ソニー「FE 50mm F1.2 GM」目を見張る価格設定を正当化できる光学性能

PhotographyBlogがソニー「FE 50mm F1.2 GM」のレビューを公開。非常に高価な50mmレンズですが、価格を正当化するだけの光学性能・機能性・操作性を備えたレンズと評価しています。

レンズの紹介：

• ソニーEマウント初となるF1.2の大口径レンズだ。
• 3枚の非球面レンズやナノARコート IIで諸収差やフレアを抑え、XDリニアを4基搭載して高速かつ静かで正確なAFを実現している。

ビルドクオリティ：

• ビルドクオリティは良好だ。他のG Masterレンズと同じく高水準である。
• 防塵防滴仕様だが、ソニーは100％の耐候性とは主張していない。

携帯性：

• 重量778g、直径87mm、全長108mmだ。このような大口径レンズとしては比較的小型軽量である。
• FE 50mm F1.4 ZAと同程度のサイズだが、レンズの口径はF1.4よりも大きい。
• α1のようなカメラと組み合わせるのに適している。

操作性：

• フォーカスホールドボタンを2つ搭載している。
• 電子制御式のフォーカスリングはピント両端にハードストップが無い。
• 絞りリングはF1.2からF16まで1/3段ごとに設定可能だ。クリックを解除することもできる。

オートフォーカス：

• XDリニア4基を使用したオートフォーカスはとても静かで滑らかに動作する。
• α1との組み合わせで静かで高速だ。
• 瞳AFは完璧に機能する。

マニュアルフォーカス：

• 記載なし。

手ぶれ補正：

• 光学手ぶれ補正は搭載していない。このためボディ側の手ぶれ補正が必要だ。

解像性能：

• 中央は「F1.2から満足のいくシャープネスだ。F2?F11で最高の結果を得られる。
• 端はF1.2で少しソフトだが、F2でシャープとなり、F2.8?F11で最高の結果を得ることが出来る。

像面湾曲：

• 記載なし。

ボケ：

• 標準単焦点としてはとても魅力的な描写だ。

色収差：

• 色収差はあまり目立たない。
• 非常にコントラストの高い領域にのみ発生する。

球面収差：

• 記載なし。

歪曲収差：

• 僅かな樽型歪曲だ。

周辺減光：

• F1.2では光量落ちが発生する。
• 完全に抑えるには少なくとも3段ほど絞る必要がある。

コマ収差：

• 記載なし。

逆光耐性：

• F16まで絞ると優れた光条が発生する。
• 太陽を直接フレームに入れるとフレアが発生しやすくなるが、大部分の状況では十分に抑えられている。

作例集

総評

50mm単焦点レンズはソニー純正だけでも多くの選択肢があり、サードパーティ製レンズも多数存在する。このレンズは「F1.2」の開放F値が目を引き、目を見張るような価格設定を正当化する光学性能と操作性・機能性を備えている。

比較的軽量かつ小型ながら、しっかりとした作りで、絞り値全域で優れた中央シャープネスを実現し、フレーム端でも同様の結果を得ることが出来る。11枚の絞りとF1.2の開放F値、そして40cmの最短撮影距離が組み合わさると素敵なボケを生み出すことが可能だ。経度の歪曲と光量落ちには注意しなければならないが、これらは自動的に補正可能である。

まだ手元に50mm単焦点レンズが無い場合、究極の50mmとして強くおススメできるレンズである。

とのこと。
非常に優れた光学性能を備えた50mm F1.2に仕上がっているみたいですね。比較的高価な50mmレンズですが、競合他社と見比べると適正価格か少し安いくらいに見えます。レンズはEDレンズを使用しておらず、色収差補正がどの程度か気になっていたのですが、特に大きな問題は無さそう。問題となるのは絞り開放付近の周辺減光くらいでしょうか。

ボケの評価は個人差があると思いますが、比較的近距離の撮影では全体的に滑らかで綺麗な描写に見えます。絞り開放からコントラストが高く、複雑な背景では少し騒がしくなるかもしれません。また、絞り開放では口径食の影響があり、ボケが小さくなる周辺部が少し荒れているように見えるかもしれません。

F1.2と珍しい大口径レンズながら、5000万画素のα1でも絞り開放から全体的に良好なシャープネスを実現しているのは凄い。ただし、四隅の端がいくらかソフトで、光量落ちの影響を考慮するとF2?F2.8まで絞って使うのも良さそう。

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