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EOS R5 ISO感度別の画質をチェックする

このページではキヤノン「EOS R5」のRAW・JPEG各種ノイズリダクションを使い、ISO感度別の画質をチェック・レビューしています。

ISO感度別の画質テスト

解像性能テスト・環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R5・Z 7・EOS R・α7 III
  • 交換レンズ:70mm F2.8 DG MACRO(for Canon EF)・各種レンズアダプタ
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAWファイルを使用
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 今回はレンズテストでは無いので中央チャートのみ使用

解像性能テスト・結果

今回の解像力チャートで確認する限り、パフォーマンスのピークを維持しているのはISO 800まで。高解像レンズを最大限活かすつもりであればISO100~800を使うと良いでしょう。
それ以降はISO 6400まで緩やかに下降し、ISO12800?ISO25600で解像性能の低下が大きくなります。とは言え、ISO25600でも「3500」を維持しているので、画像処理次第で問題ない解像性能と感じるはず。
競合他社の4200?4500万画素センサーと比べて低感度時に安定したパフォーマンスを発揮。これはローパスフィルターによってモアレや偽色が抑えられているためだと思われます。(詳細は解像性能比較を参照してください)高感度使用時の落ち込みも裏面照射型CMOSのZ 7よりも良好な状態を維持している模様。(ただし、あくまでも解像力テストの結果なので実写では違った結果と感じるかもしれません)
全体的にEOS Rやα7 IIIなど低画素センサーよりも高解像な状態を維持しているので、超高感度域に達するまで高画素センサーの恩恵あり。画質の均質性では低画素センサーのほうが安定しています。(ISO感度による解像度の落ち込みが少ない)

実写で確認

やはりISO800までは快適な解像性能に見え、ISO3200まではノイズフリーと感じます。ISO6400以降はカラーノイズが目立ち始めるのでRAW現像時は注意が必要。特にISO25600~51200ではカラーノイズの影響が強くなるので、極力避けて使いたい。

JPEG ノイズリダクション

同じテスト環境にて、RAW・JPEG(スタンダード初期設定・ノイズリダクションOFF?強)でテストしたのが以下の作例。ファイルサイズが3MB超えているので表示に時間がかかるかもしれません。

ISO 6400?12800以降はRAWでカラーノイズが混じり始めるのでノイズ補正は必須。JPEGの場合、ノイズリダクションがオフ設定でもカラーノイズは補正されているので心配する必要はありません。輝度ノイズは良く抑えられていますが、カラーノイズの影響でマイクロコントラストが低下しているように見えます。
JPEGはノイズリダクションを強めることで輝度ノイズが徐々に消えてゆくことが分かります。「強」では輝度ノイズが綺麗に消えていますが、細部が滲んでしまい高画素機の長所が失われている感あり。細部の解像感が気にならなければ、ノイズが綺麗に消えているのでISO51200まで使おうと思えば使えちゃう印象。L判やウェブでの使用が前提であればノイズリダクション強めで良いかもしれません。

JPEG ノイズリダクション その2

グレイスケールやカラーチャートを使いISO感度別で撮影、解像力チャートと同じクロップサイズで切り抜いたのが以下の作例群です。どれもファイルサイズが大きいので別ページで開くのがおススメ。

カラーチャートではISO6400付近からカラーノイズが目立ちはじめ、ISO12800~51200ではかなり目立つのが分かります。JPEGはノイズリダクションオフ設定でもカラーノイズが補正されているため問題ありませんが、ISO25600?51200ではシャドウ側の色被りが目立つようになります。ISO12800まではノイズリダクションOFFか弱設定、ISO25600で好みが分かれ、ISO51200でノイズリダクション標準?強設定がおススメと言ったところでしょうか。
中間トーンでISO1600でもノイズが発生しているように見えますが、これはレンズの解像性能が高すぎることにより発生しているモアレです。(カラーチャートがベタ塗りでは無いため。ISO100でも発生しています)

中国紙幣のクロップを確認してみると、ハイライト側の諧調はISO51200まで良好な状態を維持しており、思っていたよりも解像感が残っています。解像重視であれば、ノイズリダクションはOFF?弱設定がおススメ。RAW現像時はカラーノイズを抑えるだけでうまく処理できそう。

ISO感度別のカラーチャート

ISO100?51200までの作例からカラーチャート部を切り出した作例がコチラ。

ご覧の通り、常用ISO感度で色の変化はほとんどありません。解像感を重視しない場合、ISO51200まで快適に利用できると思います。細かいことを言えば、カラーノイズが増加するISO12800~51200で色味が若干変化するので注意が必要。

ISO感度別のグレイスケール

ISO100?51200までの作例からグレイスケール部を切り出した作例がコチラ。

カラーチャートと同じくISO100~6400で安定した描写であり、ISO12800以降でカラーノイズの影響が強くなっていることが分かります。画質重視の場合はISO6400までを使うのが良さそう。ISO128000~51200は緊急用。

総評

ココがポイント

  • 最高の解像性能:ISO100~800
  • 許容できる解像性能:ISO100~51200
  • ノイズフリー(NR必要無し):ISO100?3200
  • 安定した発色:ISO100?6400
  • 緊急用:ISO12800~51200

ひと昔前のキヤノンセンサーを考えると、高画素と高感度がうまく両立できていると感じます。とは言え、レンズの解像性能を最大限活かしたいのであれば、ISO100~800付近を使うのがおススメ。特に解像性能の低下が気にならない場合、最高感度「ISO51200」でも高感度に強い低画素センサーと同等の解像度を得ることができます。
RAW現像時のノイズが気になる場合はISO3200までを使うと良いでしょう。基本的にカラーノイズや輝度ノイズに悩まされないRAW現像を楽しむことが出来ると思います。(ただしダイナミックレンジは狭くなるので適正露出で撮影することが前提)
発色を重視する場合はISO6400までを意識し、ISO12800以上は避けたほうが良いでしょう。カラーノイズが増大するため、ISO12800~51200は緊急用。とは言え、極端に画質が低下する訳では無いので、小サイズのプリントやウェブでの使用ならば全く問題ない可能性あり。

今回使用した機材

EOS R5
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