Lesnumeriquesが富士フイルム「XF50mmF1.0 R WR」のレビュー公開。ボケは大きく滑らかなものの、高価なレンズとしてはシャープネスが不足し、AF性能についても問題を指摘しています。
貴重なF1.0 AFレンズだが…
Lesnumeriques:Test Fujifilm Fujinon XF 50 mm f/1.0 R WR : la luminosité avant tout
- レンズの紹介:
・市場には様々なレンズがあるものの、F1.4以上の明るさを備えたレンズはそう多くない。さらにオートフォーカスに対応したレンズとなると、さらに少なくなる。
・このレンズはキヤノン「EF50mm F1.0L USM」に続き、F1.0でAFに対応した2本目のレンズだ。そしてAPS-C用としては最初のレンズである。
・フルサイズで75mmに相当する画角である。- ビルドクオリティ:
・外装は金属製で非常に良好な仕上がりだ。
・防塵防滴仕様である。- 携帯性:
・全長は約10cm、重量は845gと大きなレンズだ。X-T4より250gも重い。
・大部分の富士フイルム製カメラでアンバランスとなる。
・X-T4のグリップは比較的小さく、このレンズを装着した状態で安定したグリップはできない。- 操作性:
・フォーカスリングは非常に緩く、操作時は注意しなければならない。
・ソニーEマウントのサムヤンレンズを彷彿とさせる操作性だ。
・1600ユーロのレンズとしてはもう少しハイクオリティな操作感を期待していた。
・絞りリングも同様に抵抗はほとんどない。誤操作する可能性は高いだろう。
・フォーカスリングと絞りリング以外に操作できるものは無い。- オートフォーカス:
・F2.8より小さなF値を使用すると、時々ピントを外す。
・ピント位置を切り替える際にウォブリングが少し目立つ。- マニュアルフォーカス:
・記載なし。- 手ぶれ補正:
・手ぶれ補正が無いため、手ぶれ補正が必要な場合はボディ内手ぶれ補正搭載モデルを利用する必要がある。- 解像性能:
・絞り値に関係なくソフトだ。
・絞ったとしてもピークはかなり限られている。
・絞ってもフレーム全体の均質性は高くならない。
・F1.0の明るさを考慮すると仕方ないのかもしれないが、もう少し良いものを期待していた。- 像面湾曲:
・記載なし。- ボケ:
・後ボケは非常に柔らかく、被写体を浮かび上がらせることが可能だ。
・玉ボケは中央で円形だが、四隅に向かって変形する。
・玉ボケの内側はとても滑らかだ。- 色収差:
・色収差はとても効果的に抑えられている。- 球面収差:
・記載なし。- 歪曲収差:
・記載なし。- 周辺減光:
・絞り開放で目立つが、絞るごとに改善する。- コマ収差:
・記載なし。- 逆光耐性:
・記載なし。総評
これは戸惑うテスト結果となった。F1.0のAFレンズを歓迎する人もいるだろうが、シャープネスが不足している。ボケは良好だが、高価なポートレートレンズとしては驚きだ。多額の投資をする気が無い人はXF56mm F1.2も検討すべきだろう。ゴージャスなボケではないが、良好なシャープネスを備え、より手ごろな価格で小型軽量である。
長所:超大口径・適切に補正された色収差と歪曲収差・ボケ描写・防塵防滴・絞りリング
短所:フォーカスリングが緩すぎる・シャープネス・大音量のAF・手ぶれ補正なし・カスタマイズ可能なコントロールなし
とのこと。
このレンズの評価は真っ二つに分かれていますが、Lesnumeriquesはどちらかと言えばネガティブな評価が目立つように見えます。他のレビューサイトの作例を見る限り、ピント距離が近いとシャープネスが伸び悩むのかもしれませんね。その分ボケは非常に柔らかい描写と感じるはず。
「低照度でのハイスピードレンズ」と考えると、絞り開放のシャープネスは問題と感じるかもしれませんが、「ポートレートレンズ」として見ると、ある意味スペシャルなレンズなのかなと。他社のフルサイズ用50mm F1.4と同じような価格帯と言うこともあり、悩ましい値付けですねえ。
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