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NIKKOR Z 24-120mm f/4 S レビュー Vol.1 外観・操作・フォーカス編

ニコン「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性などをチェックし、カメラに装着してAF速度やMFの操作性などを確認しています。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sのレビュー一覧

まえがき

概要
レンズの仕様
マウント Z 最短撮影距離 0.35m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率 0.39倍
焦点距離 24mm-120mm フィルター径 77mm
レンズ構成 13群16枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F4 テレコン -
最小絞り F22 コーティング ARNEO・F
絞り羽根 9枚(円形絞り)
サイズ・重量など
サイズ φ84mm×118mm 防塵防滴 対応
重量 630g AF STM×2
その他 マルチフォーカス
付属品
レンズフード・ソフトケース

2021年10月に正式発表されたNIKKOR Zシリーズで5本目となる標準ズーム。広角24mmから望遠120mmまでを開放F値「F4」でカバーした便利なレンズであり、24-70mm F4の狭いズームレンジが不満で、24-200mm F4-6.3の変動するF値を好まない場合の選択肢となる。

レンズサイズは沈胴構造の24-70mm F4よりも一回り大きく、24-200mm F4-6.3以上で、24-70mm F2.8に近い。コンパクトな標準ズームとは言えないものの、このクラスのズームレンズとしては比較的標準的なレンズサイズと言えそう。望遠端が120mmと少し長いことも考慮したいポイント。

フォーカスはステッピングモーター使い、個別の2ユニットを駆動するフローティングフォーカス構造を採用(ニコンはこれをマルチフォーカスと呼称)。静かで滑らかなAFを実現すると共に、近接時の収差変動を抑えたフォーカシングが可能。
最短撮影距離はズーム全域で0.35mを実現。この数値はキヤノンやソニーの24-105mm F4よりも良好ですが、パナソニックの24-105mm F4のようなハーフマクロには及ばない。とは言え、24-120mmで最大撮影倍率0.39倍を使えるのは魅力的。

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRとの比較
Z AF-S
焦点距離 24-120 24-120
開放絞り F4 F4
最小絞り F22 F22
絞り羽根 9 9
最短撮影距離 0.35m 0.45m
最大撮影倍率 0.39倍 0.23倍
フィルター 77mm 77mm
サイズ 84mm×118mm 84×103.5mm
重量 630g 710g
AF駆動 STM SWM
VR - 3.5段分
テレコン - -
防塵防滴 対応 対応
コーティング ARNEO・Nano Nano
MTF 広角
MTF 望遠

スペックシートを見比べてみると、レンズサイズは同程度ながら、100gほど軽量化しているのが分かる。顕著に異なるのが最短撮影距離と撮影倍率で、小さな被写体を撮影する機会が多いのであれば満足度の高いレンズとなるはず。さらにコーティングには新しくARNEOコートを使用、メンテナンス性を高めるフッ素コーティングにも対応しているのは嬉しいポイント。
MTFを確認してみると、広角・望遠どちらでも中央の解像性能が高まっているのが分かる。広角24mmでは四隅での画質低下が抑えられ、120mmでは中央から像高5割まで高解像を維持し、周辺部のパフォーマンスも良好に見える。

注意点として、NIKKOR Zの24-120mmは光学手ぶれ補正(VR)を搭載していない。ボディ側に手ぶれ補正を搭載しているので必要性が低下しているのは確か。とは言え、ボディ側の補正は望遠側で効果が薄く、120mmの望遠端でボディ側の補正効果がどれほど期待できるのか気になるところ。ちなみに、他社(キヤノン・ソニー・パナソニック)は全て同クラスのレンズに光学手ぶれ補正を搭載している。

価格のチェック

売り出し価格は一眼レフ用と同程度で、顕著な値上がりは見られない。ミラーレス用レンズは比較的高価になる傾向がある中では良心的な価格設定と感じる。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
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外観・操作性

箱・付属品

黒を基調としてブランドカラーの黄色をアクセントに使用したNIKKOR Zらしい箱。個人的にはFマウントにおける箱のデザインが好みだった。

中は段ボールで間仕切りされている。レンズ本体を包んでいる緩衝材は薄っぺらく、耐衝撃性があるようには見えない。だんぼーるで間仕切りされているとはいえ、レンズが入ったままの箱を乱雑に扱わないように気を付けたい。

レンズ本体の他にレンズフード、レンズポーチ、説明書、保証書が付属している。

外観

装飾は最小限で、モダンかつエレガントなデザイン。一眼レフ時代にあった「金環」は存在しないが、「S-Line」を示す「S」をNIKKORのロゴの隣に大きく表示している。
外装は主にプラスチックを使用しているが、レンズマウント付近は金属製の鏡筒を採用。どのような意図があるのかは不明だが、しっかりとした質感である。

ズームリングやフォーカスリングの表面はゴム製カバーが装着されグリップを向上。コントロールリングはプラスチック製だが、指がかかりやすいように表面が加工されている。
3つのリングの他にはAF/MFスイッチとL-Fnボタンを搭載。ズームリングを固定するスイッチは存在しない。

ズーム操作により内筒が伸びる。このクラスとしては一般的な仕様だ。ただ、このクラスとしては珍しく、内筒が2段式となっている(ソニーやキヤノンの同クラスは1つの内筒が前後する)。特に大きな問題は無いが、個人的に1段のほうが見栄えが良いと感じる。この違いで防塵防滴にどのような違いが発生するのかは不明。ちなみに内筒はプラスチック製だ。

ハンズオン

重量は630g、全長は118mm。全長は競合レンズと比べて僅かに長いが、重量はキヤノンやソニーよりも少し軽い。ただし、キヤノンやソニーが光学手ぶれ補正を搭載していることを考え得ると、有意義な軽量化とは言えない。

沈胴構造を採用しているZ 24-70mm F4 Sと比べると縮長が長く、収納性は遥かに悪い。ただし、(レンズを伸ばした)使用時は24-120mmと同程度の長さとなる。

前玉・後玉

凸型の前玉にはフッ素コーティングが施されているので水滴や汚れが付着してもメンテナンスしやすい。とは言え、ダメージが予想できる撮影シーンではプロテクトフィルターを装着するのがおススメ。対応するフィルター径は77mmだ。

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後玉は大口径Zマウントらしく非常に大きい。これが周辺部の画質改善に役立っているのかどうかは今後のレビューでチェックしていきたい。

レンズマウントは金属製で、4本のビスで固定。周囲は防塵防滴用のシーリングが施されている。

ズーム操作で焦点距離が長くなると、後玉は前方へと移動する。後玉が奥へ移動すると、反射防止用の黒塗り加工などを確認することができる。

フォーカスリング

約15mmのフォーカスリングを搭載。適度と言うには少し緩いくらいで滑らかに回転する。回転速度に応じてピント移動量が変化し、素早く回転した場合は全体的に90度未満のストロークでピント全域を素早く操作することできる。回転速度の変化に敏感に反応するので素早く高精度なマニュアルフォーカスが可能だが、少し慣れが必要。

ズームリング

35mm幅のズームリングを搭載。焦点距離は24mm、28mm、35mm、50mm、70mm、85mm、120mmを表示。ここまで小刻みに焦点距離を表示している標準ズームも珍しいが、主要な焦点距離を網羅しているので、撮影する焦点距離が決まっている場合は便利である。
フォーカスリングと比べると回転操作が非常に重い。ズーム全域でトルクの変化や引っかかりは無いものの、素早くズーム操作するには少し重すぎると感じる。

レンズは24mmで最も短く、120mmまでズームすると約6cm伸びる。ズームリングのロック機能は無いので、カメラバッグから取り出す際にレンズフードなどが引っかからないように気を付けたい。

コントロールリング

カメラ側で機能をカスタマイズできるコントロールリングを搭載。便利な第三のリングだが、Z 7では割り当てることが出来る機能が3種類しかない(絞り・ISO・露出補正)。コントロールリングに(リニアレスポンスの)フォーカス操作を割り当てることが出来る良かった。
リングは無段階で回転するので動画撮影に適しているが、静止画で操作するには慣れが必要だ。リングをロックすることは出来ないので、誤操作に気を付けたい。

スイッチなど

レンズ側面にはカスタマイズに対応したL-FnボタンとAF/MF切替スイッチを搭載。L-Fnボタンは水平よりも少し上側に向いて配置されているので、左手で微妙に押し辛い。個人的には「S」のロゴがある部分に配置して欲しかった。

レンズフード

プラスチック製のシンプルな花形レンズフードが付属している。ロック機構は無いものの、レンズ本体にしっかりと固定でき、誤って脱落する可能性は低い。

フードは逆さ付けに対応しているが、このままではフォーカスリングが隠れてしまうので、そのまま使うのはおススメできない。

装着例

Nikon Z 7と組み合わせてみた。バランスは悪くないが、24-70mm F4 Sに慣れているとレンズが長く感じる。当然ながらカメラバッグへの収納性は悪い。光学手ぶれ補正を搭載していないためか、比較的スリムなレンズだ。大きめの手袋を装着してもグリップとレンズの間には余裕があり、フロントFnボタンは押しやすい。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動で動作する二つのフォーカスユニットを搭載。静粛性と高速性を両立したミラーレスらしいAF性能である。ただし、競合他社のDDSSM駆動やナノUSM駆動と比べると瞬発力で僅かに見劣りする。大部分の被写体で満足のいくフォーカス速度だが、スピードを重視する撮影シーンでは「あと一息」を感じるかもしれない。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ニコンが「フォーカスブリージングを抑えた設計」と主張しているように、ピント移動による画角の変化は目立たない。もちろんゼロではないものの、良く抑えられているように見える。特に接写性能の高い望遠側でフォーカスブリージングがほとんど目立たないのは評価すべきポイント。

精度

Z 7と組み合わせた限りでは特に大きな問題を感じない。低照度やローコントラスト時はAF速度が低下するものの、ピントの精度は良好に見える。

MF

前述した通り、フォーカスリングは回転速度に応じてピント移動距離が変化する。慣れれば素早く高精度な操作が可能だが、最初のうちは「回しすぎ」が多発するかもしれない。フォーカスリングの感度を調節できると良かった。

今回のまとめ

驚くようなビルドクオリティではないものの、安定感のあるS-Lineらしいレンズに仕上がっている。24-70mm F4 Sユーザーであれば違和感なく乗り換えることが可能だと思う。とは言え、レンズサイズには大きな違いがあるので乗り換える前に手に取って比べてみるのがおススメ。サイズがかなり違うので、状況に応じて24-70mm F4と使い分けたくなる(つまり24-70mmを手放しにくい)。

接写性能は24-70mm F4よりも良好で、ズームレンジが広く汎用性が高いのは良いポイント。ただし、競合他社と違って光学手ぶれ補正を搭載していないので、望遠側のスローシャッターで少し見劣りするかもしれない。(この辺りは後日検証予定)
オートフォーカスは必要十分以上に高速で静かだが、他社のリニアモーター駆動などを使ったことがあると、ステッピングモーター駆動に限界を感じる。この辺りは将来的に改善して欲しいところ。

手元にはソニーFE 24-105mm F4 G OSSとキヤノンRF24-105mm F4 L IS USMもあるので、そのうちどのような違いが見られるのか比較検証してみたい。

購入早見表

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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