Nikon ZシステムはFTZ経由でFマウントレンズが必須
ついにニコンがフルサイズミラーレス「Z」を発表しましたね。大口径マウントやF0.95のレンズが話題となるものの、ロードマップを見る限り抜けているラインナップが多いです。まだまだFマウントレンズの必要性は高そうです。
今回はNikon Zカメラ用マウントアダプター「FTZ」を使ってFマウントレンズを使うならどのレンズを使えばいいか?を考えていきたいと思います。
マウントアダプター FTZのおさらい
アダプターFTZの特徴
- AFモーター搭載レンズはAF対応(AF-P/AF-S/AF-I)
- AFモーター非搭載レンズはAF非対応
- フォーカスエイド対応はG/E/Dタイプのレンズのみ
(PC-E NIKKORはE型でも非対応) - CPU搭載レンズならごく一部の例外を除いてAE対応
- VR搭載レンズは光学+センサーシフト式の3軸手振れ補正対応
- VR非搭載レンズのボディ手振れ補正効果はZマウントレンズよりも弱い
- カメラ側の手振れ補正を適用することで周辺減光・ケラレの可能性がある
- 質量1,300g以上のレンズ装着時は取り扱いに注意
- カニ爪レンズなど古いレンズには対応していないため注意が必要(参照)
ここ最近登場したレンズならばまず問題ありませんが、ボディ内蔵モーターに依存するAFレンズやMFレンズが注意が必要。
「不変のFマウント」と言われてきたFマウントレンズですが、種類は様々ですので公式仕様表を必ず確認することをおススメします。
- 公式商品ページ
- 仕様表
- ニコンFマウント解説 決定版(キンタロウ氏)
NIKKOR Zレンズ ロードマップを確認する
ズームレンズ | 単焦点レンズ |
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2018年に登場するのは標準ズームと単焦点2本。2019年には大口径ズームや単焦点レンズが数本登場する予定となっていますね。さらに2020年には追加の単焦点レンズや大口径広角ズームレンズが予定されています。
このロードマップ上に欠けているレンズラインナップは以下の通り。
- 軽量な望遠ズームレンズ
- 超望遠レンズ
- マクロ・魚眼な・特殊効果レンズ
- 高倍率ズームレンズ
- F1.4クラスの単焦点レンズ
Nikon Zシステム登場前に予想した「不足するレンズ」とほぼ一致していますね。今回は上記の情報をもとにして「マウントアダプターFTZで使いたいFマウントレンズ」を厳選していきたいと思います。
イチオシのレンズ
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
前回に引き続き、真っ先に「これは買いだろうな」と思ったレンズがコレ。
選んだ理由は「ロードマップに同クラスのレンズが存在しない」に加えて主に以下の3点
- ミラーレスのAFに適したステッピングモーター駆動
- 完全電子マウントのE型(電磁絞り)
- マウントアダプター装着でも比較的軽量な望遠ズーム
この3点を満たしているニコンFマウントレンズは非常に少なく、特にステッピングモーター仕様のレンズは極僅かであり、FX用のAF-Pレンズは今のところ(2018年8月)コレくらい。
価格はキヤノン「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(ナノUSM駆動)」と比べてやや高価なものの、ソニーFEレンズ「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」と比べると半値い近い。
それを考えるとお買い得と言えるでしょう。AF-P70-300mmの中古流通量は少ないのでリセールバリューはそこそこ高いはず。
一つ古いモデルとして「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED」が存在するものの、駆動方式を考えるとAF-Pの本レンズが良いのではないかと思います。
私もそのうち買うかもしれません。(Z 35mm F1.8 SとZ 50mm F1.8 Sに手を出したので後回しとなりますが…。)
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ロードマップには無い「マクロレンズ」の穴を埋めることが出来る上、一眼レフには無かった「ボディ内手振れ補正」を使うことで撮影の幅が広がりそうな一本。
おまけにそこまで高くない。
海外のレビューサイトではNikon D3(1200万画素)で”色収差が目立つ”という報告もあったりする。Z 7の持つ4600万画素CMOSセンサーの解像性能を活かしきれないかもしれません。
AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
14-30mm F4というNIKKOR Zレンズが2019年に登場予定となっていますが、それまでの”繋ぎ”となりそうなのがこのレンズ。
新品でもそこまで高く無く、中古なら5万円前後とお手頃。
安価ながら光学性能は悪く無く、ボディ側のセンサーシフト式で手振れ補正に対応。「AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR」の少し広い画角が必要無ければコストパフォーマンスの高い一本と言えそうです。
AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR
Nikon Zシステムと同時発表された超望遠単焦点。Zカメラの話題性が高く、このレンズは陰に隠れてしまいました。しかし、500mmとしては驚異的なコンパクトさを実現しており、抜群の携帯性から注目している人も多いのではないでしょうか?
まさにZシステムのために用意されたようなデザイン。とは言え「Zシステムのために購入する」にはちょっとリスキーな価格設定ですね。
Zカメラのオートフォーカス性能がこのレンズのポテンシャルを出し切れるのか?と言う心配な一面は存在します。
軽量なF1.8Gシリーズ
NIKKOR Z システムのS-Lineシリーズとして「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」や「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」が既に予約販売開始されています。しかし、これらはZマウント用に最適化され、高画質を意識した光学設計・価格設定となっているため、一眼レフ時代のF1.8と比べるとかなり高価です。
「絞り開放から色収差を抑えたシャープな画質」が必要無ければマウントアダプター経由でFマウントのF1.8Gシリーズを楽しむのもありでしょう。
「一眼レフ用レンズをZカメラで使う意味があるの?」と言う人もいるでしょうが、ボディー内手振れ補正や顔認識・カバーエリアの広いAFを搭載するZカメラで使う意義は多いあると言えます。
F1.4E/F1.4Gシリーズ
正直に言うと、この価格帯のレンズはいずれ登場するであろうNIKKOR Zシステムのレンズと比べて価格差は大きく無いはず。当然、設計の自由度が高いNIKKOR Zのほうが高画質であると予想できます。
とは言え、F1.4シリーズが出揃うのは当分先のことでしょう。そう考えると一眼レフのF1.4シリーズを揃えちゃってもいい気がします。
特に58mm F1.4のように極めて個性的な味付けのレンズや50mm F1.4Gのように収差がしっかり残ったレンズはNIKKOR Zで出てこないはず。
AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED
NIKKOR Zロードマップには無い魚眼レンズの穴を埋めることが出来るレンズ。
やや高価ですが、円周?対角魚眼まで対応している上に光学性能はなかなか優秀。さらに防塵防滴・フッ素コーティング・ナノクリスタルコートと信頼性の面もバッチリ。
Nikon Zカメラではさらに手振れ補正が使える上に、20種類のデジタルフィルターを絡めて使えば面白い写真表現が出来るかもしれません。
なやましいサードパーティ製レンズ
135mm F1.8 DG HSM | Art
「現代を代表する光学性能のレンズ」と評価されることもあるシグマのスーパー単焦点。
このレンズをフォーカス精度の高いミラーレスのハイブリッドAFで最も高解像に撮影できるのがNikon Z 7(4600万画素)。Sony α7R III(4200万画素)でも十分と言えば十分ですが、シグマレンズを使うのであれば出来るところまで解像させたいと思う人もいるはず。
そんな最適解がNikon Z 7。おまけに手振れ補正も動作(3軸?)するので使い勝手は一眼レフ以上。
ただし問題はアダプターFTZで動くかどうか…。
100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD
重たい純正の超望遠レンズよりは軽量かつリーズナブルなタムロン版ライトバズーカ。シグマもタムロンも使ったことがりますが、オートフォーカスのレスポンスはこちらのほうが軽快で好み。
最大の障害はマウントアダプターFTZで動くかどうか…。
キヤノンのEOS MシステムにEF-EOS Mアダプター経由でシグマ100-400mm DG HSMを動かした実績はありますが、さてニコンのアダプターで動くかどうか…。
動くのであればかなりおススメできるレンズ。
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)
NIKKOR Zのロードマップ上に存在しないマクロレンズの穴を埋めるのに最適なレンズ。
純正レンズの「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F/2.8G IF-ED」はフルサイズ一眼レフが登場する前(Nikon D3よりも前)に発表されたかなり古いレンズ。それと比べると光学性能にも定評があるコチラを使いたいところ。
しかし、100-400mmと同じくサードパーティ製が動作するのか不安。出来ればキタムラで中古を最寄り店舗まで取り寄せ、購入前に動作を確認しておきたい。
17-35mm F/2.8-4 Di OSD
「AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED」よりも広角側の画角が広く、防汚コート(フッ素コーティング)やファームウェアアップデートに対応しているなど高機能な広角ズームレンズ。価格も古い純正レンズと比べて遜色ないレベル。
やはり互換性の問題が心配されるものの、それさえクリアできれば積極的に使っていきたいポテンシャルを持っている。
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