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シグマは生産拠点を日本に留め、出来る限り写真産業で事業を展開してゆく

ican.plにシグマの山木社長が寄稿した記事が公開されています。生産拠点を日本に留めておく理由、シグマの強みや写真産業への意欲などに言及しており、シグマユーザーならば必見の内容。

シグマは日本で写真産業で事業を継続

ICAN:The path of the little samurai

  • 生産コスト上昇に伴い、1990年代に多くの写真機材メーカーが製造拠点を海外へ移した。しかし、シグマは生産拠点を福島の工場に留めるべきという重要な決定をした。
  • 生産コストを大幅に削減するか、クオリティの高い製品をより高い価格で販売できるようにするか、2つの選択肢でシグマは後者を選び、全ての従業員にこれを認識させた。
  • 前社長の代から、社内におけるコラボレーション文化を受け継いでいる。会社を意識し、同時に情熱を持って取り組んでいる。
  • 伝統的な家族的経営モデルは、パンデミックがもたらした課題にも非常に強いことがここ数ヶ月で判明した。グローバルに事業を展開しているにもかかわらず、シグマは比較的小規模な会社であるため、個々の社員が自分たちが直面している脅威を理解し、会社や他の社員を助けるために、より一層の努力をすることが容易であった。
  • 2020年4月には、ほとんどの社員(もちろん工場勤務の社員を除く)にリモートワークを開始してもらい、8割近くの社員が在宅勤務を開始した。
  • 例外的なケースは別として、社員のエンゲージメント(愛社精神)の低下は感じない。これは、今年発売した新製品がどれも好評だったことも影響しているのかもしれない。
    リモートワーク中の私が、写真全員にコミットすることができない状況でも、市場からのポジティブなフィードバックは、間違いなくチーム全体のモチベーションを維持するのに役立った。
  • パンデミックの困難な状況を乗り切るためには、コンテンツを持ち、幸せで、忠実で、従事している従業員の効率的なチームワークしかない。
  • 生産コストの低い場所に工場を開設すれば会社の利益は上がるが、多くの従業員を国内工場から解雇しなければならなくなる。そうならないようにしたいと思い、その人たちに責任を感じている。
  • 製造工程にはまだ多くの段階があり、その中で最も重要なのは「人間的要素」だ。日本人、中国人、韓国人、タイ人であるかどうかではなく、従業員としての経験がどれだけあるかということだ。日本の工場には、経験豊富な人材がいる。だからこそ我々は他の場所に生産拠点を移すつもりはない。高品質なレンズの製造は、最高の技術と最高の人材を必要とする。
  • 我々のマーケティング予算は、他の部門に比べて非常に限られている。ブランド力を人為的に高めたり、潜在的な顧客の感情を喚起したりすることはない。他の多くの企業とは対照的に、我々は広告費をほとんど使っていないが、マーケティング活動が重要でないと考えているわけではない。大々的な広告キャンペーンではなく、お客様に何か別のものをお見せしたいと考えている。
  • 本社(会津工場ではなく東京近郊の本社)では、全社員の75%が新製品の設計を行うエンジニアだ。残りの25%は営業、マーケティング、カスタマーサポートである。投資も同様で、常に研究開発が優先される。それは父が「大きな工場、小さなオフィス」という原則を採用し、我々は今もそれに従っているのだ。
  • 我々が製造に使用している技術の大半は、シグマが開発・保有するノウハウだ。光学システムの設計、レンズの製造や研磨に関する技術、レンズやカメラ用ボディの製造など、これらの技術は、一貫したエコシステムの要素を構成する。シグマのサプライチェーンがそれほど複雑ではなく、市場の混乱にも強いのはそのためだ。
  • 長期的な視点で、スマートフォンや医療機器、自動車用のレンズなど、他のソリューションの可能性はあるだろうか?高品質で高価格な製品に限定されてしまうので、そう簡単にはいかない。スマホや車のレンズは、まず第一に安い。このため、我々がそれを生産しても採算が合わない。
  • 我々は写真を愛している。だからこそ、我々は可能な限り写真産業で事業を展開していきたいと考えている。
  • スマートフォンを使って写真や動画を撮る人が増えているのに伴い、写真市場はここ何年も計画的に縮小しているのは事実だ。
  • カメラの販売台数が減るということは、レンズの購入に興味を持つ潜在的な顧客が減るということでもある。そのため、短期的な戦略としては、ニコンZやキヤノンEOS Rのような新マウントのレンズを導入する可能性がある。しかし、今のところ当社のレンズ受注数は、当社の製造能力、特に研究開発部門の能力を上回っている。
  • 写真市場は確かに小さくなっているが、無限に小さくなるわけではない。我々の予想では、2021年に底を打つと考えている。高品質のカメラとレンズで写真を撮りたいという情熱的な人々の本当の数は、今も昔も、おそらく非常に似たようなものだろう。
  • 現代のカメラボディにはレンズと同じようにエレクトロニクスが詰め込まれており、画像の最終的な品質は、このエレクトロニクスがどのように通信し、どのように連携するかに大きく左右される。機器だけでなく、ソフトウェアも非常に重要であり、現在では最終的な品質に決定的な影響を与えるのはソフトウェアだ。
    だからこそ、カメラの設計・販売で得られる経験は、我々にとって貴重なものだ。正直言って、この分野では今でもかなりの損失がある。しかし、カメラを売ることでも儲かる可能性が少しでも出てくるまでは、開発を続けていきたいと思っている。今のところそのようなチャンスはあると思っている。

とのこと。
ざっくり抜粋しましたが、割愛した部分も多いので詳しくはICANにて。シグマユーザーなら必見の内容。

最後にICANの編集長が「1700人の会社が万単位の従業員を擁するキヤノンやニコンなどと競い合っている」と、とても驚いていると述べています。ここ最近は新しいレンズの投入数も多く、本当に勢いがあるメーカーとなっているように感じます。あとはフルサイズFoveonがうまくいくと良いですねえ。

海外の噂サイトでは「ニコンZやキヤノンRのレンズも期待できそう」と肯定的に発信していますが、内容を見る限りではソニーEとライカLマウントで手一杯のようにも見えます。そして「ソフトウェアっが重要」と語っているように、レンズ補正を駆使したDG DNシリーズをリバースエンジニアリングで投入するのは難しいのかなと予想しています。
(歪曲や減光などのレンズ補正が正常に動作しないかもしれない?)

この記事で注目すべきは「生産拠点を日本に留める理由」「写真産業への思い」なのかなと。「Made in Aizu」を貫くシグマ製品は積極的に買っていきたいなと感じました。

参考:シグマDG DNシリーズ一覧

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