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銘匠光学 TTArtisan AF 32mm f/2.8 Z 徹底レビュー Vol.1 外観・AF編

銘匠光学「TTArtisan AF 32mm f/2.8 Z」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してオートフォーカスの使いやすさなどを確認しています。

このレンズについて

今回は発売前に焦点工房よりお借りしたレンズを使用してテストしています。今回のレビューにあたり、同社から金銭の授受はなく、レビュー内容に関する指示・規制も無し。ちなみに「レビューして欲しい」と言った話もなく、「使ってみる?」のみであることを先に明言しておきます。

TTArtisan AF 32mm f/2.8 Zのレビュー一覧

まえがき

フルサイズ用単焦点としては珍しい焦点距離「32mm」を採用した開放F値 F2.8の小型軽量なレンズである。そして、銘匠光学 TTArtisanとしては初となるAF対応モデルだ。2022年7月6日現在、日本国内では焦点工房の直販で入手することが可能となっている。

概要
レンズの仕様
マウント Z 最短撮影距離 0.5m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率
焦点距離 32mm フィルター径 27mm
レンズ構成 6群9枚 手ぶれ補正
開放絞り F2.8 テレコン -
最小絞り F16 コーティング -
絞り羽根 7枚
サイズ・重量など
サイズ Φ63mm×50mm 防塵防滴 -
重量 約195g AF STM
その他
付属品

フルサイズ対応の広角レンズとしては小型軽量で扱いやすい。特にZマウントで携帯性の良好なレンズはまだまだ少なく、AF 32mm F2.8 Zは貴重な選択肢となる。似たような焦点距離の「NIKKOR Z 28mm f/2.8」を入手可能だが、28mmで画角が少し広いと感じたら、32mmの本レンズを検討してみても良いだろう。

レンズ構成は6群9枚で、そのうち1枚の低分散レンズと2枚の非球面レンズ、3枚の高屈折率レンズを使用している。フォーカスはインナーフォーカスタイプとなっているのでレンズ全長が変化することはない。フォーカス駆動にはステッピングモーターを採用しており、滑らかで静かなAFを実現。動画撮影でも滑らかなフォーカス移動を期待できる。注意すべき点があるとしたら最短撮影距離だ。広角レンズとしては最短撮影距離が0.5mと長く、当然ながら撮影倍率が低いので小さな被写体をクローズアップすることは出来ない。

価格のチェック

初回ロットは焦点工房の直販店にて24,999円だ。「NIKKOR Z 28mm f/2.8」と比べて、ほとんど価格差が無いので、特にこだわりが無ければニコン純正を選んでおいたほうが無難だと思う。ただし、このレンズにも長所があるので、もしもどちらを買おうか悩んでいるのであれば、このレビューを読み進めて欲しい。

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焦点工房      

外観・操作性

箱・付属品

TTArtisanシリーズらしい黒を基調とした化粧箱にレンズが入っている。日本メーカーと比べるとデザイン重視の箱となっており、価格を考えると良好な質感だ。中には十分な緩衝材も含まれている。

レンズ本体の他に、説明書が付属する。

外観

MFレンズのTTArtisanと同じく、総金属製のしっかりとした作りのレンズだ。ニコン純正の28mm F2.8が全体的にプラスチックパーツを使用していることを考えると立派な質感である。

コントロールはフォーカスリングのみ。AF/MFスイッチやAFLボタンなどは存在しない。外装の表示はすべてプリントで、エッチングは施されていないように見える。この辺の加工はVILTROXのほうが良好である。

前玉・後玉

前玉の周囲は内蔵のドーム型レンズフードに覆われている。このフードを簡単に取り外す方法は見当たらない。円形フィルターに対応しているが、サイズは27mmと非常に小さい。市販の最新フィルターで27mmに対応しているモデルは少ないものの、探せば手ごろな価格で見つけることが可能だ。C-PLフィルターも装着可能だが、ドーム型フードが邪魔をして操作し辛い点には注意が必要である。

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絞り羽根は7枚で、電子制御で動作する。レンズにメカ・電子制御の絞りリングは無く、カメラ側で操作する必要がある。絞りは1/3段刻みで動作するが、どうも小絞りに向かって絞り込みが甘く、設定値に対して露出オーバーとなる傾向が見られる。F5.6まで実絞りなので問題ないが、F8~F16を使う際は注意が必要だ。露出は一定なので、露出補正で対応可能である。

レンズマウントは金属製で、4本のビスで固定されている。防塵防滴用のシールが施されていないので、悪天候での使用は避けたほうが良いだろう。マウントにはファームウェアアップデート用のUSB-Cポートがある。

フォーカスリング

金属製のフォーカスリングは電子制御で動作する。完璧とは言わないが、この価格帯のレンズとしては滑らかで適度なトルク感と言えるだろう。ただし、肝心の精度は若干粗い。絞ってざっくり使う分には問題ないと思うが、拡大して微調整するにはステッピングモーターのステップが細かくなく、MF操作でピント位置がジャンプしているように見える。

レンズフード

前述したように、ドーム型のレンズフードは本体と一体型になっているので取り外すことは出来ない。フード使用時は前方に少しスライドして使うことになる。このレンズは状況によって内部反射が多くなるため、少しフレアっぽいと感じたらフードを伸ばすことで改善する可能性がある。

装着例

フルサイズのZ 7に装着した。28mm F2.8に負けず劣らず小型軽量で携帯性の良いレンズだ。片手で扱うのも簡単で、APS-Cミラーレスと組み合わせてもバランスは良いはずだ。大口径なレンズではないが、抜群の携帯性は日常的にカメラを使用したい場合に強みとなる。

AF・MF

フォーカススピード

電光石火のAF速度ではないが、素早く動く被写体を至近距離で追いかけなければ十分なフォーカス速度だ。中央でも隅でも、安定感のある合焦速度で動作する。

参考動画について

動画も用意しようとしていたのだが、Z 7のHDMI出力がC端子であることをすっかり忘れていた。対応するケーブルを忘れてしまったので、後日あらためて撮影予定である。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

フォーカスブリージングはゼロと言えず、近距離で画角が少し広くなり、無限遠で狭くなる。0.5mの比較的長い最短撮影距離を考えると、状況によっては少し目立ちやすい。

精度

Z 7との組み合わせで良好な精度で動作する。

MF

前述したとおり、操作性は良好だが微調整には適していない。使うとしたら、絞ってパンフォーカスがおすすめだ。と言ってもAFが普通に使えるので、あえてMFにこだわるシーンは少ない。

まとめ

TTArtisan初のAFレンズとしては全体的にしっかりとした作りのレンズだ。全体的に金属パーツを使用した頑丈な鏡筒に加え、USBポートによるファームウェアアップデートに対応し、内蔵レンズフードは静穏性に優れたフォーカス駆動を備えている。これと言った初期不良もなく、リバースエンジニアリングながらZ 7との組み合わせで普通に動作する。最短撮影距離が長い、防塵防滴に非対応、小絞りで露出が乱れるなど完璧とは程遠いが、欠点を楽しめるのであれば、致命的な問題は今のところ遭遇していない。

面白いレンズが登場したと思うが、多くの人は同じ価格帯、同じサイズ、似たような焦点距離の「NIKKOR Z 28mm f/2.8」を選ぶだろう。全体的にプラスチッキーなレンズであることは否めないが、より良好なAF性能、最短撮影距離、MF操作、防塵防滴に配慮した設計となっている。少し高価だが、それだけの価値はあるだろう。ニコン純正品としての完全な互換性も無視できない。

レンズの欠点、ライバルの存在などを考慮してもTTArtisan AF 32mm f/2.8 Zは純正28mm F2.8・40mm F2の間を埋める面白い選択肢だ。NIKKOR Zレンズほど良好なパフォーマンスではないが、それでも日常的な撮影に不自由のないレンズに仕上がっている。純正品とは一味違うレンズを試してみたいのであれば手に入れてみても良いと思う。

購入早見表

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作例

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