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タムロン「18-50mm F3.5-5.6 Di II」「28-120mm F4 Di」を想定したような特許出願

2022年4月1日付けでタムロンの気になる特許出願が公開。「18-50mm F3.5-5.6 Di II」「28-120mm F4 Di」を想定したようなバックフォーカスの長い光学系ですが、よく見るとミラーレス向けの設計に見えます。

概要

  • 【公開番号】特開2022-51875
  • 【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
  • 【出願日】2022-02-08
  • 【出願人】
    【識別番号】000133227
    【氏名又は名称】株式会社タムロン
  • 【課題】本件発明の課題はフォーカス群の軽量化を図りつつ、適切なバックフォーカスを確保することのできる高性能な標準系のズームレンズ及び当該ズームレンズを備えた撮像装置を提供する。
  • 【0003】
    ところで、撮像装置のオートフォーカス機構として、位相差方式とコントラスト方式とが知られている。位相差方式では、位相差センサにより被写体までの距離を測定し、合焦する。これに対して、コントラスト方式では、フォーカス群を移動させながら、被写体のコントラストが最も高くなる位置を検出し、その位置を合焦点とする。
  • 【0005】
    一方、特許文献2では、コントラスト方式のオートフォーカス機構を採用する撮像レンズに好適な標準系ズームレンズが提案されている。当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群及び正の屈折力を有する第6レンズ群から構成され、第4レンズ群を像側に移動させることで被写体に合焦する。
  • 【0006】
    従来より、位相差方式のオートフォーカス機構は、一眼レフカメラ等の比較的長いバックフォーカスを要する交換レンズシステムを適用した撮像装置において広く採用されている。一方、コントラスト方式のオートフォーカス機構は、ミラーレス一眼カメラ等の光学式ファインダーやレフレックスミラーを廃止することによりバックフォーカスを短縮化した撮像装置において広く採用されている。
  • きる。
    【0010】
    しかしながら、特許文献2に記載のズームレンズは、広角端におけるバックフォーカスが短く、一眼レフカメラ等の比較的長いバックフォーカスを要する交換レンズシステムに適用することが困難である。
  • 【0011】
    そこで、本件発明の課題はフォーカス群の軽量化を図りつつ、適切なバックフォーカスを確保することのできる高性能な標準系のズームレンズ及び当該ズームレンズを備えた撮像装置を提供することにある。

実施例1

  • 焦点距離:18.528-49.967
  • F値:3.605-5.308
  • 半画角:39.012-15.652
  • 像高:14.250
  • 全長:97.833-119.002
  • バックフォーカス:37.320

実施例2

  • 焦点距離:25.100-114.132
  • F値:4.105-4.140
  • 半画角:42.102-10.446
  • 像高:21.633
  • 全長:167.363-218.148
  • バックフォーカス:39.824

実施例3

  • 焦点距離:28.000-118.794
  • F値:4.113
  • 半画角:39.089-10.020
  • 像高:21.633
  • 全長:173.822-232.150
  • バックフォーカス:45.497

APS-C用のコンパクトな標準ズーム、そしてフルサイズ向けのF4高倍率標準ズームに関する光学系の実施例を含んでいますね。コントラストAFに対応しつつも、バックフォーカスが長くて一眼レフにも適した光学設計を目指したようです。各社が軸足をミラーレスへと移す中で珍しい特許と言えるかもしれません。

ただし、収差図(上図は18-50mm用)を見ると歪曲収差が驚くほど大きく、光学ファインダーを搭載した一眼レフには不適であることが分かります。巨大な歪曲収差を電子的に補正したライブビュー像を得られるミラーレス用かなと。

となると無駄に長いバックフォーカスが間違いなく無駄になります。これは個人的な推測ですが、長いバックフォーカスを利用して沈胴構造を検討しているのかなと。沈胴構造のズームレンズはここ最近だと主にニコンのZレンズで採用していますが、他社で似たようなレンズは少ないです(下部にリストを掲載)。

サードパーティのレンズメーカーとなるタムロンがこのようなコンパクトで軽量なズームレンズをEマウントやXマウントに提供できるとしたら面白いですねえ。

参考:各社の主な沈胴ズームレンズ

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