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シグマの4/3型センサー向け「42.5mm F1.4」光学系の特許出願

2023年3月14日付けでシグマの気になる特許出願が公開。4/3センサー向けの「42.5mm F1.4」光学系に関する特許のようです。ここ最近は4/3センサー向けの光学系特許が多いですねえ。

概要

  • 【公開番号】P2023036236
  • 【公開日】2023-03-14
  • 【発明の名称】インナーフォーカス光学系
  • 【出願日】2021-09-02
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】フォーカスレンズ群が軽量で、またフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向へ微少振動(ウオブリング)させた際の像高変化率が小さく、F値が1.4と明るく、35mm判換算焦点距離で80mm近辺、中望遠程度の画角を有するインナーフォーカス光学系を提供する。
  • 【0001】
    本発明は、スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に用いる撮影レンズに好適な光学系に関し、オートフォーカスカメラに適したインナーフォーカス方式を採用し、またフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向への微少振動(ウオブリング)させた際の像高変化率が小さく、F値が1.4と明るく、35mm判換算焦点距離で80mm近辺、中望遠程度の画角を有するインナーフォーカス光学系に関するものである。
  • 【0002】
    中望遠程度の画角の撮影レンズは、標準画角の撮影レンズに対し焦点距離が長いため光学全長が大きくなる傾向がある。また、超望遠レンズに対しては画角が広いため、画角に関する収差補正を行おうとすると望遠比が大きくなる傾向にある。また、中望遠程度の画角の撮影レンズは、ボケを用いた撮影表現ができることを期待するユーザーが多く、大口径の撮影レンズが望まれている。しかし、大口径化を行うと入射瞳が大きくなるため球面収差等を補正することが難しくなる。これらより良好な性能を実現しつつ小型化することが課題となる。
  • 【0003】
    また近年台頭しているミラーレス一眼タイプのカメラは動画撮影にも頻繁に使用されるため、そのオートフォーカス方式に、フォーカスレンズ群を光軸に沿う方向へ微少振動(ウオブリング)させ続けることで、常にフォーカス駆動方向を判断し続ける形式のインナーフォーカス方式が採用されることが多い。その際、ウオブリング時の像高変化率が大きいと、鑑賞者が画面に映る被写体の倍率変動を認識し、目障りに感じてしまうため、フォーカス変化に対し像高変化率が小さいフォーカス方式を必要としている。

実施例1

  • 焦点距離:43.13
  • F値:1.47
  • 画角:28.71
  • 像高:11.15
  • 全長:60.00

最近、シグマの4/3センサー向け光学系に関する特許出願の公開が多く(下部に参考リンクを掲載)、今回も4/3センサー向けと思われる「42.5mm F1.4」を想定したかのような実施例となっています。シグマはオリンパスやパナソニック向けのOEMレンズを投入していると思われますが、このようなパラメータ・レンズ構成の製品は存在していません。新しいレンズに関する一案なのか、それとも?

シグマはCP+2023にてマイクロフォーサーズ向けの専用レンズについて開発はしていないと言及しています。実際、マイクロフォーサーズの需要は低下していると言われており、シグマが専用レンズを投入する可能性は低いでしょう。APS-C用交換レンズを投入する可能性はありますが、今回の光学系では像高が足りません。

可能性があるとすればOMデジタル、もしくはパナソニック向けのOEMでしょうか?(M.ZUIKO PRO、LEICA DGの新モデル)特にパナソニックの「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.」は登場から10年が経過しようとしており、リニューアルされてもおかしくない頃合いです。
と言っても、シグマが製品化前の光学系を特許出願として公開する例は珍しく、今回の実施例が製品化する可能性は限りなく低い。あまり期待しないほうが良いでしょう。
(そもそも論として、4/3センサー向けの光学系でもマイクロフォーサーズ用とは限りません)

シグマ DG DN レンズ一覧

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