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EOS R8で実際に欠けていると感じるのは手振れ補正くらい

DPReviewがキヤノン「EOS R8」のファーストインプレッションを公開。ジョイスティック無しに慣れるまで時間がかかったものの、実際に欠けていると感じるのは手振れ補正くらいと高く評価しています。

DPReview:Canon EOS R8 initial review

特徴

  • 基本的にエントリーモデル「EOS RP」のボディを受け継ぎ、1000ドル高い「EOS R6 Mark II」のセンサーとAFシステムを追加したカメラである。
  • 事実上、初代EOS R、そしておそらくRPを長い目で見て置き換えるものとなる。
  • ニコン「Z 5」やソニー「α7 III」などのライバルモデルとなるだろう。
  • キヤノンによると、EOS R8のセンサーとプロセッサーはEOS R6 IIと同じだ。画質、AF性能、動画品質など、多くの重要な点で一致する。
  • ただし、メカニカルな先幕シャッターがなかったり、ドライブ性能で差が付けられている。

AF

  • AFスシステムは基本的にR6 IIから継承している。
  • 被写体検出AFに対応。R6 IIと同様に、以下の被写体を認識できる。
    ・人物(体/顔/目)
    ・動物(犬/猫/鳥/馬)
    ・乗り物(モータースポーツとバイク/飛行機/電車)
    ・オート(上記グループから自動選択)
  • AFジョイスティックがないものの、画面をタップするか、タッチパッドとして使用してAFポイントの選択が可能だ。
  • タッチパッドで操作する領域を制限することで、誤操作を予防することが可能だ。
  • 画面をタップして、認識した被写体を切り替える機能もある。
  • 十字キーを使ってAFポイントを操作することも可能だ。
  • AFジョイスティックがあれば良かったが、ソニーα7Cと同様、ボディサイズを小さくするための代償と言えるだろう。

先幕メカシャッターがない

  • ソニーα7Cと同様、先幕メカニカルシャッターを搭載していない。
    (訳注:EOS RPも同様です)
  • EOS R6 IIのメカシャッターは最大連続撮影速度が「12コマ/秒」であるのに対し、EOS R8の電子先幕シャッターではわずか「6コマ/秒」と、連写速度が低下している。
  • 電子先幕シャッターで高速シャッターを利用すると、露出ムラが発生する可能性がある。
    (訳注:詳しくは当ブログでもEOS RPレビュー時に紹介しています)
  • ごく稀にしか発生しない現象だが、EOS R8に大口径の単焦点レンズを装着する予定がある方は知っておいて損はない。

バッファ

  • EOS R6 IIから、電子シャッターによる最高「40コマ/秒」の高速連写と、「30コマ/秒」のRAWバーストモードを継承している。
  • RAWバーストモードでは、シャッターボタン半押し時にメモリ内に画像を保持し、全押し時にそのうちの15フレームをカードに記録する機能だ。
  • センサーの読み出し速度はそれなりに高速(約18ms)だが、撮影時にセンサー上を素早く動くものを水平方向に歪ませる可能性がある。

競合カメラ

  • EOS R8は、1499ドルという価格帯で、これまで発売されたフルサイズカメラの中で最も安価なカメラの1つだ。
  • しかし、ソニーは旧モデルのα7を低価格で販売しているので競争は激しい。
  • とは言え、EOS R8はキヤノン最新のAFシステムを採用しているため、α7 IIなどよりもずっと高性能に感じられ、発売価格は現行のα7 IIIを下回る。このため、ソニーのα7Cとの比較が最も理にかなっていると考える。
  • キヤノンのEOS R6 IIと比較すると、ハイアマ向けと比較して、得られるものと得られないものが分かる。
  • EOS R8は、動画撮影の機能で競合を圧倒するが、ボディ内手ぶれ補正が欠けている。ファインダーはライバル機と同等だが、EOS R6 IIに比べると明らかに見劣りする。
  • EOS R8は、電子シャッターモードのローリングシャッターはEOS R6 IIと同等で、40fpsの撮影速度は、それなりに速い被写体にかなり使えると思われる。

操作性

  • ボディは、EOS RPと全く同じで、非常にシンプルに撮影することができる。
  • EOS R6 IIほどコントロールは豊富ではないが(ジョイスティックがないことが最も顕著)、2つのダイヤルと適度な大きさのハンドグリップが心地よい関係で配置されており、これはかなり重要だ。
  • キヤノンによると、防塵・防滴に配慮した設計だが、EOS 6D IIほどの密閉性はなく、代わりにプラスチックを多用した軽量な構造を採用しているとのことだ。
  • SDカードスロットは1つだけだ。カメラ下部のバッテリーコンパートメントに配置されていることは特筆するに値する。
  • EOS RPのグリップエクステンダーと互換性があるが、バッテリーグリップを追加するオプションが無い。
  • EOS R6 IIと同じ、micro HDMI、USB-C、ヘッドホン・マイクソケット、有線リモート、5つのポートを備えている。
  • USBポートは3.2 Gen2(10Gbit/s)規格に対応している。

バッテリー

  • 高価なR6 IIに比べ、バッテリーがLP-E17になったことが最も大きな変更点だ。
  • コストダウンや製品間の差別化を図るためというよりは、カメラの小型化を図るためというのが妥当なところだろう。しかし、撮影にはかなりの影響がある。
  • 7.5Whという比較的小さなLP-E17は、特に長時間撮影できるわけではなく、ファインダーを使用した場合、標準の「なめらか」モードでは1回の充電でわずか150枚という評価だ。省電力モードでは220枚、モニター表示では370枚となる。
  • USB-PDの強力なバッテリーがあれば、USB充電や給電も可能だ。しかし、写真をたくさん撮る人であれば、こまめな充電や予備バッテリーの携行を計画的に行う必要がある。動画撮影をする人ならなおさらだ。

動画

  • キヤノンは、手頃な価格のモデルの機能を抑制するという評判があるものの、EOS R6 IIの見事な動画機能を継承している。
  • 全幅6Kから派生した4K動画を最大60pで撮影可能だ。
  • 10bitの映像をC-Log3またはHDR PQで撮影でき、ヘッドフォンとマイクのソケットを備え、他と同じくバリアングルモニタを利用可能だ。
  • さらに、4チャンネルのオーディオを可能にするタスカムXLRアダプターなどのアクセサリーを接続できるようにホットシューにコネクタを備えている。
  • 温度への配慮から、4K 60pと1080 120pは1クリップあたり30分の制限がある。
  • 4K・FullHD 30pは1クリップあたり2時間の撮影が可能だ(ただし、SDカード容量やバッテリー容量の制限はある)。
  • このカメラの8bitモードは、すべて比較的手頃なU3クラスのSDカードで撮影することができる。
  • 10bitのC-Log3やHDR PQの撮影には、より高価なV60規格のカードが必要だ。

ファーストインプレッション

  • 2019年に発表された当時、EOS RPの簡素化された性質と低価格を楽しめた。主な懸念は、限られたバッテリーライフと、(多くの状況でうまく機能するものの)ダイナミックレンジの狭さを感じる、古めのセンサー性能に関するものだった。しかし、多くの点で、より野心的なEOS Rよりも楽しいカメラであった。
  • EOS R8は少し高価だが、センサーに関する懸念は解消された。実際、R8のスペックは、より高価なカメラの存在意義を考えてしまうほど優れている。
  • EOS R6 IIは、ボディ内手ブレ補正、より優れたビルドクオリティ、高解像度ビューファインダー、AFジョイスティック、より大きなバッテリーが強みとなる。また、メカニカルシャッターモードでEOS R8の2倍の速度で撮影でき、デュアルカードスロットを備えている。
  • 我々はEOS R8に感銘を受けた。EOS R6 IIで撮影していた身としては、ジョイスティックがないことに慣れるまで時間がかかったが、画質に関しては何の調整も必要ない。
  • EOS R8の操作性に慣れると、妥協を感じるのはボディ内手ブレ補正くらいだ。
  • R8の登場によって肩身が狭くなるのは、APS-CのEOS R7かもしれない。両機種とも定価は同じだが、両機種の差はかつてデジタル一眼レフのEOS 7DとEOS 6Dの間に存在したものより小さく感じられる。
  • キヤノンのレンズ開発は、当面フルサイズに偏重していくと思われるので、EOS R8はキヤノンのラインナップの中で重要な位置を占めそうだ。

とのこと。
EOS RPのように小さなボディに、EOS R6 IIと同等のセンサー・プロセッサ・AFシステムを詰め込んだ面白いカメラですね。少なくとも海外ではEOS R7と同程度の価格設定となっており、手ごろな価格で最新AFや40fpsの連続撮影を楽しめるフルサイズカメラに仕上がっている模様。動画撮影も6Kオーバーサンプリングの4K 60pまで利用可能となっており、バッテリーライフの問題さえ回避できれば、この価格帯としては十分以上の性能を発揮するカメラとなりそうです。

あえて言えば、競合他社では標準となっているボディ内手ぶれ補正を搭載していないことが欠点となるでしょうか?とは言え、キヤノンRFレンズは光学手振れ補正を搭載しているレンズが多く、ボディ内手ぶれ補正に依存する必要性は他社ほど高くないはず。

また、あくまでも「EOS R7と同じ価格設定」は海外での話となります。少なくとも国内での販売価格はEOS R7よりも高くなる可能性が高い。この場合、国内外で評価に微妙なズレを感じるかもしれません。EOS R7と同じ価格設定であれば、確かにコスパの良いフルサイズカメラで間違いないはず。

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