Xitekがニコン「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」のレビューを公開。逆光耐性は平凡ながら、解像性能は全体的に良好で、効果的な手ぶれ補正やフォーカス性能を備えていると評価しています。
Xitek:便携全能手 尼康Z DX18-140/3.5-6.3VR??
レンズの紹介:
- 2019年に初のAPS-C Zカメラ「Z 50」を発売し、レンズラインアップは第一段階として「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」2つのレンズを発売した。
- 第二段階としてはフルサイズにも対応する小型軽量レンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8」「NIKKOR Z 40mm f/2」を発売。
- 第三段階として高倍率ズーム「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」を発売する。
- 高倍率ズームは愛好家から過小評価されがちだが、レンズラインアップには欠かせないカテゴリだ。競合他社にも似たようなレンズが存在する。
ビルドクオリティ:
- 全体的に見ると「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」とよく似ているが、比較的短い。
- カラーリングはシンプルなブラックでとても控えめなデザインだ。
- 非「S-Line」のため、「S」のロゴは無い。
- Zレンズのデザインが変更され、「NIKKOR」のロゴが上部に移動している。
- ARNEOコートのようなハイエンドコーティングは施されていない。
- レンズマウントはエンジニアリングプラスチックだ。
携帯性:
- 重量は175gと軽量で、レンズ全長は一眼レフ用よりも7mm短くなっている。
- 全体的なサイズはソニー「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」と同程度だ。
- フィルター径が62mmと小さい。
操作性:
- ズームリングとフォーカスリングの表面の加工には明確な違いがあり、区別できる。
- 先端のズームリングは幅広く、後方のフォーカスリングは狭い。
- フォーカスリングのトルクは緩やかだが、ズームリングは比較的トルクが強い。伸縮の際は空気圧の影響を受けているように感じる。
- フォーカスリングはカメラ側のカスタマイズで絞りや露出補正としても利用可能だ。
- AF/MFスイッチが無いので、カメラ側での操作が必要だ。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動で静かに動作する。
- フォーカスブリージングは抑えられ、ピント位置による画角のずれを効果的に抑えている。
- 広角端で0.2mまで寄ることができ、望遠端で最大撮影倍率0.33倍を実現している。これはFマウント用レンズと比べて大きく改善しているポイントだ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 5段分の光学手ぶれ補正を搭載している。
- 実際にテストすると、基本的に公称値通りの結果が得られる。
解像性能:
- 18mmの中央は絞り開放から良好だ。18mmの端は絞り開放で中央よりも少し悪い。F4~F8まで絞ると中央はさらに改善し、端も改善して画質のピークとなる。F11まで絞るとシャープネスが少し低下し、さらに絞ると回折の影響が強くなる。
- 140mmの中央は絞り開放から優れたシャープネスだ。ただし、端は少し低下する。F8~F11でも依然として良好で、端はわずかに改善する。F16まで絞るとシャープネスが少し低下し、さらに絞ると回折の影響が強くなる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 18mmのボケは小さく、そして少し騒がしい。
- 1400mmではボケが大きくなる。
色収差:
- 18mm F3.5では色収差がハッキリと見られる。F4まで絞ると大幅に改善する。
- 140mm F6.3ではほとんど発生しない。
- 広角よりも望遠側が良好だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 18mmはわずかな樽型で、140mmの状態は良好だ。
- この結果はレンズプロファイルを適用した結果であり、歪曲収差をオフにすることはできない。
周辺減光:
- 18mm F3.5で目立つ光量落ちが発生する。絞ると緩和するが、F4.5ではまだ残存している。
- 140mmの絞り開放でも一定の光量落ちが見られるが、18mmよりも良好だ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 18mmの絞り開放ではゴーストが発生し、F8まで絞るとさらに悪化する。
- 140mmではフレアが発生し、F8まで絞るとさらに悪化する。
- 逆光耐性は平凡だ。
総評
全体的に良好なクオリティの高倍率ズームレンズだ。ズーム全域で高水準のシャープネスを実現し、特に望遠側で色収差の補正が良好だ。フォーカスブリージングは良く抑えられている。逆光耐性は良くないが、低照度で活用できる手ぶれ補正を搭載している。
競合他社と比べて少し高い価格設定だが、レンズマウントがプラスチックなのは残念だ。価格調整を期待している。また、Vlogでも使いやすいコンパクトな広角ズームが登場すると幸いだ。
とのこと。
2021年10が中旬に正式発表したAPS-C Zレンズ初となる高倍率ズームレンズですね。7万円前後の価格設定はAPS-C高倍率ズームとしては少し高めですが、どのような光学性能を発揮するのか気になるところ。発売は海外でも11月だったと思いますが、Xitekはいち早くレビューを公開しています。
逆光耐性は平凡と評価していまが、解像性能は広角側から望遠側まで良好とのこと。色収差も良く抑えられ、歪曲収差もカメラ内補正で綺麗に整えられているように見えます。実際の歪曲収差をどれほどソフトウェアで補正しているのか気になるところですが、結果が良ければそこまで問題視しなくても良さそうですね。ボケは広角側の微ボケが少し騒がしく見えますが、望遠側を使った大きなボケは問題が無いように見えます。
今のところZ DXレンズは3本。レンズサイズは小さすぎず、大きすぎずと言ったところ。Z fcと組み合わせるには少し大きく感じるかもしれませんが、Z 50であれば手ごろなサイズの便利な高倍率ズームとしては重宝しそうです。Xitekが指摘しているように、プラスチックマウントなので、もう少し価格が安くなると買いやすいのですが…。
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