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2024年のカメラ・レンズの新製品を振り返る キヤノン編

今年もあとわずかとなってきたので、2024年に登場したキヤノン製品をおさらいするページを作成。

何が登場したのか?

他のメーカーを含めた一覧表は「2024年 カメラ・レンズの新製品・噂情報 早見表」を参照してください。

ミラーレスカメラ

カメラはレンズ交換式EOSシリーズのハイエンドモデルが2台登場。EOSを代表するフラッグシップモデルとメインストリームの「5」シリーズ最新モデルと力の入ったラインアップ。どちらも既存のDIGIC Xプロセッサを継承しつつ、大量データの高速処理を実現する「DIGIC Accelerator」を搭載。DIGIC Xと処理を分散することで、全方位的な性能の向上を実現しています。今後の新製品でも同様の組み合わせを見ることができるのか気になるところ。

交換レンズ

28-70mm F2.8を除けば動画撮影も意識した設計のレンズが多く登場。キヤノンとしては珍しい絞りリングを備え、パワーズームやフォーカスブリージングを抑えた設計など、ハイブリッドな撮影現場に利用できる製品となっています。また、APS-C向けのVR・3D撮影用レンズも登場しています。

その一方、一眼レフ用の交換レンズはディスコンが続いており、静止画向けの製品は減少しています。

それぞれの製品を振り返る

EOS R1

  • 発売日:2024年11月29日
  • 予約開始日:7月23日(火)10時00分
  • 希望小売価格:オープン
  • キヤノンオンラインショップ:108万9,000円

EOS R5 Mark IIと同時発表され、2024年11月に発売したEOS R フラッグシップモデル。

新開発の2400万画素積層型CMOSセンサーとDIGIC X + アクセラレータを搭載したミラーレス初となる「1」シリーズのEOS Rカメラ。解像度はEOS R3に引き続き2400万画素ですが、EOS-1D X Mark IIIで導入したGDローパスフィルタを採用。また、40コマ秒の高速連写や高速ローリングシャッター、高度な動画機能など基本性能が高いことに加え、撮影を補助する様々な機能が追加れています。

α9 IIIのようなグローバルシャッター搭載機ではないものの、AFシステムはクロスタイプAFをはじめ、アクション優先・登録人物優先モードなどの被写体検出をより使いやすくする機能を実装。また、EOS R3からブラッシュアップしたと言われる視線入力AFにも対応。基本的な精度を向上させつつ、被写体により賢く追従するカメラとなっています。α9 IIIとは別方向で使いやすさを追求。

EOS R5 Mark II

  • 発売日:2024年8月30日
  • 希望小売価格:オープン
  • キヤノンオンラインショップ:
    ・ボディ:65万4,500円
    レンズキット:80万8,500円
  • カメラのキタムラ:
    ・ボディ:589,050 円
    ・レンズキット:727,650 円

EOS R5の後継モデルとして2024年8月に発売。
キヤノン高解像センサーモデルとしては初となる積層型CMOSセンサーと視線入力AFシステムを搭載。プロセッサはEOS R1と同じく「DIGIC X + アクセラレータ」を採用。クロスタイプ位相差センサーではないものの、AFシステムやアルゴリズムはR1とよく似ています。連続撮影速度や動画機能も大幅に強化。

従来よりも高価な機種となってしまいましたが、強化された点を考慮すると妥当な値付けと言えるかもしれません。ニコンZ 8・Z 9やソニーα1 IIなどと競合する製品。

AFや連写性能を重視しなければEOS R5でも十分ですが、高解像かつAF・連写が必要となるシーンではキヤノンEOSシリーズにて最優先で検討したいカメラ。視線入力AF導入は時期尚早だったような気もしますが、使えないこともなく、Mark IIを選ぶ一つの動機付けになると思います。自身の環境で利用できるかどうか、事前に確認しておくことをおススメします。

管理人のレビュー

RF28-70mm F2.8 IS STM

  • 発売日:2024年9月27日
  • 希望小売価格:オープン
  • キヤノンオンラインショップ:188,100

キヤノンとしては珍しい非LシリーズのF2.8ズームレンズ。
広角28mm始まりで沈胴構造を採用しており、内筒を格納した全長が「RF24-105mm F4 L IS USM」よりも短いのが特徴。販売価格がシグマやタムロンほど安いとは言えないものの、それでも「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の半値に近い価格に抑えられています。手頃な価格でF2.8ズームを使ってみたい人にとって面白い選択肢となりそう。レンズフードは付属してほしかった。

光学性能は思いのほか良好で、24-105mm F4 Lと入れ替えようかと悩むくらいには悪くありません。解像性能に関してはむしろ良好。後ボケは状況によって騒がしくなるものの、悪くないレンズだと思います。

管理人のレビュー

RF70-200mm F2.8 L IS USM Z

  • 発売日:2024年11月下旬発売
  • 希望小売価格:オープン価格
  • キヤノンオンラインショップ:495,000

2024年11月発売のRFマウント用大口径望遠ズームレンズ。
既存の「RF70-200mm F2.8 L IS USM」と異なり、インナーズーム構造かつテレコンバージョンレンズ対応。さらに絞りリングと外付けのパワーズームアダプターにも対応し、動画撮影でも使いやすい。汎用性の高いズームレンズ。EOS Rユーザー待望、普通の70-200mm F2.8。面白いことにカラーバリエーションにも対応しており、スチルではお馴染みホワイトモデル加え、動画撮影で目立ちにくいブラックモデルを用意。

高機能の代償として販売価格が驚くほど高く、競合他社と見比べても遥かに高価な70-200mm F2.8となっているのが悩ましいところ。

RF24mm F1.4 L VCM

  • 発売日:2024年12月下旬
  • 希望小売価格:オープン価格
  • キヤノンオンラインショップ:253,000円

RF35mm F1.4 L VCMに続き登場したF1.4 L VCMシリーズの一つ。レンズサイズやコントロールレイアウトは同シリーズで統一され、どちらかと言えば動画撮影を意識して設計された印象が強い。スチル向けに「24mm F1.2」が登場するのかどうかは今のところ不明。静止画中心のレビューサイトとは相性が悪いのか、べた褒めするサイトが少ない印象あり。

現状で、他の選択肢が「RF24mm F1.8 Macro IS STM」しかないため、プロユースの24mmを探しているのであれば、これ一択。歪曲収差がカメラ・ソフト依存であるため、RAW現像環境に注意。

RF35mm F1.4 L VCM

  • 発売日:2024年7月上旬
  • 希望小売価格:オープン
  • キヤノンオンラインショップ:253,000円

キヤノンで初となるボイスコイルモーターを使用したAFを採用。さらにキヤノン製としては珍しい絞りリングを搭載した大口径の単焦点AFレンズ。絞りリングは動画でのみ使用可能(今後は徐々に静止画でも使えるようになる模様)。販売価格は20万円超ですが、それでも一眼レフ用「EF35mm F1.4L II USM(最近ディスコンとなりました)」より安い。

RFユーザーで35mm F1.4が必要であれば唯一無二の選択肢ですが、動画向けの機能が必要なければ、EFマウントの社外製「35mm F1.4 DG DN」「SP 35mm F/1.4 Di USD」などを価格的に検討するのも一つの手。

RF50mm F1.4 L VCM

  • 発売日:2024年12月下旬発売予定
  • 希望小売価格:オープン価格
  • キヤノンオンラインショップ:236,500円

RF24mm F1.4 L VCMと共に登場したレンズ。
レンズサイズやコントロールレイアウトは同シリーズで統一され、どちらかと言えば動画撮影を意識して設計された印象が強い。スチル向けの「RF50mm F1.2 L USM」がが既に存在するため、併せて検討する必要あり。ただし、1.5倍ほど高価。

RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE

他社にはない個性的な144° VRレンズ。フルサイズ用の「F5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」と比べると安く、少し軽い。Lシリーズと異なり防塵防滴仕様ではない点に注意。

RF-S7.8mm F4 STM DUAL

AppleがWWDC 2024カンファレンス中に紹介したレンズ。Apple Vision Proで視聴できる空間ビデオに対応する映像フォーマットに変換可能。このようなレンズが初めて登場するわけでは無いものの、Appleとタッグを組むことで技術開発のパイオニアとなれるのかどうか注目ですねえ。ただし、現時点で対応機種はEOS R7のみである点に注意。

2025年に期待すること

EOS R6 Mark III

時期尚早とは思いつつも、ネット上で噂されているのはEOS R6 Mark IIの後継モデル。
中価格帯の2400万画素モデルとしてはローリングシャッター性能が強みと言えないので、40コマ秒の高速電子シャッターの活用方法が限定されています。このあたりを強化した「Mark III」が登場するかもしれませんね。

EOS R3のような積層型CMOSセンサーや、ニコンZ6IIIのように部分積層型COMSセンサーを搭載すると、ローリングシャッター性能を改善できそうですが…真相やいかに。

EOS R APS-C

2024年はハイエンドモデルや大口径レンズなど、ボディもレンズも全力の年となりました。
ただし、APS-CはVRや3Dレンズのみ。APS-C カメラボディの性能や機能が陳腐化しているとは感じませんが、他社はそろそろ追い付き始めています。ボディの更新や新ラインアップの追加、レンズの拡充などを見てみたいところ。最近はシグマやタムロンがEOS APS-C市場に参入しているので、本家がどう動くのか注目。

レンズは?

  • 超望遠 F4 / F5.6 ズームレンズ
  • AF ティルトシフトレンズ
  • 広角 高倍率ズームレンズ

噂されているのはこのあたり。特に電動ティルトシフトレンズは大量の特許出願が公開されているため、何らかの研究開発が進行中である可能性は高い。AFに対応するのか、全てが電子制御で駆動できるのか、ズーム可能なのか…。

F4 / F5.6 超望遠ズームが注目されていますが、より身近なレンズの噂は「RF18-45mm F4-5.6 IS STM」のような高倍率の広角ズームレンズ。最近ではタムロン、パナソニック、ソニー、オリンパスなど、それぞれ個性的な焦点距離・F値の組み合わせで製品をリリースしています。登場したら、おそらく買うであろう製品。

購入早見表

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