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銘匠光学 TTArtisan AF 32mm f/2.8 Z 徹底レビュー Vol.6 周辺減光・逆光編

銘匠光学「TTArtisan AF 32mm f/2.8 Z」のレビュー第六弾を公開。今回はピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。

このレンズについて

今回は発売前に焦点工房よりお借りしたレンズを使用してテストしています。今回のレビューにあたり、同社から金銭の授受はなく、レビュー内容に関する指示・規制も無し。ちなみに「レビューして欲しい」と言った話もなく、「使ってみる?」のみであることを先に明言しておきます。

TTArtisan AF 32mm f/2.8 Zのレビュー一覧

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

小型軽量な広角レンズだけあって「F2.8」と言えども周辺減光はやや目だつ。ニコン「Z 28mm F2.8」ほど酷くはないものの、状況によっては現像時に手動補正が必要と感じる。絞ると多少の改善は見られるが、完全に解消することは無い。

無限遠

最短撮影距離と比べると強くなるが、極端に光量が低下するわけでは無い。影響する範囲も限定的で、やはりZ 28mm F2.8ほど広範囲で重めの光量落ちは発生しない。全体的に見て予想の範囲内に収まっている。

逆光耐性・光条

中央

このレンズの欠点を指摘するならば、間違いなく逆光耐性である。強い光源をフレームに入れると構図に関係なくフレアやゴーストが発生し、弱い光源でも何故かフレアが発生する不思議なレンズだ。このような描写を個性的と捉えて強みにすることも出来ると思うが、意図しない、制御し辛いフレアやゴーストはやはり欠点と感じる。絞っても改善する傾向は見られないので、フレアを回避するためには構図を大胆に変更するしかない。本体に内蔵しているレンズフードを伸ばしても効果は限定的だ。

光源をフレーム隅に配置すると筋状のフレアが盛大に発生する。影響はフレーム全域に及び、コントラストの低下どころか被写体を認識するのも難しくなる。絞ると改善するかと思いきや、状況がさらに悪化する。ここまでくると逆に清々しいくらいだ。何か活用方法が無いかと考えるのが楽しくなる。もちろん、おススメはできないが…。

光条

TTArtisanとしては珍しい「7枚」の絞り羽根を採用している。絞った際の光条は14本の筋状となる。光条はF8以降で徐々に筋状となり、F11~F167でシャープな描写が得られる。形状は均質で綺麗だが、先細りせずに分散するタイプだ。悪くは無いが、前述した通り逆光耐性が酷く、そもそも論として強い光源をフレームに入れるのは避けたほうが良いだろう。

まとめ

周辺減光は絞り開放で多少の影響は見られるが、過度に目立つ光量落ちでもなく、中央の被写体を引き立たせる特殊効果になる程度に見える。場合によっては手動補正が必要な場合もあるだろうが、個人的には大きな問題と感じない。競合レンズとなる「Z 28mm F2.8」は遥かに厄介な周辺減光に悩まされていた。Z 28mm F2.8の周辺減光を見た後ならば、このレンズの光量落ちなど可愛いものである。

ほんとうに問題と感じるのは逆光耐性だ。以前からTTArtisanの逆光耐性はお世辞にも良いとは言えなかったが、AFレンズとなっても依然として逆光耐性には問題を抱えている。これがコーティングの問題なのか、内部の作りの問題なのか定かでは無いが、意図しないフレアやゴーストが発生しやすいのは間違いない。場合によって写真を印象付けるアクセントとなることもあるだろうが、不確定要素が多く扱い辛いのは否定できない。TTArtisanのみならず、多くの中国レンズメーカーの課題となる部分だ。

購入早見表

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