DXOMARKがキヤノン「RF85mm F2 Macro IS STM」のスコアとレビューを公開。絞り開放から非常に高性能で、高画素機と組み合わせることでソニーFE85mm F1.8を上回る可能性があると言及しています。
絞り開放からフレーム全域でシャープ
DXOMARK:Canon RF 85mm F2 Macro IS STM Lens review
総合 解像 歪曲 減光 透過 色収差 RF85mm F2 R 39 26 0.3 -1.4 2.2 2 FE85mm F1.4 7R4 49 47 0.1 -1.8 1.6 3 SP85mm F1.8 D850 48 44 0.1 -1.6 2.1 6 AF-S85mm F1.4 D850 46 35 0.2 -1.8 1.6 7 FE85mm F1.8 7R4 46 55 0.3 -2.0 2.0 5 AF-S85mmF1.8 D850 45 29 0.1 -1.7 2.0 4 EF85mmF1.8 5D4 31 21 0.4 -1.5 2.1 3 備考:テスト機の解像性能が異なり、総合スコアに大きく影響している点に注意
- レンズの紹介:
・2020年に発表された新しいポートレートレンズだ。
・一般的に85mmは最短撮影距離が0.85m、倍率が0.13倍となることが多い。しかしこのレンズは0.35mまで寄ることができ、0.5倍のハーフマクロを実現している。
・さらに5段分の光学手ぶれ補正を搭載している。R5やR6と組み合わせることで最大8段分の補正効果と言われている。- 全体的な評価
・EOS Rでテストしたところ、RF50mm F1.2LやRF28-70mm F2Lを上回る高い光学性能を実現している。
・特に全ての絞り値で高いシャープネスとなっているのが印象的だ。
・26Mpixの解像性能はEOS Rのセンサーで頭打ちとなっており、EOS R5のような高画素機で増加する。
・全体的に倍率色収差が低く、歪曲は極僅かだ。周辺減光は比較的少ない。
・価格を考慮すると非常に優れた性能だ。- 競合他社との比較
・α7R IVやD850はEOS Rと比べて高解像のため、R5でテストすることでスコアが伸びる可能性がある。
・古いEF85mm F1.8 USMを明らかに上回っており、特にシャープネスと倍率色収差、周辺減光が改善している。透過も良好だ。- 詳細な比較
・ソニー製レンズは解像度が似ているα7Rでテストした。
・FE85mm F1.8とSP85mm F1.8と比較する。
・RF85mm F2はフレーム全域で非常に高いシャープネスを実現している。特に絞り開放での性能が顕著だ。
・絞り開放の周辺部はFE85mm F1.8よりも良好である。
・F2.8-4まで絞ると、解像性能が少し良好なα7RやD800Eに装着したFE85mm F1.8やSP85mm F1.8が少し上回る。これは驚くべきことではない。
・キヤノンやソニーの非点収差は良好に補正されている。しかし、タムロンは特に良好だ。
・センサー解像性能の差を考慮すると、RF85mm F2がよりシャープなレンズである可能性が高いと思われる。
・倍率色収差の補正はF1.8レンズよりも絞り開放で少し良好だ。絞るとソニーは悪化するが、キヤノンは維持し続けている。
・キヤノンは0.3%の糸巻き型、ソニーは0.3%の樽型だ。どちらも問題無い収差量である。最も優れているのはタムロンだ。
・全てのレンズをF2で揃えても、キヤノンの周辺減光は他2本と比べて有利である。タムロンは非常に近いが、ソニーの減光は重めである。絞るとキヤノンはF4で解消するが、ソニーは絞っても解消することが無い。
・キヤノンはT2.2と優れた透過率だ。タムロンやソニーよりも明らかに透過率が高い。それでも開放F1.8のレンズの明るさには及ばない。総評
新しいEOS Rシステム用に超大口径でやや難解な「RF 85mm F1.2L」が登場した後、より手頃な価格でコンパクトなCanon RF 85mm F2 Macro IS STMは、コストと重量が参入の障壁となっていた初期のLシリーズの嫌悪感を和らげてくれるだろう。
高い評価を得ている「EF 85mm F1.8」のRFマウント版として、この新しいレンズには手ぶれ補正や近接性能などの興味深い利点がある。古いEFレンズの真の代替品としては非常に高い光学性能だ。
確かに開放F値が少し暗く、内筒は伸びるし、駆動方式はステッピングモーターだ。一部の潜在的な購買層は購入を躊躇う可能性がある。しかし、このレンズが高価なLシリーズモデルに代わる魅力的なレンズであることは否定できない。
とのこと。
各所で非常に高い評価を得ている中望遠レンズですね。発売から時間が経過しているものの、今でも納期1.5か月待ち。
テスト機が3000万画素のEOS Rであるため、6100万画素のα7R IVでテストしたFEレンズ群と比べてDXOスコアが低い点には注意が必要。
4500万画素のEOS R5や噂されている超高画素機に装着した場合に、どれほどスコアが伸びるのか気になるところですね。
少なくとも3000万画素のEOS Rで周辺部まで安定した解像性能を得られているのは凄い。倍率色収差や周辺減光も抑えられているので、非常に使い勝手の良い85mmとなることでしょう。
気を付けるとしたら、やはりフォーカスレンズの駆動方式でしょうか。前群繰り出し式のステッピングモーターを採用しているので、合焦速度は比較的遅め。特にピントがマクロ側に迷うと復帰まで時間がかかるかもしれません。幸いにもフォーカスリミッターを搭載しているので、積極的に活用したいところ。
RF85mm F2 Macro IS STM交換レンズデータベース
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