このページではソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、オートフォーカスについてレビューを掲載しています。
Index
FE 24-105mm F4 G OSS レビュー 一覧
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー 完全版
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.6 ボケ編
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.5 諸収差編
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.4 周辺減光・逆光編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.7 逆光編その2
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.6 外観・AF・手ぶれ補正編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.5 歪曲収差編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.4 逆光編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.3 微ボケ編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.2 遠景解像編
まえがき
2017年11月に発売されたソニーEマウント初となる24-105mmだ。24-70mmよりも幅広いズームレンジを開放F値「F4」でカバーしている便利なズームレンズである。フルサイズ対応のGシリーズとしては「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」に次いで新しいレンズでもある。
概要 | |||
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レンズの仕様 | |||
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.38m |
フォーマット | 35mm | 最大撮影倍率 | 0.31倍 |
焦点距離 | 24-105mm | フィルター径 | 77mm |
レンズ構成 | 14群17枚 | 手ぶれ補正 | 搭載 |
開放絞り | F4 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | NanoAR・F |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ83.4×113.3mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 663g | AF | DDSSM |
その他 | |||
付属品 | |||
ケース・フード・キャップ |
焦点距離はこのクラスで一般的な「24-105mm」をカバーしている。開放F値や最小絞りも一般的なF4-F22を使用可能。レンズサイズや重量も他社と比べてこれと言った大きな差は無い。
ただし、最短撮影距離はハーフマクロ対応のパナソニックや、0.39倍のニコンと比べると見劣りする。ただし、キヤノンと比べると良好だ。
フォーカス駆動は手ブレ補正機構の圧電素子の収縮運動を直進運動に変換する技術をAF駆動に応用した「ダイレクトドライブSSM(DDSSM)」を使用。最新レンズで導入が続く「XDリニアモーター」と比べるとスピード性能で見劣りするものの、滑らかで十分高速なフォーカス性能を実現している。
コントロールは2つのリング以外にAFLボタンとAF/MF・OSSスイッチを搭載。絞りリングやズームリングロックは無い。
価格のチェック
売り出し価格は「?145,416」であり、発売から4年ほど経過した今でも値下がりする傾向は見られない。ただし、ソニーのキャッシュバックキャンペーンで毎回のように高効率の還元が発生している。購入のタイミング次第では10万円ちょっとで購入することも可能だ。(楽天市場やYahoo!ショッピングのポイント付与率も高い場合が多い)
FE 24-105mm F4 G OSS | |||
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外観・操作性
箱・付属品
従来通り、ソニーαのブランドカラーであるインターナショナルオレンジを使ったビビッドなカラーリングの箱。遠くにあったとしても視認できるくらいの目立つ色合いに見える。レンズ本体はレンズポーチに入れられた状態で梱包されている。緩衝材は入っていない。
レンズ本体の他、レンズフードとレンズケース、説明書、保証書が付属する。レンズポーチは他社よりもしっかりとした作りだが、G Masterシリーズのケースような頑丈さは無い。
外観
外装はプラスチック製ながらしっかりとした作り。よく見るとプラスチックパーツの継ぎ目が見える。過度の安っぽさは感じないが、同じプラスチック外装のG Masterと比べると質感はやや劣る。表面はシボ加工が施されたマットな塗装で、指紋や傷がつきにくくなっている。
ちなみにレンズ先端のみ金属パーツを使用している。衝撃が加わった際の耐久性を考慮しているのだろうか?もしくは破損した場合の交換性を高めているのか…。
フォーカスリングとズームリングの表面加工に違いは見られないが、操作に困ったことは無い。
全体的に装飾は最小限。これと言った意匠は「G」のロゴしか見当たらない。外装の表記はレンズ名を除いてすべてプリント。経年劣化でプリントが剥がれてくるのか不明だが、中古屋の24-105mm F4 Gの状態を見ている限りでは問題無さそうだ。ちなみにレンズの製造国は「中国」と表示している。
レンズ内筒はプラスチックのような質感だが、外装のプラスチックよりも遥かに頑丈な作りと感じる。多段式ではなく、一つの筒が前後する仕組みとなっている。伸びた状態の内筒にガタツキは見られない。
ハンズオン
重量663g、全長113.3mm。24-105mm F4のレンズとしては平均的なサイズ・重量だ。小型軽量なソニーα7シリーズと組み合わせると少し大きく感じるが、追加グリップやバッテリーグリップを装着することで保持力は改善できる。
高級感溢れる質感ではないが、プラスチッキーなレンズとも感じない。実用性を重視したF4ズームらしい作りと感じる。
前玉・後玉
フィルターはこのクラスとしては一般的な77mm径に対応。70-200mm F2.8 GM IIや85mm F1.4 GM、100-400mm F4.5-5.6 GMと共通である。本格的にα7シリーズを運用するのであれば77mm径でフィルターを揃えておくのも一つの手。レンズ前面にはフッ素コーティングが施されているが、ダメージが予想されるシーンではプロテクトフィルターを装着しておいたほうが良いだろう。
金属製レンズマウントは4本のビスで固定されている。周囲には防塵防滴用のゴムシーリングを配置。カメラ装着時にガタツキは無く、滑らかに装着できる。
レンズ後玉はズーム操作によって前後に移動する。内部は反射防止のために黒塗りされ、適切な逆光対策が施されている。ただ、隙間からフレキのようなパーツが垣間見える。
フォーカスリング
14mm幅のゴム製フォーカスリングを搭載。滑らかに回転するが、個人的な好みからすると少し緩すぎる。操作時の反応が良いのでDMFの場合は誤操作しやすい。操作時のレスポンスはリニアで、回転速度に関わらず約180°でピント全域を操作できる。フルマニュアルで素早く操作するにはストロークが少し長いものの、DMFで微調整するには程よいストロークと感じる。
ズームリング
約20mmのゴム製ズームリングを搭載。適切なトルクで比較的滑らかに回転するが、動画撮影で使うには滑らかさがあと少し足りない。ズーム全域でほぼ一貫したトルクながら、望遠側にズームするとトルクが少し強く感じる。24mmから105mmまでのストロークは約90°で、広角端から望遠端まで素早く移動することができる。
24mmで全長が最も短くなり、105mmで最も長くなる。105mmは内筒が47mm伸び、さらにレンズフードを装着すると40mm伸びる。
残念ながらこのレンズにはズームリングをロックする機能が無い。カメラバッグから取り出す際にフードがひっかかると内筒が伸びてしまう可能性あり。気を付けたい。
スイッチ類
レンズ側面にはAF/MF切替スイッチとOSSの切替スイッチを搭載している。どちらのスイッチも指にかかりやすく、使いやすい。
ズームリングとフォーカスリングの間にはフォーカスホールドボタンを搭載。ボディ側のカスタマイズで様々な機能を割り当てることが出来る。
レンズフード
プラスチック製の花形レンズフード「ALC-SH152」が付属する。ロック機構が無ければフィルター操作窓もない。非常にシンプルなレンズフードだ。逆さ付けに対応しているが、その際はフォーカスリングの操作が難しい。
装着例
α7R IVに装着したところ、レンズとのバランスは良好だ。初代や第二世代のα7シリーズではフロントヘビーと感じるかもしれない。第4世代のα7はグリップがとても良好で、片手で保持するのも問題無い。カメラグリップのレンズの間の空間は決して余裕があるとは言えないが、十分な広さを保っている。
AF・MF
フォーカススピード
このレンズのフォーカス駆動にはダイレクトドライブSSM(DDSSM)を採用している。最新レンズで採用が進む「XDリニアモーター」では無いが、フォーカス速度はとても高速で、快適に利用できるように見える。望遠端では合焦速度が少し低下するものの、少し広めのフォーカスエリアを使うことで速度が改善する可能性あり。
ブリージング
ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。
24mm
完璧ではないが、ほぼ無視できる影響量に抑えられている。
50mm
24mmと同じく、ほぼ無視できる影響量に抑えられている。
105mm
視認できる画角変化が無いように見える。特にピント移動が多くなる焦点距離だけに拍手喝采の結果だ。
精度
α7R IVと組み合わせた限りでは大きな問題が無いように見える。
MF
前述したように180度ストロークでリニアレスポンスのフォーカス操作が可能。ストロークは少し長めだが、微調整しやすいと感じる。ただしフォーカスリングが少し軽すぎて誤操作しやすいのが玉に瑕。
まとめ
光学性能はこれからチェックするとして、バランス良くまとまった、使いやすい標準ズームレンズだと感じる。α7シリーズのキットレンズからステップアップするには面白い選択肢。良好なビルドクオリティとコントロールを備え、フォーカス性能も全体的に良好だ。
敢えて言えば、ズームリングがもう少し滑らかだと良かった。フォーカスブリージングが良く抑えられているので、これで滑らかにズームできれば個人的に動画撮影で積極的に使うレンズになっていたと思う。惜しい。
そして、24mmで固定できるロック機構があれば、カメラバッグから取り出す時に内筒が伸びることもなかっただろう。14万円前後の、決して安いレンズではないので、そのくらいは欲しかった。
ソニーEマウントで直接競合するレンズは存在しないが、敢えて言えばタムロン「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」がそれに近い存在だ。広角28mmから望遠200mmまでをカバーしつつ、広角端ではソニーよりも1段明るいF2.8を利用可能。さらに100mm付近でも「F4.5」を利用することが出来る便利な高倍率ズームである。言ってしまえば「28-105mm F2.8-4.5」のような使い方をすることも出来る。
タムロンには光学手ぶれ補正こそ無いものの、ボディ内手ぶれ補正を搭載するα7シリーズならば、そう不便することは無いと思う。さらに、買い方次第でFE 24-105mm F4 G OSSの半値程度で購入することが出来る。
購入早見表
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作例
関連レンズ
- Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
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- 28-75mm F/2.8 Di III RXD
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- AF 24-70mm F2.8 FE
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