シグマ「150-600mm F5-6.3」「200-800mm F5-6.3」「80-600mm F5-6.3」を想定したような光学系の特許出願

2024年1月10日付けでシグマの気になる特許出願が公開。「150-600mm F5-6.3 DG DN OS」用と思われますが、中には「80-600mm F5-6.3」「200-800mm F5-6.3」にもなりそうな実施例が含まれていますね。

概要

【公開番号】P2024000053

【公開日】2024-01-05

【発明の名称】変倍結像光学系

【出願日】2022-06-20

【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ

【課題】小型化と軽量化を実現しながら、変倍時の倍率色収差と軸上色収差を抑え、合焦時の高速化と近距離での性能低下を抑えたフォーカシングを有し、ズーム全域にわたり無限遠から至近まで良好な光学性能を備えた変倍結像光学系を提供する

【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやビデオカメラ等のミラーレス化が進むと同時に、スマートフォンやモバイルデータ端末に高性能なカメラが搭載されるようになり、デジタルカメラやビデオカメラにはそれらのモバイル機器と差別化を図るため、超望遠域のズームレンズへの需要が高まっている。

【0003】
また近年のデジタルカメラやビデオカメラは撮像素子の高画素化が一段と進み、撮像光学系に対する高性能化の要求は一段と増している。

実施例1

焦点距離：154.50-577.80

F値：4.70-6.46

画角：15.56-4.18

像高：21.63

全長：300.00-420.00

実施例7

焦点距離：200.00-776.00

F値：4.70-6.46

画角：12.05-3.12

像高：21.63

全長：360.00-470.00

実施例9

焦点距離：82.40-577.80

F値：4.71-6.47

画角：30.29-4.18

像高：21.63

全長：290.00-400.00

数多くの実施例が含まれていますが、大半は「150-600mm F5-6.3 DG DN OS」用と思われるような構成・パラメータとなっています。中にはマルチフォーカスの光学系もありますが、商品化されたレンズにそのような売り文句はありません。おそらく単一の小型軽量なフォーカスレンズをステッピングモーターで動かす実施例が採用されたのかなと予想。

興味深いことに、実施例の中には「80-600mm F5-6.3」「200-800mm F5-6.3」を想定したかのようなパラメータの光学系が含まれています。画角の広い600mmズームや、800mm F6.3をカバーする超望遠ズームレンズは便利そうですね。200-800mmを携帯するのは現実的ではないかもしれませんが、80-600mmは現実的なサイズを維持している模様。と言っても、高倍率の600mmズームは既に「60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS」が商品化しています。

シグマの公開された特許出願は既に商品化されたものが多い。また、商品化前に公開された特許出願の光学系が将来的に実現したという話は聞いたことがありません。あまり期待しないほうが良いでしょう。

ただ、出願日が「2022-06-20」となっているので、将来的にマルチフォーカスの「150-600mm HLA」が登場する可能性はあるかも？（現行モデルが発売されたのは2021年）

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Numerous examples are included, but most are configured and parameterized as if they were for the 150-600mm F5-6.3 DG DN OS. Some of the lenses have multi-focus optics, but there is no such sales pitch in the commercialized lenses. I expect that perhaps an example of a single, small, lightweight focus lens driven by a stepping motor was used.

Interestingly, the examples include optics with parameters that seem to be intended for the 80-600mm F5-6.3 and 200-800mm F5-6.3 lenses. A 600mm zoom lens with a wide angle of view and a super-telephoto zoom lens covering 800mm F6.3 would be useful; carrying a 200-800mm may not be practical, but the 80-600mm appears to maintain a realistic size. That said, the 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS is already commercialized as a high-power 600mm zoom.

Many of Sigma's published patent applications have already been commercialized. Also, I have not heard of any future realization of optics in patent applications published before commercialization. You should not expect too much.

However, since the application date is "2022-06-20", is there a possibility that a multi-focus "150-600mm HLA" may appear in the future? (The current model was launched in 2021)

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