富士フイルム「XF33mm F1.4 R LM WR」のレビュー第五回 ボケ編を公開。
簡易的なまとめ
色収差や口径食の少ない綺麗なボケですが、質感のバランスはやや前ボケ寄り。特に撮影距離が長い場合の後ボケは輪郭が強い。極端ではないものの、10万円近い標準単焦点に期待する描写ではなかったかなと。個人的にはきちんとニュートラルにしているか、後ボケ重視の滑らかなボケが見たかったところ。
小さな被写体であればボケが大きく問題ないものの、人物や大型動物のように引いて撮影する場合は注意が必要です。後ボケが少し気になる場合は少し絞って撮影すると改善する可能性あり。
The bokeh is clean with minimal chromatic aberration and vignetting, but the balance of texture leans slightly toward the foreground bokeh. In particular, the background bokeh has strong outlines when shooting from a long distance. While it’s not extreme, it wasn’t quite the rendering I’d expect from a standard prime lens costing nearly 100,000 yen. Personally, I would have preferred either a properly neutral look or smooth bokeh that prioritizes the background.
While this isn’t a major issue with small subjects, caution is needed when shooting from a distance, such as with people or large animals. If the background blur is a bit of a concern, stopping down the aperture slightly may help improve it.
*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。
XF33mm F1.4 R LM WRのレビュー一覧
- XF33mmF1.4 R LM WR レンズレビューVol.5 ボケ編
- XF33mmF1.4 R LM WR レンズレビューVol.4 諸収差編
- XF33mmF1.4 R LM WR レンズレビューVol.3 遠景解像編
- XF33mmF1.4 R LM WR レンズレビューVol.2 解像チャート編
- XF33mmF1.4 R LM WR レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。
描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
基本的にはニュートラル寄りの描写ですが、縁どりがやや強め。複雑な背景では2線ボケの傾向がありそうです。
前ボケ
後ボケと比べると、滑らかで悪目立ちしにくい描写。後ボケにこの滑らかさが欲しかったところ。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認

非球面レンズの研磨ムラは目立たず、滑らかで綺麗な描写。色収差も良く抑えられています。口径食の影響が見られるものの、極端な変形ではありません。F2.0-2.8まで絞ると口径食はほぼ解消します。
ボケ実写
至近距離

ボケ質を議論するほど描写の細かい部分は目立ちません。接写ではボケが大きく、口径食も目立ちません。
近距離

撮影距離が少し伸びても問題無し。
ボケの縁取りが少し強めですが、近距離であれば問題ないように見えます。
中距離

撮影距離がさらに伸び、ボケが小さくなると縁取りが目立つようになります。問題ない場合も多いと思いますが、APS-C用の高級単焦点として背景の輪郭が残りやすいのはマイナスポイント。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
全身をフレームに入れるような撮影距離の場合、ボケの縁取りが硬く、背景の輪郭をぼかしきれません。この結果、被写体が背景から分離していないように見え「立体感が弱い」と感じる可能性あり。
上半身やバストアップ程度のまで被写体に近寄ると、背景を滑らかにぼかすことができるようです。
まとめ

色収差や口径食の少ない綺麗なボケですが、質感のバランスはやや前ボケ寄り。特に撮影距離が長い場合の後ボケは輪郭が強い。極端ではないものの、10万円近い標準単焦点に期待する描写ではなかったかなと。個人的にはきちんとニュートラルにしているか、後ボケ重視の滑らかなボケが見たかったところ。
小さな被写体であればボケが大きく問題ないものの、人物や大型動物のように引いて撮影する場合は注意が必要です。後ボケが少し気になる場合は少し絞って撮影すると改善する可能性あり。
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