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コシナ NOKTON 60mm F0.95 交換レンズレビュー

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このページではコシナのマイクロフォーサーズ用交換レンズ「Voigtländer NOKTON 60mm F0.95」のレビューを掲載しています。

更新履歴

  • 2020-05-13:総評を追加しました。一応これでレビューは完成です。パンデミックの影響で閉鎖しているイルミネーションが再開したら、コマ収差のテストを実施するかもしれません。
  • 2020-05-08:周辺減光・歪曲・軸上色収差の作例を追加しました。
  • 2020-05-04:遠景解像・マクロ解像を追加掲載しました。
  • 2020-05-03:ボケの項目を追加掲載しました。
  • 2020-04-29:逆光耐性の項目を追加掲載しました。
  • 2020-04-28:別記事にて絞り開放付近の光量低下についてレビューしています。
  • 2020-04-27:わずかにフォーカスシフトの影響があり、これがテスト結果に影響を与えていると思われます。現在、解像力チャートの再テスト中です。(通常撮影のみ再テスト結果を追記しました。)
  • 2020-04-27:レビューページを作成しました。ひとまず外観・操作性・解像力チャートのテスト結果を掲載しています。

徹底レビュー

ポイント

Good Bad
F0.95
頑丈な総金属製外装
使いやすいMFリング
MFTレンズとしては巨大なフィルター径
開放から良好な中央解像
F2.8から全体的に優れた解像性能
最大撮影倍率・最短撮影距離
まずまず良好な球面収差補正
F0.95としては口径食が小さい
F0.95としては周辺減光が小さい
良好な逆光耐性
綺麗な光条
電子接点なし
大きい・重い
干渉しやすいレンズ直径
最小限の付属品
防塵防滴非対応
円形絞りではない
ねじ込み式レンズフード
コマ収差補正
F0.95に期待する光量ではない
満足度
85%
管理人
マイクロフォーサーズとは思えないボケ量を得ることが出来る望遠単焦点レンズ。電子接点の無いフルマニュアルレンズなので万人におススメ出来るレンズではありませんが、予算に余裕がれば一度は使ってみたいロマン砲。

レンズのおさらい

特徴

  • コシナ公式商品ページ
  • 2020年4月24日 発売
  • 焦点距離:60mm
  • 口径比:1 : 0.95
  • 最小絞り:F16
  • レンズ構成:8群11枚
  • 画角:21.5°
  • 絞り羽根枚数:10 枚
  • 最短撮影距離:0.34m
  • 最大撮影倍率:1:4(35mm版換算1:2)
  • 最大径×全長:φ82.5×87.7mm
  • フィルターサイズ:77mm
  • 重量:860g
  • レンズフード 付属(ねじ込み式)
  • その他:絞り切り替え機構付

6つ目となるコシナ製マイクロフォーサーズ用交換レンズ。これまでで最も長焦点である60mm(35mm判換算で120mm)をF0.95の明るさでカバーするレンズです。

開放F値が「F0.95」と異常に小さく、マイクロフォーサーズらしからぬ大きなボケを期待できます。また、F0.95の明るさを活かした低照度における撮影も魅力の一つ。その一方、電子接点を持たないフルマニュアルレンズのため、ピント合わせや絞り操作を手動で実施する必要があります。浅い被写界深度を正確に操作する技術が必要となる玄人向けのレンズなので、購入前によく考えるべき。

価格は10万円超と安いレンズでは無く、個人的には手ごろな価格で高画質な「56mm F1.4 DC DN」のほうが扱いやすく、万人におススメしやすいレンズだと思います。

レンズ構成は8群11枚。NOKTON F0.95シリーズとしては珍しく異常部分分散ガラスを2枚組み込んでいます。色収差補正に効果的な特殊レンズなので、従来よりも色収差を抑えた描写が期待できそうですね。

価格は新品で13万円前後と非常に高価。フルサイズ用の135mm F1.8などが買えてしまう価格帯なので悩ましいところ。このレンズの購入を検討するのであれば、併せて「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.」なども考えてみるのがおススメです。

Voigtländer NOKTON 60mm F0.95
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外観・操作性

箱・付属品

シンプルなデザインながら、とても分かりやすくスタイリッシュ。
大きく表示された「F0.95」がこのレンズでの撮影体験を期待させてくれます。

箱の差し込み部分には「...weil das objektive so gut ist(なぜならレンズがとてもいいから)」と記されています。

オーストリアのウィーンで創業した最古の光学メーカーであるフォクトレンダー社のキャッチフレーズとのこと。

コシナも同じキャッチフレーズを用いてフォクトレンダーブランドを継承しているみたいですね。コシナのレンズは定評のあるモデルが多いのでこのレンズにも期待したいところ。

レンズはイマドキ珍しい発泡スチロールの緩衝材に包まれています。イケメンな外箱と比べると質素で飾り気は全くなし。

同梱品

  • 金属製レンズフード
  • 77mmレンズキャップ
  • マウントキャップ
  • 説明書(と言うよりは資料)
  • 保証書

付属品は最小限。このあたりは中国や韓国のMFレンズメーカーのほうが見せ方が上手い。10万円以上のレンズなのだから、せめてレンズケースくらいは付属して欲しかったなと。

また、説明書の情報量が不足しています。デクリック機構に対応しているはずですが、説明書にはなんの記載もありません。せめて何か書いておいて欲しかったところ。

外観

もちろん日本製。

フォクトレンダーらしく、レンズマウントからフィルターソケットまで総金属製の鏡筒。「金属とガラスの塊」と呼ぶのに相応しい質感です。

ピント距離や被写界深度指標など、全て刻印されたうえで色付けしているようです。唯一プリントとなっているのはマイクロフォーサーズシステムのロゴのみ。

ここ最近は中国メーカーも総金属製のレンズを数多く投入していますが、全体的なビルドクオリティはコシナが優れているように感じます。

ハンズオン

サイズは「82.5×87.7mm」とマイクロフォーサーズ用の単焦点レンズとしては非常に大きい。

サイズに比例するように、フィルター径は「77mm」と巨大。77mmフィルター径を採用するレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」「LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8/POWER O.I.S.」「LEICA DG Vario-Summilux 10-25mm F1.7 ASPH」など化け物レンズばかり。60mm F0.95はマイクロフォーサーズで77mmフィルターを採用する4本目のレンズです。

つまり他のレンズとフィルターの互換性が非常に悪いことを意味します。フルサイズでは一般的なフィルター径ですが、マイクロフォーサーズメインのユーザーであれば追加投資が必要かもしれないと覚えておきましょう。

重量は「860g」とこれまたマイクロフォーサーズ用単焦点としては異常な重さ。OM-D E-M1 Mark IIIと組み合わせることで「1,364g」となるので長時間の手持ち撮影は辛いと思われます。頑丈なショルダーストラップなどを用意するのがおススメ。

前玉・後玉・レンズマウント

前述したようにフィルター径は77mm。F0.95と明るいレンズを有効に活用するためにはND・可変NDフィルターを用意しておくのがおススメ。大きなフィルターが必要となるのでそれなりの出費は覚悟しておきましょう。

前玉にフッ素コーティングが施されている記述はありません。メンテナンス性を考慮するとプロテクトフィルターを装着しておきたいところ。

巨大な前玉と比べると、後玉ははるかに小さく設計されている模様。フォーカシングが全群繰り出し式なのか、マクロ側へピントを移動すると後玉が前方へシフトします。

周囲は反射防止のためマットブラックの塗装が施されています。

他のNOKTON F0.95シリーズと同じく電子接点には非対応。フルマニュアルレンズなので万人におススメできるレンズではありません。手ぶれ補正の焦点距離を微調整したり、レンズ名を手動入力できるカメラと組み合わせるのがおススメです。

フォーカスリング

幅35mmの金属製フォーカスリングはミラーレスで主流の電子制御では無く、物理的に動作するフォーカスリングです。

電子制御のフォーカスリングと比べると少し重めですが、滑らかに動作します。

最短撮影距離「0.34m」から「無限遠」までの回転角は270度以上と非常に大きいです。「無限遠~1m」が約90度、「1m~0.34m」が180度以上と使いやすいバランス。どちらのピント距離でも高精度な撮影が可能。

インナーフォーカス式ではなく、レンズ繰り出し式フォーカスを採用しています。「無限遠」時にレンズは最も短くなり、「0.34m」で最も長くなります。

絞りリング

約10mmほどと狭い幅の絞りリングはフォーカスリングと同じく金属製でしっかりとした質感です。

絞り値は「F0.95~F16」で設定可能。1/2段ごとにノッチが動作する仕組み。絞り値はEXIF情報に記録されないので注意が必要。

動画に最適な無段階絞り操作に対応しており、レンズ先端の細いリングを手前にスライドしながら回転させることで切替が可能です。

絞り羽根は10枚で円形絞りではありません(NOKTONらしい絞り羽根です)。絞るとあっと言う間に羽根の形状が見えてしまうので玉ボケには注意したいところ。その代わり、F1.4から綺麗な光条を得ることが出来ます。

レンズフード

77mmフィルターソケットへねじ込み式の金属製レンズフードが付属しています。ネジの切り込み精度はとても良好で滑らかに組み合わせることが可能。レンズとフードの間に円形フィルターを装着することも出来ます。

フード先端も77mmフィルターソケットとなっているのでレンズキャップをそのまま装着可能。

装着例

マイクロフォーサーズのカメラボディとしては比較的大きなOM-D E-M1 Mark IIIと組み合わせてもご覧の通り。かなり大きなレンズであることが分かります。

レンズ直径が太いので、カメラ底部より突き出てしまいます。三脚・雲台への搭載時に干渉しないよう注意したい。

レンズ直径が太く、グリップ-マウント間のクリアランスが不十分。このため、カメラ前面にFnボタンがあるE-M1 Mark IIIやLUMIX G9などの操作と干渉しやすいのがマイナスポイント。押せないことは無いけど、かなり邪魔くさい。

マイクロフォーサーズボディとしては最もコンパクトなGM1Sに装着するとご覧の通り。

解像力チャート

*フォーカスシフトの影響が見られたので再テスト中です

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:OM-D E-M1 Mark III
  • 交換レンズ:Voigtländer NOKTON 60mm F0.95
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:Leofoto G4 ギア雲台
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • OM-D E-M1 Mark IIIのRAWファイルを使用
  • ISO 200 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

通常撮影

中央領域は絞り開放からまずまず良好な解像性能を発揮。色収差や球面収差の影響でコントラストが完璧とは言えないものの、「F0.95」と考えると健闘している画質だと思います。絞ると徐々にコントラストが改善し、F2まで絞るとワンランク上のシャープな描写となり、F4~F5.6でピークを迎えます。2000万画素センサーの解像限界に近いので、これ以上の解像性能を引き出すためにはハイレゾショットが必要。

周辺領域は中央と比べて絞り開放付近が甘いものの、F2.0~F2.8に絞る過程で急速に改善します。F2.8でセンサーの解像性能が限界に達するので、それ以上はハイレゾショットの必要があります。ただし、残存色収差があるので、ベストを尽くすのであればF4~F5.6がおススメ。

四隅領域の絞り開放は周辺領域と同程度の甘さ。「F0.95」と考えると思いのほか良好で画質的に破綻していないのは凄い。やはり周辺と同じくF2.8で画質が急速に改善し、中央と同程度のパフォーマンスとなります。

同じ60mmの「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と比べて解像のピークは同程度。ただし、「LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.」のF1.7における中央解像より、本レンズの「F0.95」の中央解像のほうが優れているのは凄いと言えるでしょう。

中央 周辺部 四隅
F0.95 2710 1784 1921
F1.4 2769 1975 1948
F2.0 3152 2659 2440
F2.8 2796 3023 2968
F4 3124 2737 2906
F5.6 3079 3115 3042
F8 2687 2988 2996
F11 2687 2659 2607
F16 2197 2224 2304
フォーカスシフトを考慮した通常撮影

軸上色収差のテスト中にフォーカスシフトでピントが遠方へ移動していることが判明。そこで絞り値ごとにピントを合わせなおしてテストした結果がコチラ。絞ってからピント合わせをすればフォーカスシフトの影響は無視できるので、実写で特に心配することは無いでしょう。

周辺や四隅は大きな変化が無いものの、中央は「3500」に近い非常に高解像な結果となりました。まさかE-M1 Mark IIIの通常撮影でこのような結果が出てくるとは驚き。

中央 周辺部 四隅
F0.95 2548 1981 1738
F1.4 2602 2602 1738
F2.0 3061 2412 2278
F2.8 3088 3007 2737
F4 3480 3061 2796
F5.6 3438 2906 2899
F8 3141 2960 2851
F11 2845 2359 2714
F16 2170 2305 2143
ハイレゾショット

F0.95~F1.4の間はハイレゾショットの恩恵を受けにくいものの、F2.0~F2.8以降で中央領域が、F4以降はフレーム全域で「3500~4500」の良好な解像性能を発揮します。F4だと残存収差が少し目に付くので、ベストを尽くすのであればF5.6~F8がおススメ。

通常撮影時と同じくF2.8でパフォーマンスがグッと落ち込んでいます。前述したように、おそらくこれはフォーカスシフトの影響があると思われ、特に被写界深度とピントの山がシビアなF2.8前後で大きな影響を受けている模様。

中央 周辺部 四隅
F0.95 3290 測定不能 測定不能
F1.4 3562 測定不能 測定不能
F2.0 3880 3124 2954
F2.8 3480 3935 3411
F4 3887 4068 3754
F5.6 4356 4109 3699
F8 3904 3749 3523

遠景解像力

撮影環境

撮影環境

  • OM-D E-M1 Mark III
  • Leofoto MT-03
  • Leofoto MBC-20
  • 絞り優先モードで撮影
  • RAW出力
  • Adobe Lightroom Classic CC
  • シャープネス 0設定

テスト結果

中央領域は軸上色収差の影響があるものの、絞り開放からシャープな描写でピントの芯をしっかりと確認できます。NOKTONとしては球面収差が抑えられている印象。F1.4まで絞ると少しシャープとなりますが、軸上色収差の影響がまだ目立ちます。F2~F2.8にかけて色収差とシャープネスが徐々に改善し、F4付近でピークの性能に達します。パフォーマンスはF8まで続き、F11~F16と回折の影響がソフトな描写へ。

像高5割の周辺領域も中央と同じ傾向。F0.95からF2.8まで徐々にシャープネスと色収差が改善します。ピークの性能はF4~F8にかけて。F11~F16と回折の影響がソフトな描写へ変化します。

四隅領域は中央~周辺と比べて甘く、コマ収差や非点収差の影響が強いように見えます。ただし、F4まで絞ると描写が安定する傾向は同じ。倍率色収差は目に付きますが、F5.6~F8で中央に近いパフォーマンスを発揮しているように見えます。

ハイレゾショット

中央~周辺領域はF2~F2.8でハイレゾショットの恩恵があるように見えますが、最大限活用するつもりならF4~F8を使うのがおススメ。どちらにせよピント面の山を掴む必要があるのでシビアなピント操作が要求されます。

マクロ解像

撮影倍率

撮影倍率は0.25倍。フルサイズ換算で0.5倍とハーフマクロと呼べる撮影倍率を備えています。F0.95の明るいレンズながら凄まじい接写性能と言えるでしょう。

60mm F0.95 0.25倍を使った撮影ではピント面が非常に浅いのでシビアなフォーカス操作とカメラブレ・手ぶれを抑える必要があります。もちろん僅かな被写体ブレでもピント位置が大きく変化します。

手持ち撮影の場合、いっそのことピントを固定してカメラを前後させたほうがピントを合わせやすいです。

多くのマクロレンズと同じく、マクロ撮影時は実効F値が大きくなります。体感では無限遠と比べて2/3段ほど暗くなります。実絞り測光となるので特に問題視する必要はないはず。

撮影環境

撮影環境

  • OM-D E-M1 Mark III
  • Leofoto LS-365C
  • Leofoto G4
  • 絞り優先モードで撮影
  • RAW出力
  • Adobe Lightroom Classic CC
  • シャープネス 0設定

テスト結果

絞り開放付近は全体的にソフトな描写。球面収差や軸上色収差の影響で少しハロっぽいピント面ですが、柔らかい描写と相性の良い被写体であれば好ましく感じるかもしれません。シャープな描写が必要であれば少なくとも2段は絞るべき。

中央領域はF2まで絞ることで劇的に改善します。それ以降シャープネスに大きな変化はありませんが、パフォーマンスはF8までとても良好。

周辺領域もF2で大きく改善しますが、少し絞る程度では中央ほどシャープにはなりません。F5.6~F8で中央に匹敵するシャープネスとなるものの、倍率色収差の影響がやや目に付きます。必要であれば後処理をしたいところ。

四隅領域は中央~周辺と比べて描写が甘く、絞っても大きく改善しません。F5.6で像の流れは抑えることが出来るものの、倍率色収差の影響が強いので補正は必須と言えるでしょう。ただし、大きく拡大しなければF8前後で良像と言える描写性能だと思います。

ボケ

ボケ量はF0.95が大きいですが、正直なところF1.4とそう大きな違いはありません。状況によって収差が目立つのであれば、絞り開放より少し絞ったほうが良い感じ。今回の状況ではF0.95でパープルフリンジの発生量が多いため、1~2段絞ったほうが使いやすい。曇天で低コントラストならF0.95~F1.4、晴天で高コントラストならF2~F2.8が使いやすいと感じるはず。

どちらかと言えば後ボケ重視のバランスですが、一般的な撮影距離で前後ボケ質の違いは目立たないように見えます。球面収差はまずまず良好に補正されているようです。

NOKTONシリーズとしては珍しく、EDレンズを2枚使用して色収差を効果的に補正しています。決して完璧とは言えませんが、超大口径レンズとしては健闘しているように見えます。ボケへの色付きは高コントラストな領域でF2.0まで目に付き、F2.8でほぼ解消します。

撮影距離が離れると、F0.95とF1.4のボケ量の差が分かりにくくなります。1~2m以上離れるのであれば、F1.4まで絞って使うと良さそう。ただしパープルフリンジが目立つので、やはり高コントラストな環境ではさらに1~2段絞りたいところ。

玉ボケ

*分かりやすくするため、絞り値ごとに同じ玉ボケサイズになるように調整しています。

作例を確認すると分かるように、円形を保っているのは絞り開放のみ。しかもF0.95の超大口径レンズ故か妙な色被りが発生しています。実写でもこの色被りが発生する場合があるので、目立つ場合は少し絞るのがおススメ。F1.4でも僅かに色被りが発生し、F2.0で解消します。この特性を考慮すると、玉ボケを含みやすいイルミネーションや夜景での撮影は注意が必要。

口径食(四隅に向かってボケが変形する現象)は「F0.95」と考えると影響は中程度。F2.0まで絞ると口径食はほぼ解消します。

非球面レンズは未使用のため玉ボケの内側は滑らかで綺麗な描写です。絞っても特に違和感はありません。

軸上色収差

完璧とは言えないものの、F0.95の大口径レンズと考えると良好な補正状態。とは言え3段絞ったF2.8でも収差が残存しているのは残念。完璧に補正するためには最低でもF4まで絞る必要があります。特に厳しいコントラスト状況では「パープルフリンジ」が強めに発生するため注意が必要。

歪曲収差・周辺減光

F0.95で僅かに影響があるものの、F1.4でほぼ解消します。ぱっと見は影響が少ないように見えますが、F0.95~F1.4付近は全体的に光量が低下しているのでマニュアル露出だと想定以上にアンダーとなるので注意が必要。

歪曲収差は知覚できないほど良好に補正しています。周辺減光の影響も考慮すると、イメージサークルが広くフォーサーズセンサーの領域では問題が無いと予想。

逆光耐性

光源周辺のマゼンダ系フレアが気になるものの、それ以外はとても良好なパフォーマンスだと思います。ゴースト・フレアどちらも目立たず、絞っても僅かなゴーストしか発生しません。

マゼンダのフレアはF2.8付近まで絞ると目立たなくなり、F4で解消します。

絞り羽根は非円形絞りの偶数10枚羽根。NOKTONらしい非常に綺麗な光条が発生します。面白いことにF1.4から綺麗な光条が発生するので、夜景で光量を確保しつつ光条を発生させることが可能。F5.6付近からさらにシャープな光条となり、F8~F11付近で最大化します。F16まで絞ると回折の影響か絞り羽根の形状が原因となるのか、光が分散するので注意が必要。

総評

満足度:85点

マイクロフォーサーズ専用設計で50mmを超える大口径レンズは非常に少なく、NOKTON 60mm F0.95は個性的で面白い貴重な選択肢と言えるでしょう。

ではおススメのレンズか?と問われたらまずおススメしません
高い・重い・難しいの三重苦。
苦労を乗り越えて得られる結果もありますが、個人的には「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」「56mm F1.4 DC DN」と言ったAFレンズをおススメするでしょう。

電子接点の無いフルマニュアルレンズ、そして60mm F0.95の性質上とてもシビアなピント操作が要求されます。そのうえ、実売13万円と非常に高価。

悪いことは言わないので1/3の費用で買えてしまう「56mm F1.4 DC DN」にしておきなさい。

それでもこのレンズをおススメするとしたら…
ーマイクロフォーサーズ用としては類を見ない60mm F0.95
ー大口径ながら0.25倍と高い撮影倍率
ー絞った時に抜群の解像性能
と言ったところ。
ピント操作は難しいと思いますが、マクロ撮影で面白いレンズと感じました。もちろんポートレートのような距離感でも個性的な使い勝手になると思いますが、残存する軸上色収差や球面収差と付き合う必要があります。あとは様々な作例を確認して、レンズの描写に惚れ込んだら買うしかないでしょう。

人を選ぶロマン砲。
さっきも言いましたが、おススメしません。

コシナ Voigtländer NOKTON 60mm F0.95 交換レンズデータベース

Voigtländer NOKTON 60mm F0.95
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
e-BEST ヤマダ ノジマ PayPay

参考:マイクロフォーサーズ用望遠単焦点レンズ

*★はAPS-C用レンズのMFTマウント版です

作例

オリジナルデータはFlickrにあります。

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