均質なパフォーマンスを備えているのがF2.8Lであることが判明した。ただし、あらゆる状況でF2.8Lが優れていることは意味していない。今後様々なテストでF4Lを評価し、数週間以内にフルレビューを公開する予定だ。
とのこと。
像面湾曲とは、ピント面がセンサーに対してフラットでは無く、四隅に向かって奥行方向に歪んでいることを指しています。つまり、像面湾曲が強いレンズで新聞紙を真正面から撮影した場合、四隅にピントが合いません。逆に四隅にピントを合わせると、中央ではピントが外れてしまいます。これを改善するには被写界深度を深くする(=絞る)くらいしかありません。
Digital Camera Worldのテスト結果と同じく、F4Lの周辺解像は少し甘いみたいですね。像面湾曲の影響もあるので注意が必要とのこと。ただし、Admiring Lightを含め、比較的近距離でのテストした結果であり、これが無限遠時にどのような結果となるのか公開予定のフルレビューに注目したいと思います。
少なくともF2.8Lのほうがピント位置による収差変動を良く抑えたレンズと言うことが出来そう(近距離で像面湾曲が大きくなる例は他にもあります)。RF F4LはEFレンズの「4L II」と比べて最短撮影距離を大きく改善しています(1m→0.6m)。接写性能の代償として四隅のパフォーマンス低下や像面湾曲の補正不足が発生しているのかもしれませんね。まぁ、クローズアップ時に像面湾曲は問題となりにくく、四隅の解像性能が重要となる機会は少ないと思います。最終的に無限遠側のパフォーマンスが良ければ大きな問題とならないはず。
私も一つ予約しているのですが、日本では発売が3月上旬まで延期されているという…。
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