VILTROX AF 75mm F1.2は大口径ながら色収差がよく抑えられている

OpticalLimitsが「VILTROX AF 75mm F1.2 XF」のレビューを公開。良好な解像性能に加え、色収差や歪曲収差がよく抑えられていると高く評価しています。

OpticalLimits：Viltrox AF 75mm f/1.2 PRO XF - Review / Test Report

（基本的なスペックなどの紹介は割愛しています）

外観・構造：

総金属製の外装は防塵防滴仕様でとても良好だ。

プラスチック製の花形レンズフードが付属する。

電子接点があり、レンズ情報はカメラへ伝達される。

ファームウェアの更新は、レンズマウントの専用USBポートから可能だ。

携帯性：

75mm F1.2のスペックとビルドクオリティを考慮すると、大きく重いレンズであるのも無理はない。

インナーフォーカス方式を採用しており、全長に変化は見られない。

操作性：

専用のクリック感のある絞りリングを搭載。

レンズにはAF/MFスイッチがある。

マニュアルフォーカスリングは滑らかに動作する。

フォーカス：

AFはステッピングモーター（STM）を採用。効果的だが、STMの典型的な特徴として、スピードキングではない。

マニュアルフォーカスは電子制御で動作するため、マニュアルモードでフォーカスリングを回すとAFモーターを駆動することになる。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

F1.2で驚くほど高い性能を発揮する。中央部の画質は非常に良好で、フレーム端の画質も良好だ。

F1.6では、より広い範囲の中心部が噛み締めるようにシャープになる。

中央の画質はF2で2600万画素センサーの解像能力を超えていると言ってよい。

周辺部は絞り込むとわずかに改善し、F5.6でピークを迎え、非常に良好となる。

回折によりF5.6から減衰し、F8からより顕著になる。

像面湾曲：

像面湾曲は小さい。

ボケ：

玉ボケは、内面が滑らかで、縁取りも基本的に見当たらない。

F1.2では、玉ボケが円形を維持しているのは中心付近のかなり狭い範囲のみだ。

フレーム隅に向かって、玉ボケの形状は急速に悪化し、端や隅では顕著な口径食の影響がある。F2.8まで絞っても影響は残る。

後ボケはとても滑らかだ。

前ボケは比較的描写が硬い。

色収差：

倍率色収差に関して心配する必要は全くない。

軸上色収は良好な補正状態だ。F1.2で色収差の痕跡が見られるのみで、F2ではすでに解消する。

球面収差：

絞るとフォーカスシフトの影響が見られるが、心配するほどではない。

歪曲収差：

自動補正が必要ないほど完璧に補正されている。

周辺減光：

大口径レンズらしく周辺減光は目立つ。

RAWのF1.2で1.8EVの光量落ちが発生する。F1.6まで絞ると問題は大幅に軽減され、F2以降では大きな問題が見られない。

自動補正を有効にすると、F1.2ですでに1EVまで減少し、F1.6からほとんど問題が目に見えなくなる。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

F8程度からより顕著な光条を生成し、F16で最良の結果を得ることができる。

光条は先細りしていて、非常に心地よい。

総評

スペックだけでなく、美しい結果を出すことができる確かなレンズだ。F1.6で中心部はとてもシャープで、周辺部もF5.6で素晴らしいピークの結果が得られる。倍率色収差や歪曲収差は皆無で、意外なことに軸上色収差もF1.2で非常に低く抑えられている。周辺光量はF1.2で少し多い方だが、自動補正でほぼ解決できる。

最高のフジノンレンズに容易に匹敵する高いビルドクオリティも強みの一つだ。金属製のボディとインナーフォーカスに加え、防塵防滴仕様の安心できる作りだ。AFは世界最速ではないかもしれないが、きちんと仕事をしてくれる。

VILTROXは、今や侮れない存在になりつつある。
強くお勧めできるレンズだ。

とのこと。
VILTROX製APS-C用AFレンズとしてはこれで5本目となる75mm望遠単焦点。従来のレンズよりも大きく重いものの、F1.2の大口径を採用。さらにAF/MFスイッチやクリック付き絞りリング、防塵防滴など機能性を強化。価格は549ドルと従来品よりも高価ですが、「XF90mmF2 R LM WR」が949ドル、「XF56mmF1.2 R WR」が999ドルと考えると手ごろな価格設定と言えるでしょう。

光学性能は価格を考慮すると非常に良好のようです。特にこの価格でアポクロマートのように高水準の色収差補正は魅力的ですね。なんちゃって「F1.2」ではなく、大口径を思う存分楽しむことができるレンズに仕上がっています。実写サンプルを確認しても、確かにF1.2から色収差が目立たず、コントラストの高い結果を得ることができそう。

問題は需要が高く、日本国内で流通するほど製品が出回っていないこと。おそらくPERGEARあたりが売り出すと思われますが、今のところ取り扱い開始の告知はされていません。早めにほしいのであれば個人輸入するしかないのが現状のようです。（と言っても海外でも品薄状態は変わりませんが…）

VILTROX AF 75mm F1.2 最新情報まとめ

VILTROX AF 75mm F1.2
楽天市場	Amazon	キタムラ	Yahoo
PERGEAR	VILTROX

レンズの仕様

レンズの仕様
発売日	2022年12月26日	初値	3499元
マウント	X	最短撮影距離	0.88m
フォーマット	APS-C	最大撮影倍率	0.1倍
焦点距離	75mm	フィルター径	77mm
レンズ構成	11群16枚	手ぶれ補正	-
開放絞り	F1.2	テレコン	-
最小絞り	F16	コーティング	HD nano
絞り羽根	11枚
サイズ・重量など
サイズ	φ87×101mm	防塵防滴	対応
重量	670g	AF	STM
その他	USB-Cポート・絞りリング・AF/MFスイッチ
付属品
レンズフード