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NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR 外観・操作性・AFをチェックする

ニコン「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性をチェックし、Z fcやZ 7と組み合わせた際のオートフォーカス、フォーカス特性について評価しています。(更新:AFやフォーカスブリージングの参考動画追加しました。)

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRのレビュー一覧

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRのおさらい

2021年10月13日に正式発表されたニコンDX Zカメラ用高倍率ズーム。DX用としては3本目のZレンズである。もともとDXシステム登場時からレンズロードマップにその存在が確認されていたモデルだが、2021年中頃にようやく開発発表があり、秋に入ってから正式発表・発売に漕ぎ着けた。

概要
レンズの仕様
発売日 2021年11月26日 初値 69,300円
マウント Z 最短撮影距離 0.2-0.4m
フォーマット APS-C 最大撮影倍率 0.33倍
焦点距離 18-140mm フィルター径 62mm
レンズ構成 13群17枚 手ぶれ補正 5.0段
開放絞り F3.5-F6.3 テレコン -
最小絞り F22-F40 コーティング 不明
絞り羽根 7枚(円形絞り)
サイズ・重量など
サイズ φ約73mm×90mm 防塵防滴 配慮
重量 約315g AF STM
その他
付属品
レンズキャップ62mm LC-62B・裏ぶた LF-N1

フルサイズ換算で「27-210mm」の画角に相当し、高倍率としてはスタンダードな焦点距離をカバーしている。他社では「18-135mm」の高倍率ズームが多く、このレンズが比較して望遠側が5mm長い。とは言え、望遠側の5mmで大きな差は発生しないと思われる。
高倍率ズームとしては控えめな光学倍率だが、そのぶんレンズは小さく、軽く、携帯性が良くなっている。競合他社の同クラスと比較すると、ソニー「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」やキヤノン「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」と同程度で、富士フイルム「XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」よりも小さく軽い。DX 16-50mm F3.5-6.3と比べてしまうと大きなレンズだが、Z 50との組み合わせで十分バランスの取れるサイズに抑えられていると思う。

最短撮影距離はズーム全域で0.2-0.4mと短く、最大撮影倍率が0.33倍(フルサイズ換算で0.5倍に近い)と非常に高い。ソニーや富士フイルム、キヤノンの競合レンズと比べて最も寄りやすく、最も大きく写すことが出来る。さらに手ぶれ補正は5段分と効目が高く、防塵防滴に配慮した設計、コントロールリング対応など機能的。

価格のチェック

売り出し価格は7万円前後。さらにDX Zレンズとしては今のところ最も高価であり、カメラと併せて購入すると15万円以上の初期費用が必要となる。カメラのキットレンズとして低価格ソニーよりも少し高価で富士フイルムと比べると遥かに安い。ちなみにレンズフードは付属していないので、必要であれば忘れず購入しておこう。驚くほど高いオプションでは無いので、出来れば付属して欲しかったところ。

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外観・操作性

箱・付属品

NIKKOR Zらしく黒を基調としてブランドカラーの黄色を使ったシンプルなデザイン。レンズ本体は段ボールでしっかりと間仕切りされているが、緩衝材は入っていない。

付属品はキャップと説明書・保証書のみ。レンズフードは同梱していないので、必要な場合は買い足さなければいけない。DX用と言えども安いレンズでは無いので、レンズフードはつけて欲しかった。

外観

NIKKOR Z DXレンズらしく、装飾は必要最低限でシンプルながらエレガントなデザインである。外装はレンズマウントからフィルターソケットまで全てプラスチック製。高級感が有るか無いかで言えば、間違いなく無い。とは言え、堅牢か脆弱かで言えば、堅牢である。剛性が低いと感じることは無く、しっかりとした作りのレンズだと感じる。プラスチックらしい”継ぎ目”を外装に見ることが出来るが、ビルドクオリティに大きな不満はない。
敢えて言えば、長期的な使用でレンズマウントが摩耗するのではないかと言う不安はある。出来れば金属製レンズマウントが良かった。

フォーカスリングはプラスチック製だが、ズームリングはゴム製。さらに2つのリングは表面の加工が異なっているので触感で区別がつきやすい。ファインダーを覗きながらの操作で迷うことは無かった。
外装の表示は「NIKKOR」を除いてすべてプリント。ズームリングには「18/24/35/50/70/100/140」7つの主要な焦点距離を表示している。フォーカスリングは電子制御式のためピント距離表示は無い。ライブビュー上にピント距離を表示する機能も無いので、ゾーンフォーカスは難しい。ちなみに製造国は「Made in THAILAND」となっている。ニコンは工場をタイに集約しているので、これは自然な流れ。

望遠側にズームすることで内筒が伸びる。やはりプラスチック製で、よく見ると継ぎ目が見える。外装と比べると少し安っぽい作りで、触れると僅かにガタツキがある。特に問題は無いと思われるが、このあたりはS-Lineとの差を感じる。

ハンズオン

全長90mm、重量315gのズームレンズ。このクラスとしては平均的なサイズ・重量であり、これらが重要な強みとはならない。縮長だけで言えば「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」と同程度(ただし重量は24-70mm F4のほうが遥かに重い)。とは言え、一眼レフ用「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」と比べると小さく、軽くなっている。ニコン一眼レフユーザーの移行先としてはモッテコイのレンズ。

前玉・後玉

このクラスとしては一般的な62mm径のフィルターに対応している。ただし、一眼レフ用「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」の67mmフィルターと比べると少し小さくなっているので使い回すことが出来ない。乗り換えを検討しているのであれば、フィルターを揃えなおす必要がある。

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前玉にフッ素コーティングが施されている記述は無く、水滴や油汚れに強いモデルではない。そのような汚れが付着するシーンでは予めフロントフィルターを用意しておきたいところ。

NIKKOR Zレンズとしては比較的小さな前玉を採用している。ただし、これはフルサイズに対応する大口径Zマウントだからこそ、マウント部と比較して小さく見える一面もある。
レンズマウントはプラスチック製で4本のビスで固定されている。金属マウントと比べて耐久性がどれほど違うのか、長期的な使用や熱が加わった時のダメージが気になるところ。

レンズを伸ばすと後玉も前方へ移動する。ニコンZマウントは後玉をマウント部に固定しているモデルも多く、このような傾向は珍しい。ただし、レンズ内部はきちんと反射防止処理が施され、不要な光の反射を抑えているように見える。

レンズは「防塵防滴に配慮した構造」だが、レンズマウント付近に耐候性を持たせるシーリングは見当たらない。その代わりに外装の端でマウント部をカバーするような形状となっている。

フォーカスリング

幅8mmのプラスチック製フォーカスリングを搭載。表面はローレット加工が施されており、ファインダーを覗きながらでもリングを見つけやすく、簡単に操作することが出来る。リングは適切なトルクで滑らかに回転する。

ストロークは回転速度に応じて変化。素早く回転した場合は90°未満でピント全域を操作可能。逆にゆっくり回転した場合は180°未満で操作が可能となっている。どちらの場合でも素早く正確にフォーカシングが可能。ただし、これは広角側の場合で、望遠側では全体的にストロークが長くなる。
なお、ボディ側のカスタマイズで「絞り」「露出補正」などを割り当てることが可能だが、無段階のフォーカスリングを使った操作は鳴れないと難しい。

ズームリング

幅45mmのゴム製ズームスリングを搭載。高倍率ズームとしては絶妙なトルクで滑らかに回転することが可能。ある程度なら動画撮影でも快適なズーム操作が出来ると思う。トルクのかかりかたはズーム全域でほぼ一定。リングの操作性はケチのつけようがない。ただし、ズームリングを18mmでロックする機構は搭載して欲しかった。例えば、カメラバッグから取り出す時、何かに引っかかりレンズが伸びてしまう可能性がある。

140mmまでズームするとレンズは5cmほど伸びる。全長は約1.5倍になるが、重心に大きな変化は無く、安定してカメラを保持することが可能。

開放F値

焦点距離ごとの開放F値は以下のように推移する。

  • F3.5:18mm~
  • F3.8:23mm~
  • F4.0:29mm~
  • F4.2:34mm~
  • F4.5:39mm~
  • F4.8:46mm~
  • F5.0:55mm~
  • F5.3:68mm~
  • F5.6:88mm~
  • F6.0:105mm~
  • F6.3:130mm~

急速にF値が大きくなることは無く、140mmに向けて徐々に暗くなる仕様。100mmを超えると開放F値がF5.6を超え、低照度などではオートフォーカスのパフォーマンスが低下する可能性あり(光量の問題で)。また、小刻みにF値が変動するので、うっかり絞りを操作して、広角側で少し絞りを閉じた状態で撮影してしまう場合があるかもしれない。

レンズフード

前述したようにレンズフードは別売り。必要であれば忘れずに購入しておこう。ちなみに私は購入し忘れたので、改めてフードのみ注文した。

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装着例

グリップの無いZ fcには少し大きすぎると感じるが、追加グリップなどを装着することで問題なくカメラを保持することが出来る。より良好なグリップを備えたZ 50のほうが相性が良いと思われる。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動によるオートフォーカスは非常に良好。少なくともZ fcやZ 7(最新ファームウェア)と組み合わせた限りでは広角18mmから望遠140mmまで快適に動作する。特に被写界深度が浅くなる望遠側でもフォーカススピードの顕著な落ち込みは見られない。少なくとも晴天の屋外でフォーカスに問題は感じない。ただし、望遠側は開放F値が「F6.3」と暗いので、低照度や屋内ではフォーカス速度が少し低下する可能性あり。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

広角端から望遠端までフォーカスブリージングを良く抑えている。ニコンが主張している通り、フォーカスブリージングに配慮した設計となっている模様。ちなみにズーム操作によるピント位置の移動も最小限に抑えられている(ズーム操作時にフォーカスユニットが調整している可能性が高い)。これにより、急なズーム操作でも被写体がピンボケすることなく動画撮影を続行できる。

精度

ラボテストで使用している限り特に大きな問題は見られない。

MF

前述した通り、扱いやすいフォーカスリングで、フルマニュアルで使用するのもやぶさかではない。

まとめ

(プラマウントながら)良好なビルドクオリティ、快適なズームリングとフォーカスリング、高速で静かなオートフォーカス、動画撮影で問題の無いフォーカスブリージングに加え、パーフォーカルライクなズーム操作も可能。光学性能のテストはこれからだが、期待させてくれるレンズの作りと感じる。敢えて言えばズームリングのロック構造や同梱のレンズフードを付けて欲しかったところ。

Z 7と組み合わせるのも面白い。素直に「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」と組み合わせるのも一つの手だが、システムサイズが大きくなるので、敢えてDX高倍率を利用するのも一つの手。Z fcと比べるとレンズ装着時のバランスが良く、24-70mm F4と同程度の感覚で扱うことが可能。収納性も良い。

購入早見表

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作例

Flickrにてオリジナルデータを公開中

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