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シグマは望遠マクロレンズ「150mm F2.8 DG DN Macro」を検討していた?

2021年9月24日付けでシグマの気になる特許出願が公開。「150mm F2.8 DG DN」となりそうな実施例を含む、フローティングフォーカス構造の望遠マクロレンズに関する特許のようですね。

概要

  • 【公開番号】特開2021-144142(P2021-144142A)
  • 【公開日】2021年9月24日
  • 【発明の名称】結像光学系
  • 【出願日】2020年3月12日
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】無限遠から撮影倍率−0.5倍を超える近接領域まで広い範囲で高い光学性能を有し、重量の小さいフォーカスレンズ群を有する結像光学系を提供する。
  • 【0005】
    また、近年では、デジタルスチルカメラを用いた動画撮影が一般的になっている。動画撮影においては、合焦状態を維持するために、フォーカスレンズ群を常に光軸方向に微小振動(ウォブリング)させ続け、コントラストの変化を常時確認する方法が採用されることが多い。
  • 【0006】
    フォーカスレンズ群の重量が大きい場合には、高速で高精度なウォブリング駆動が困難になる。アクチュエータを大型化することでウォブリング駆動できる可能性があるが、その場合撮影レンズの小型化、軽量化が困難になる。そのため、フォーカスレンズ群の軽量化が求められている。2つのフォーカスレンズ群を有するフローティングタイプの結像光学系においては、片方のフォーカスレンズ群のみをウォブリングに使用することが可能であるため、少なくとも片方のフォーカスレンズ群が軽量であることが要求されている。

フローティング構造のフォーカシングを採用した望遠マクロレンズを目的とした特許のようですね。ここ最近登場した「105mm F2.8 DG DN MACRO」は大きなフォーカスレンズ群をHSM(超音波モーター)で力強く動作させる手法を採用しており、根本的に設計思想が異なっているように見えます。実際に実施例をチェックしてみましょう。

実施例1

  • INF -0.5倍 -1.0倍
  • 焦点距離 102.50 74.66 54.39
  • Fナンバー 2.91 4.37 5.82
  • 全画角2ω 23.58 15.56 9.55
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 157.48 157.48 157.48

100mmの中望遠マクロレンズとなりそうな実施例です。この特許における大部分の実施例は同程度の焦点距離を採用しています。等倍マクロに対応し、等倍時は実効F値がF5.6付近まで大きくなる模様。インナーフォーカスであり、レンズ全長に変化はありません。
フローティング構造の採用でオートフォーカスは速そうですが、「105mm F2.8 DG DN MACRO」が登場している現在、この設計のレンズが実用化されるとは思えません。

実施例3

  • 焦点距離 146.25 83.49 55.51
  • Fナンバー 2.91 4.37 5.82
  • 全画角2ω 16.67 11.36 6.91
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 171.21 171.21 171.21

個人的に気になっているのがコチラ。焦点距離150mmをカバーした望遠マクロレンズとなりそうな実施例。今のところミラーレスシステムで150mmマクロレンズは存在せず、ブルーオーシャンと言っても過言ではないはず(ニッチな市場だとは思いますが)。このような需要は一定数が市場に残っているかもしれませんね。

シグマは過去に「APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM」を市場に投入しており、似たようなマクロレンズを投入する可能性は無くは無いのかなと。他の実施例と同じく、やはりフローティングフォーカスを採用し、高速で滑らかなAFを実現できそうに見えます。

もちろん、この特許出願の存在で実用化が確定するわけではありません。むしろ可能性は低いくらいですが、個人的に望遠マクロは良く使うので期待したいレンズ。「105mm F2.8 DG DN MACRO

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