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銘匠光学「TTArtisan 35mm F1.4 C」レンズレビュー 解像力チャート編

銘匠光学「TTArtisan 35mm F1.4 C」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、富士フイルムX-S10と組み合わせた際の近距離解像性能をチェック。

TTArtisan 35mm F1.4 C レビュー 一覧

まえがき

2020年に登場した銘匠光学では初となるAPS-Cミラーレス用レンズ。開放F値「F1.4」と明るいコンパクトな単焦点レンズながら、1万円を切る価格設定で気軽に購入することが出来るのが魅力的。低価格ながら、しっかりとした金属外装にクリック付きの絞りリングを搭載。
レンズマウントは富士フイルムX・ソニーE・キヤノンEF-M・ライカL・ニコンZ・マイクロフォーサーズと幅広く対応。電子接点が無いので操作はフルマニュアルとなるものの、扱いやすいレンズに仕上がっています。

概要
レンズの仕様
マウント EFM/E/X/Z/MFT 最短撮影距離 0.28m
フォーマット APS-C 最大撮影倍率 不明
焦点距離 35mm フィルター径 39mm
レンズ構成 6群7枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.4 テレコン -
最小絞り F16 コーティング 不明
絞り羽根 10枚
サイズ・重量など
サイズ φ44.0mmx42mm 防塵防滴 -
重量 180g AF -
その他 電子接点無し・絞りリング
付属品
レンズキャップ・説明書

レンズ構成はダブルガウスタイプの6群7枚で、特殊レンズは未使用。フルマニュアルのAPS-C用標準大口径レンズでシンプルなダブルガウスタイプを採用しているのは珍しい。定番のレンズ構成であり、悪くない光学性能が期待できそうですね。

価格のチェック

前述したように価格は1万円を下回るてごろな値付け。オークションやフリマのフィルム用オールドレンズを買うくらいであれば、APS-C専用設計でコンパクトかつ新品のレンズを購入するのもアリだと思うのです。

シルバー

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TTArtisan 35mm F1.4 MFT
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ブラック

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解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:FUJIFILM X-S10
  • 交換レンズ:TTArtisan 35mm F1.4 C
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 160 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

中央

絞り開放付近はやや甘いもののピントの芯は確認可能。そして1?2段絞ると急速に改善する。軸上色収差などの影響も見られるが、F5.6前後で概ねピークのパフォーマンスを発揮する。性能はF11くらいまで維持し、F16で回折の影響が強くなる。
2600万画素のX-S10を使ったテスト結果としては十分良好な性能。

周辺

絞り開放付近は中央よりも甘く、ピントの芯は確認し辛い。1段絞っても許容範囲とは言えず、さらにもう1段絞りたいところ。F2.8まで絞ると画質がワンランク向上し、その後はF5.6?F8のピークに向かって徐々に画質が改善する。最低限のシャープネスが必要であればF2?F2,8の絞り値を使い、シャープな結果を得たければF5.6?F8までしっかりと絞りたい。

四隅

絞り開放の甘さは周辺と同程度。つまりフレーム隅でも急激な画質低下は見られない。解像性能に拘らなければ絞り開放から許容できるパフォーマンス。周辺と同じく、F2.8まで絞ると解像性能が安定し、F5.6?F11で画質のピークを迎える。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F1.4 2223 1755 1765
F2.0 2530 1682 1656
F2.8 3138 2438 2213
F4.0 3373 2974 2820
F5.6 3457 3315 3251
F8.0 3338 3451 3149
F11 3208 3266 3175
F16 2408 2268 2289

実写確認

絞り開放付近のシャープネスは期待できないものの、F2.8以降の絞り値であればリーズナブルな価格設定と感じない良好な解像性能を発揮。開けてふんわり、絞ってシャープな分かりやすく、遊びやすいレンズに仕上がっている。

今回のおさらい

ガウスタイプらしい傾向を見せるレンズ。絞りにより描写が素直に変化し、非常に扱いやすい。絞り開放は少し甘めのソフトな描写で、2段絞ればフレーム全体で甘さが消え、シャープな描写となる。絞り開放付近のシャープネスを重視する場合には選択肢とならないものの、1万円以下のMFレンズにそれを求めるのは酷。

F2.8まで絞ればまずまずシャープな結果を得ることができる点で優秀。
ただしF8以降の小絞りを使う場合、カメラのAWBが少しマゼンダ寄りとなるので注意が必要。これはプリセットWBや任意にWBを設定すると回避できる。

購入早見表

シルバー

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作例

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