DXOMARKがニコン一眼レフ「D850」を使ってFマウントレンズを再テスト、最適なレンズを紹介しています。既に軸足はスマートフォンへ移っており、やや古いレンズデータベースですが少しは参考になるかと思います。
DXOMARK:The best lenses for the Nikon D850
ニコン100周年となる2017年に登場した一眼レフ「D850」は我々のセンサースコアで100点に到達するナンバーワンの性能だ。このカメラと計128本のFマウントレンズと組み合わせて測定、データベースで閲覧可能だ。
広角単焦点レンズ
35mm F1.4 DG HSM 45 AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED 44 SP 35mm F/1.8 Di VC USD (Model F012) 43 20mm F1.4 DG HSM 43 Milvus 2/35 41 24mm F1.4 DG HSM 40
- シグマは絞り開放からシャープで驚異的な性能だ。他のレンズと同様、中央から離れるほど低下するが、非点収差は見られない。
- タムロンはより均質的なシャープネスだが、周辺画質はシグマに及ばない。
- ニコンは中央のみ同程度のシャープネスだが、多少の非点収差が見られる。
標準単焦点レンズ
Otus 1.4/55 52 50mm F1.4 DG HSM 48 Milvus 2/50M 43 Milvus 1.4/50 43 SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F013) 38 Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D 38
- 価格からしても分かるように、Otusが最高性能だ。スコア52は驚くことではない。絞り開放のシャープネスは最高だ。極端な四隅のみ75%に低下する。
- シグマは950ドルと適正価格でパフォーマンスはOtusにとても近い。何故かピークのシャープネスは上回っている。
- ニコンAF-S 50mm F1.4Gは残念ながらツアイスやシグマとは張り合えない。中央はとても良好だが、周辺部は非点収差が強い。光透過率は良好だ。
- F1.4から絞るとツアイスとシグマの違いはなくなる。少なくとF2で中央がツアイスに追いつき、F2.8で四隅も追いつく。ニコンはF5.6まで絞る必要がある。
中望遠単焦点レンズ
85mm F1.4 DG HSM 53 Otus 1.4/85 51 Milvus 1.4/85 50 SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016) 48 AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G 46 AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED 46
- ツアイスOtusがトップに君臨していたが、シグマにその座を奪われた。
- どのレンズもパフォーマンスは僅差だ。
- ツアイスやシグマは絞り開放から四隅までとてもシャープである。ニコンF1.8Gは中央で僅差だが、周辺は少し非点収差が見られる。
- F5.6-F8まで絞ると、シグマ・ツアイス・F1.8Gで大きな違いは見られない。しかし、シグマが僅かに高いシャープネスを実現している。ニコンは絞ると非点収差が大きく改善する。
- ニコンF1.8Gも悪く無いが、ツアイスやシグマはより良好に倍率色収差を補正している。
- ニコンF1.8Gは透過率が良好だ。
望遠単焦点レンズ
AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II 45 AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR 40 AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II 38 AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR 36 APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 31 AI AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED 30
- フィルム用の200mm F4Dが優れたパフォーマンスを発揮している。とてもシャープだが、倍率色収差は目に付く。高速AFは期待しないほうがいい。
- 200mm F2Gは評判通りのシャープネスだ。F2の絞り開放でさえ、400mm F2.8に匹敵し、300mm F2.8よりも優れている。周辺部に非点収差が見られるものの、絞ることで改善する。
- 200mm・300mm・400mmどのレンズも倍率色収差や歪曲収差、周辺減光は小さい。
広角ズームレンズ
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD 32 AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 32 AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 29 12-24mm F4 DG HSM 28 AT-X 16-28 F2.8 PRO FX 27
- ニコンとタムロンは同率1位だが、タムロンは手ぶれ補正を搭載しているうえ、低価格で入手できる。ただし、広角側の画角がニコンより狭い。
- 発売以来、ニコン1424Gは絶賛されている。タムロンはこれに匹敵し、ピークのシャープネスが高い。
- シグマは開放F値がF4となるが、12mmの広い画角が役に立つだろう。
- タムロンはズームレンジ全域で中央のシャープネスは高い。ただし、広角端に向かって非点収差が目に付くようになる。中間域では絞ると低減するが、15mmでは目に付くままだ。
- シグマは絞り開放からフレーム全体で一貫したシャープネスを発揮する。12mmでも優れた性能だ。望遠端に向かって性能は低下するが、中央はF5.6まで絞るとシャープになる。
- ニコンも広角側で目立つ非点収差が発生する。14mmにおけるシャープネスはタムロンと非常に近い。
標準ズームレンズ
- タムロンはズームレンジ全域で高いシャープネスを備えている。シグマやニコンと比べて最も強力だ。他のレンズと同じく望遠端で性能が少し低下するものの、フレーム全域で一貫した画質だ。
- シグマもタムロンと似ているが、中間域で非点収差が非常に目立つ。
- 遥かに高価なニコンも非点収差が目立つ。フレーム全体をシャープにするためにはF8まで絞る必要がある。倍率色収差が強いものの、周辺減光や透過率は最も良好だ。
望遠ズームレンズ
SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD 34 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II 33 120-300mm F2.8 DG OS HSM 33 AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 31 APO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSM 30
- 今では古いモデルとなってしまったレンズが多いが、我々のデータベースでタムロンは最もパフォーマンスが良好だ。絞り開放でもズームレンジ全域で高いシャープネスを維持している。望遠端でさえ良好だ。ただし、非点収差がいくらか目立ち、光透過率が悪く、周辺減光が最も目立つ。
- ニコンF4は高いシャープネスを備えた優れたレンズだ。
- シグマは広角側でキレ味抜群のシャープネスだ。望遠側も良好だが、四隅を底上げするには絞る必要がある。
とのこと。
「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」「70-200mm F2.8 DG OS HSM」「SP 35mm F/1.4 Di USD (Model F045)」と言った比較的新しいFマウントレンズが追加されていないので注意が必要です。とは言え、成熟したFマウントレンズラインアップの参考として利用できるデータベースです。レンズはF値ごとのシャープネスや収差の傾向を細かく掲載しているので、使いこなしの上で参考にすると良いでしょう。ただしDXOMARKの評価軸にAFやボケ描写、逆光耐性など数値化し辛い部分は入っていないので注意が必要。
私は2017年にD850を購入し、主にタムロンF2.8ズームG2を利用していました。シャープネスに関しては高解像のD850でも満足のいくパフォーマンスだと実感しています。その一方、玉ボケの描写が残念なレンズも多かった印象(例えば24-70mm F2.8や35mm F1.8 VC)。また、オートフォーカスの信頼性などを重視するなら純正のほうが良いでしょう(ミラーレスと違ってピントズレの問題が起こりやすい)。
純正レンズは「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」などを使っていましたが、D850のデータベースには反映されていない模様(58mmは癖の強いレンズなので諸手を挙げておススメはしませんが…)。望遠レンズ枠に入っていませんが個人的には汎用性の高い「AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR」を推したいところ。高画素機でも満足のいく光学性能のレンズに仕上がっていると感じます。
Nikon D850 ボディ | |||
楽天市場 | Amazon? | キタムラ | Yahoo |
サイト案内情報
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。