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キヤノン「RF85mm F2 Macro IS STM」は手ごろな価格で優れた光学性能と汎用性を実現している

Admiring Lightがキヤノン「RF85mm F2 Macro IS STM」のレビューを公開。逆光耐性や周辺減光、接写時のAFなどが短所となるものの、手ごろな価格で優れた光学性能と汎用性を実現していると評価しています。

優れた光学性能と汎用性

Admiring Light:Review: Canon RF 85mm f/2 Macro IS STM

  • レンズの紹介
    ・EOS R用のポートレートレンズと言えば85mm F12.Lの非常に高価なレンズか、アダプター経由でEFレンズを使うしか選択肢が無かった。
    ・このレンズは599ドルでハーフマクロを利用できる優れた画質と高い汎用性を備えた全く別のレンズである。
  • ビルドクオリティ
    ・コンシューマーグレードらしいビルドクオリティだ。
    ・外装はポリカーボネート製で、マウントは金属製である。
    ・外装はLレンズとよく似ているが、部分的に大きな違いがある。プラスチック外装はLレンズよりも少し薄いように見え、防塵防滴仕様ではない。
    ・フォーカシングで前玉が伸びる設計だ。伸びる前玉は回転することが無いので偏光フィルターの使用で問題は無い。
    ・レンズフードは別売りだ。これはキヤノンに対する大きな不満の一つである。別売りの価格設定も馬鹿げている。
  • 携帯性
    ・適度なサイズで、EF85mm F1.8よりも直径が僅かに大きく、少し全長が長い。
    ・ハーフマクロに対応しているため、レンズが多少大きくなるのだろう。
    ・アダプター経由でEF85mm F1.8を使うよりも僅かに小さくなる。
    ・軽量なのでEOS R6との組み合わせでとてもバランスが良い。
  • 操作性
    ・左側面には3つのスイッチを搭載している。
    ・フォーカスリミッターはAFに問題ないことが多く、通常はFULLに設定している。
    ・フォーカスリングは滑らかに回転するが、抵抗は無い。
    ・ピント移動はリングの回転速度に応じて変化するが、カメラ側でリニアな動作に変更も可能だ。
    ・レンズ先端にはコントロールリングを搭載している。
  • オートフォーカス
    ・ギアタイプのステッピングモーター駆動を採用している。
    ・USM駆動と比べると少し遅くて、ノイズも多いが、レンズをコンパクトに保つのに役立つ。
    ・クローズアップから遠景へピントを切り替える際の動作は遅く、ノイズが発生する。
    ・マクロ以外でのフォーカシングはとても高速だ。
    ・動画撮影時はフォーカスが遅くなり、とても静かで滑らかに動作する。
    ・接近時は上手くいかないこともあるが、1m以上離れた被写体ではサーボAFでも簡単にピントを合わせることが出来る。
  • マニュアルフォーカス
    ・記載なし。
  • 手ぶれ補正
    ・EOS RPと組み合わせても1/5秒かで一貫してシャープな結果を得ることが出来た。これは公称値であり5段分に近い性能だ。
    ・EOS R6と組み合わせると、0.5秒前後で一貫したシャープな結果を得ることができる。そして1秒以上でもたまにシャープな結果を得ることが出来た。
    ・公称値である8段分には及ばないが、それでも全体的に優れた結果だ。
  • 解像性能
    ・とてもシャープなレンズだ。
    ・F2からフレームの90%でとてもシャープな描写となり、フレーム端が少しソフトとなる。
    ・F2.8からF4まで絞ると、四隅までシャープとなり、非常に優れたフレーム全体のシャープネスを得ることが出来る。
    ・近距離でも非常に優れたシャープネスを維持している。最短撮影距離でもほぼ同じ結果を得られる。
  • 像面湾曲
    ・記載なし。
  • ボケ・色・コントラスト
    ・ポートレートの場合、ボケはとても良好で全体的に滑らかだ。ただし、コントラストが少し高くなることがある。
    ・玉ボケは四隅に向かって楕円形となり、中央と比べるとサイズが小さくなる。騒がしい背景の場合はこれによりボケに緊張感が加わることがある。
    ・玉ボケの内側は滑らかで縁取りは目立たない。85mm F1.2Lほどクリーミーでは無いが、それでもボケ描写には満足している。
    ・色はニュートラルで彩度は優れている。
    ・コントラストはF2から優れており、パンチのある画質だ。
  • 色収差
    ・古い85mm F1.8は軸上色収差が弱点だったが、このレンズは優れた補正状態である。
    ・倍率色収差はごくわずかで、基本的に皆無だ。
  • 球面収差
    ・記載なし。
  • 歪曲収差
    ・無補正の場合は中程度の糸巻き型だ。
    ・歪曲収差の補正後でも良好なシャープネスである。
  • 周辺減光
    ・F2でかなり強い減光があるが、絞ると改善する。
    ・F4までに大きく改善するが、減光は残っている。
  • コマ収差
    ・記載なし。
  • 逆光耐性
    ・ぼちぼちの性能だ。
    ・フレア耐性は良好でコントラストの低下は最小限だ。
    ・明るい光源がフレーム内にあると、ゴーストが発生する。サイズは小さいが数が多いので気を付けたい。
  • 作例集

総評

RF 85mm F2は魅力的なレンズである。非常に良好な画質、光学手ぶれ補正、1:2の倍率までフォーカスする優れた汎用性を備えている。この汎用性とF2の明るさを兼ね備え、同じレンズでクローズアップからポートレート・風景すべてを撮影する能力を持つ。これは本当に私を引き付けるものだ。

中程度の距離で十分なフォーカス速度だが、クローズアップやクローズアップから遠景へフォーカスする際は少し遅くなることがある。逆光耐性や歪曲・周辺減光にも注意が必要だ。

599ドルの手ごろな価格でこの水準の光学性能と汎用性を実現しており、とても人気のあるレンズになると思う。グッジョブだキヤノン。

長所:良好なビルドクオリティ・遠距離で適度な速さのAF・優れた手ぶれ補正・フレーム全体の優れたシャープネス・良好なボケ・優れた色収差補正・優れた色とコントラスト

短所:AFが遅くてノイジー・逆光耐性・F2の周辺減光・糸巻き型歪曲・レンズフードが別売り

とのこと。
F2の明るさとハーフマクロの接写性能を両立した珍しい中望遠レンズですね。EF85mm F1.8と比べると高価ですが、機能性を考慮すると妥当な価格設定のように見えます。

他のレビューサイトでも評価されている通り、接写でも良好なシャープネスを実現している模様。ボケは柔らかい描写ではありませんが、悪目立ちしないようです。Flickrなどのユーザー投稿を確認しても、まずまず良好なボケ描写に見えます。

色収差は良好に補正されており、歪曲収差や周辺減光は簡単に補正できるので大きな問題は無さそうです。敢えて言えば防塵防滴、せめて簡易防滴あたりは導入して欲しかったところ。レンズフードもそろそろ同梱して欲しいですねえ。

発売から数か月経ちますが、今でも納期は1.5か月待ち。RFレンズ全般が品不足であり、このレンズも例外ではありません。来年の春先に使いたいのであれば、早めに注文しておいたほうが良さそうです。

RF85mm F2 Macro IS STM交換レンズデータベース

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