ePHOTOzineがコシナ「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」のレビューを掲載。アポクロマート設計としては色収差の補正が完璧では無いものの、シャープネスは「特別なもの」と高く評価しています。
ePHOTOzine:Voigtlander 50mm f/2 APO Lanthar E Lens Review
レンズの紹介:
- 「フォクトレンダー史上最高性能」と宣言された標準単焦点レンズだ。
ビルドクオリティ:
- とても良好な作りの総金属製鏡筒だ。
- 防塵防滴には非対応である。
- レンズはアポクロマート設計、つまり色収差を完璧に修正したことを示すため、赤・緑・青の3色を使ったラインが描かれている。
- レンズフードはねじ込み式だ。
- 金属製レンズマウントには電子接点を搭載している。
携帯性:
- 364gと控えめな重量だ。
- フィルター径は49mmである。
操作性:
- 絞りリングをスライドしたまま回転することで絞りリングのクリックを解除することが出来る。
- 絞りリングはとてもスリムだが、握りやすく、とても良好な作りだ。クリックストップの場合は1/3段ごとに動作する。回転方向はニコンやペンタックスと同じだ。
- 幅広いフォーカスリングは適度な硬さで滑らかに回転する。回転方向はキヤノンと同じだ。
オートフォーカス:
- MF専用レンズである。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IIIと組み合わせてテストした。
- 中央と端はF2からF11までExcellentだ。
- F16で回折の影響を受けるが、それでもVery goodである。
- とても優れた一貫性のある描写であり、絞りは被写界深度の変更のみで使うことが出来る。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- ボケは心地よく滑らかだ。
色収差:
- アポクロマート設計らしく優れた性能だが、APOと冠していないレンズよりも高度な収差補正を実現しているわけではない。
- 一部の極端な状況ではフリンジが発生する可能性がある。
球面収差:
歪曲収差:
- +0.31%のわずかな糸巻き型だ。驚くほど少ない。
周辺減光:
- F2で周辺減光が発生するものの、F2.8以降は問題ない。
コマ収差:
逆光耐性:
- 逆光耐性は十分良好だが、光源がフレームに入るとコントラストが低下し、ゴーストが発生する。一般的な撮影では問題無い。
総評
史上最高のフォクトレンダーレンズだっただろうか?それは何をもって「最高」と定義するかによる。確かに非常に優れたレンズであり、最高レベルの性能を発揮することができ、シャープネスに関してスペシャルなものであることに疑いの余地は無い。APO設計として期待されるよりも多くの色収差が測定されるのは少し意外かもしれないが、それ以外の性能については批判すべき点はほとんど無い。
個性的なVoigtlanderレンズであり、シャープで鮮明な画像を好む写真家に適している。もちろん、ほとんどのレンズはシャープだが、このレンズはさらにシャープさを感じる部分があり、それを楽しむことができる。少々高価かもしれないが、このようなレンズはそうであるべきだと思う。このレンズのシャープさと個性を活かしたい方には、「おススメ」のレンズだ。
- 長所:
・優れたシャープネス
・良好な色収差補正
・絞ると穏やかな周辺減光
・低歪曲
・逆光耐性
・美しいボケ
・被写界深度
・F2
・個性的- 短所:
・いくつか極端な状況でフレアが発生する
・防塵防滴非対応
・MF限定
とのこと。
優れた解像性能を持つ、高解像なフォクトレンダーレンズですね。NOKTONとは異なるコンセプトで、これはこれで楽しめそうな描写に仕上がっているように見えます。滲むような柔らかいボケを得ることは出来ませんが、色収差が少なく、悪目立ちしない描写に見えます。特に、このサイズの50mmレンズとしては周辺や隅のボケが綺麗。Lenstipのテストによれば、コマ収差も良く抑えられているので、MF限定という点を除けば、様々な状況で使いやすい50mmですね。
既に様々なサイトでこのレンズを使った作例・写真が公開されています。ボケ描写などを確認する場合に参考となるかもしれません。
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