このページではソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」のレビュー第四弾を公開。今回は焦点距離やピント位置ごとの周辺減光や、逆光耐性についてチェックしています。
FE 24-105mm F4 G OSS レビュー 一覧
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周辺減光
周辺減光とは?
周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。
ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。
実写で確認
24mm(無限遠:最短撮影距離)
無限遠に加えて最短撮影距離でも目立つ光量落ちが発生する。ただし、これは歪曲収差の補正前であり、歪曲収差の補正時に隅がトリミングされ、実写での影響は軽減される。無限遠側の隅はケラレのような黒い領域が残るので、気になる場合は歪曲収差の補正が必須だ。カメラ側で周辺減光の補正も可能だが、1~2段絞ることで物理的に周辺減光が解消する。
35mm(無限遠:最短撮影距離)
24mmと比べると周辺減光の影響が低下し、絞り開放のF4でも穏やかな光量落ちだ。さらに1段絞るとほとんど解消する。RAWでも隅のケラレは見られない。
50mm(無限遠:最短撮影距離)
ほとんど35mmと同じ傾向だ。
70mm(無限遠:最短撮影距離)
35mmや50mmと同じく周辺減光の影響はほとんど無い。
105mm(無限遠:最短撮影距離)
最短撮影距離では問題ないものの、無限遠側で目立つ周辺減光が発生する。105mmの無限遠側でF4を使う機会は少ないと思われ、さらに絞ると解消することから過度に心配する必要は無い。
逆光耐性・光条
実写で確認
24mm
強い光源が中央付近にある場合、目立つゴーストが大量に発生する。標準ズームでゴーストを回避するのは難しいが、それにしても影響する範囲が広く、ゴーストの数も多い。競合他社と比べても見劣りするポイントだ。絞るとフレアは少し抑えられるが、ゴーストは絞り値全域で目に付く。
光源を隅に移動すると影響量は少なくなるが、それでもゴーストは絞り開放から存在する。さらに絞ると隠れていたゴーストまで顕在化し、実写ではゴーストの後処理が難しい。幸いにも不快なゴーストの描写ではなく、これはこれでアリ。さらに他社と違ってRGBカラーフィルターの反射が少なく、悪目立ちしないのはGood。
50mm
基本的に24mmと同じ傾向だ。光源周辺のRGB反射は少ないが、絞り開放から目立つゴーストやフレアが発生する。
フレーム隅でもフレアやゴーストの影響を完全には回避できない。
105mm
広角や中間域と比べると逆光時の影響が少なく、使いやすくなった印象を受ける。ニコンほどではないが、フレアやゴーストの耐性はキヤノン(の望遠側)よりも良好だ。
フレアやゴーストの影響が良く抑えられている。
光条
絞り羽根の枚数は9枚で、絞ると18本の光条が発生する。光条はF8付近から生成されはじめるが、シャープな描写を期待する場合はF16付近まで絞る必要がある。
まとめ
このレンズは特に広角側の逆光耐性がイマイチなので、風景などで24mmを使う際には注意が必要だ。絞り開放時はフレアとして、絞ると大量のゴーストが発生する。競合他社と見比べてもパフォーマンスは悪い。その反面、望遠側では比較的良好な結果を期待できる、
実写ではどうかというと、やはり24mmはゴーストが邪魔になる可能性が高い。逆光時の影響をアクセントとして利用できる人以外はどうにかして逆光時の対策が必要となる。
周辺減光は24mmや105mmの絞り開放で目に付く場合もあるが、歪曲収差や周辺減光の補正を利用することで問題を感じる場面は少なくなる。場合によって(周辺減光の補正が)ノイズ増の原因となる場合もあるが、状況は限られていると思う(夜景・星景など)。
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