90mm F2.8 DG DNはコンパクトながら高い光学性能

Amateur Photographerがシグマ「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」のレビューを公開。接写時はソフトな画質となるものの、それ以外はビルドクオリティ・高い光学性能と評価しています。

Amateur Photographer：SIGMA 90MM F2.8 DG DN I CONTEMPORARY REVIEW

外観・構造：

10群11枚のレンズ構成には5枚のSLDレンズを使用している。絞り羽根は9枚だ。

フィルターサイズは55mmに対応している。

Iシリーズらしく、アルミ削り出しの金属製鏡筒と真鍮製レンズマウントの総金属製外装を採用している。

Contemporaryラインながらビルドクオリティは遥かに良好である。

防塵防滴仕様ではないが、レンズマウントに簡易防滴用のシーリングが施されている。

レンズ表面のラベルはエッチングのうえで塗装されている。

金属製のレンズフードは高級感があり、本体にしっかりと固定できる。逆さ付けに対応しているが、フォーカスリングと絞りリングを隠してしまうのでおススメできない。

携帯性：

フルサイズ対応の90mmとしては最もコンパクトなレンズの一つだ。

重量はわずか295g、全長は64mmである。

α7 IVなどに最適な軽量なレンズを探しているのであれば最適な選択肢だ。

操作性：

金属製の絞りリングはF2.8からF22まで1/3段ごとにどうさする。クリックレスに切り替える機能は無い。

フォーカスリングの操作は心地よい。

側面にはAF/MFスイッチを搭載している。

フォーカス：

最短撮影距離は50cmである。

ステッピングモーター駆動で静かで滑らかに動作する。

低照度でも速度低下なくピント合わせが可能だが、接写時にパフォーマンスが低下する。

手ぶれ補正：

光学式手ぶれ補正は非搭載だ。

解像性能：

RAWではモアレが発生するくらい絞り開放からシャープなレンズだ。

接写時の絞り開放はソフトな描写となるので、最良の結果を得るには絞る必要がある。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

記載なし。

色収差：

色収差補正をオフにしても問題は無いように見える。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

未補正の状態では強めの糸巻き型歪曲が発生する。

このレンズは補正を前提としている。

周辺減光：

未補正の場合は周辺減光が目立つ。

F7.1まで絞ると解消する。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

逆光耐性は見事だ。

光源がフレームに入った場合のみフレアが発生する。

総評

コンパクトなレンズでありながら、高画質を求める人には最適なサイズと重量で、本当に使えるレンズだ。ビルドクオリティとデザインは非常に優れている。補正前は周辺減光や歪曲収差があるものの、これは設計思想の一部であり、ソフトウェアで簡単に補正でき、そのおかげでよりコンパクトなレンズを実現している。撮影時には、F2.8の開放でも驚くほどシャープな画像が得られる。絞りリングはエルゴノミクスに基づいて設計されており、フォーカスリングも大きいので、マニュアル撮影が好きな方には特に使いやすい。主な弱点はクローズアップ性能で、近距離でピントを合わせた場合、かなり絞らないと軟調となる。

295gというコンパクトなサイズと軽さは、持ち運びに便利で、身軽な旅行をしたい方に最適なレンズだ。

長所：
・金属鏡筒
・絞りリング
・非常にシャープ
・軽量
・小型

短所：
・強い周辺減光
・簡易防滴
・接写時の開放がソフト

とのこと。
90mmの中望遠単焦点ながら、非常にコンパクトで軽量なレンズに仕上がっていますね。安いレンズではないものの、ハイクオリティなレンズの作りや、SLDガラス5枚を使った贅沢なレンズ構成を見れば納得するはず。

α7R IVと組み合わせるために購入しましたが、全体的にAmateur Photographerのレビューと似たようなテスト結果となっています。高解像ですが接写時のパフォーマンス低下は確かに発生します。また、像面湾曲の影響が少し残っているように見えるので、パンフォーカスを狙う場合は少し絞ったほうが良いかもしれません。周辺減光や糸巻き型歪曲は確かに目立つので補正必須。Adobe製品では既に補正用プロファイルに対応しているので大きな問題とはならないでしょう。

シグマ 90mm F2.8 DG DN | Contemporary 交換レンズデータベース