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「APO-LANTHAR 50mm F2」は周辺減光以外が抜群のパフォーマンス

Lenstipがコシナ「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」のレビューを掲載。周辺減光以外は抜群のパフォーマンスを発揮し、APO 35mm F2以上に優れたレンズであるとべた褒めしています。

Lenstip:Voigtlander Apo Lanthar 50 mm f/2 E

レンズの紹介:

  • 個人的な見解だが「Voigtlander Apo Lanthar」シリーズは私がテストした中では最高のレンズ群の一つだ。既に35/2・65/2・90/3.5をテストしたが、これらのテストは本当に楽しいものだった。そしてテスト結果はポジティブな評価しかない。
  • 今回は2020年末に登場した50mm F2についてレビューする。

ビルドクオリティ:

  • 24mmの後玉はの周囲は金属マウントで囲われている。マウントの金属フレームにはシリアル番号とコシナの刻印がある。内筒は艶消しされている。
  • 後玉は無限遠でマウントぎりぎりまで下がり、最短撮影距離で1cmほど内部に入り込む。
  • 外装は金属製だ。
  • レンズは日本製である。
  • フォーカスリングを操作すると光学系全体が移動し、レンズが前方へ伸びる。
  • 通常のフードマウントは無く、ねじ込み式だ。
  • 前玉は直径29mmでとてもフラットな形状である。

携帯性:

  • 光学的に複雑で、金属鏡筒と言うこともあり同クラスの中では比較的大きく、重いレンズだ。

操作性:

  • 30mm幅のフォーカスリングはグリップしやすい形状だ。リングにはピント位置と被写界深度の表示がある。ピント全域を移動するためのストロークは150度ほどあり、十分すぎるストロークだ。
  • 5mm幅の絞りリングは1/3段ごとに動作する。

オートフォーカス:

  • フォーカスブリージングは抑えられており、動画撮影者に喜ばれる仕様だ。

マニュアルフォーカス:

  • 十分なストロークとグリップしやすい形状で快適に操作できる。
  • 被写界深度表示はF4からF16まで備えているのでピント合わせに役立つものだ。
  • 電子接点を搭載しているので自動アシストに対応している。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • α7R III・IIのRAWファイルを測定している。
  • 良像の基準値は39-41lpmmだ。
  • 最高の単焦点レンズで70lpmmを超える。
  • 今のところ記録はシグマ105mm F2.8の80.4lpmmと65mm F2の82.7lpmmだ。
  • 中央は絞り開放から70lpmmのセンセーショナルな数値を記録している。F2.8まで絞るとほぼ80lpmmとなり、レコードリストに掲載できるパフォーマンスだ。
  • APS-C領域の端でも非常に高い数値を維持している。
  • フルサイズ端でも同様の評価だ。このポイントで70lpmmを達成できるのは優れたレンズだ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 非球面レンズを使用しているので玉ボケの内側にもやがかかっている。
  • 口径食はF2で強く、F2.8で中程度となり、F4で解消する。
  • 絞りはF2.8までとても素晴らしい円形だが、F4まで絞ると多点の星状となり好みが分かれる。

色収差:

  • 「APO」が示すように軸上色収差はとても良好に補正されている。
  • 倍率色収差は絞り開放で0.02%となり、絞ると僅かに上昇する。全体的にとても低い数値でケチのつけようがない。

球面収差:

  • フォーカスシフトの兆候は見られない。
  • 前後の玉ボケを見比べても差が無く、球面収差に大きな問題が無いことが分かる。

歪曲収差:

  • APS-Cでは0.02%、フルサイズでは0.38%と少し高い結果だが、実写で歪曲に気が付くことは無いだろう。

周辺減光:

  • フルサイズの絞り開放で-2.61EVと目立つ。F2.8まで絞っても光量落ちは強く、F4まで絞って緩和する。

コマ収差・非点収差:

  • コマ収差は中央・APS-C端・フルサイズ隅のテスト結果をシャッフルしても分からない程度に抑えられている。拍手喝采だ。
  • 非点収差の平均値は2.0%だ。非常に低い数値であり、賞賛に値する。

逆光耐性:

  • 絞り開放でゴーストやフレアの問題は無い。
  • 絞ると影響は強くなるが、それでも数や強度は低い。そしてコントラストは良好に維持されている。とても肯定的な結果だ。

作例集

総評

以前にテストした「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」は優れたレンズだった。当時は、これ以上の性能を想像することは困難であった。しかし、この50mmの兄弟レンズは、さらに優れた性能を発揮することが可能であることを明確に示している。周辺光量を除いたすべてのテスト項目で、実質的に優れた、あるいは抜群の結果を得ることができた。
「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical E-mount」は、約1050ドルという高額な価格設定であっても、このレンズに対する好意的な評価を変えることはできない。多くの長所と実質的に欠点のないレンズは「Editors' Choice」に相応しい。

  • 長所
    ・頑丈な鏡筒
    ・センセーショナルな中央画質
    ・優れたAPS-Cの画質
    ・非常に良好なフルサイズ端の画質
    ・無視できる軸上色収差
    ・僅かな倍率色収差
    ・球面収差の問題ナシ
    ・実質ゼロ歪曲
    ・優れたコマ収差補正
    ・非点収差がとても少ない
    ・ボケ/玉ボケの描写
    ・きちんとした逆光耐性
  • 短所
    ・目立つ周辺減光

とのこと。
「50mm F2」としては非常に高価なMFレンズですが、高い評価を獲得した模様。光学性能を細かく評価し、さらに価格設定も加味するLenstipがここまでべた褒めするのは珍しいですね。

周辺減光以外の欠点が見当たらず、解像性能はフレーム隅まで極上の性能。マクロレンズのような切れ味の明るいレンズですね。諸収差も良好に補正されており、操作性もバッチリで電子接点による自動アシストにも対応。確かにこれと言って批判する点が無いように見えます。フルマニュアル操作に抵抗が無ければ面白い選択肢となりそうですね。

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APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical E-mount
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