Dustin Abbottがタムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」のレビューを公開。小型軽量ながらズーム全域で優れた光学性能を備え、コマ収差も良好に補正していると高く評価しています。
Dustin Abbott:Tamron 20-40mm F2.8 VXD (A062) Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- いくつかの最新タムロンレンズほど機能的ではないが、高級感のある仕上がりや傷がつきにくい外装は継承している。
- 外装は金属製に見えるがプラスチックである。
- 各所にシーリングが施されており、前面はフッ素コーティング処理されている。
- USB-Cポートを搭載しているので、レンズのファームウェアアップデートやカスタマイズが可能だ。
- 花形のしっかりとした作りのレンズフードが付属する。
- APS-C用としても30-60mmズームレンズとして機能する。
携帯性:
- 考え得る競合レンズの中では最小・最軽量だ。
- ハイキングや旅行に持っていくのがかなり楽である。
- ズーム操作で全長は少し伸びる。望遠側で最短、広角側で最も長くなる。
操作性:
- フォーカスリングは滑らかに回転するが少し軽く感じる。
- フォーカスリングはカスタマイズでレスポンスをリニア・ノンリニアに設定可能だ。
- ズームリングはとても良好なトルクで滑らかに回転する。
フォーカス:
- VXD駆動で動作する。
- テスト全体を通して正確な結果が得られ、被写体に関係なく良好な追従性を示した。
- 動作撮影でも肯定的な結果が得られた。
- 広角側で0.26倍の撮影倍率が得られ、望遠側で0.20倍となる。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 17-28mm F2.8に引けを取らない解像性能だ。
- 20mmからフレーム全域でシャープである。絞っても改善はほとんど見られない。
- 24mmは良好な中央とフレーム端のパフォーマンスを発揮する。隅はソフトだが、F5.6までに全体的に改善する。
- 28mmもほぼ同じ結果となる。
- 35mmは少しソフトだが、フレーム隅を除けば少し絞るとシャープな結果が得られる。
- 40mmの結果も非常に良く似ている。隅の端を除けば良好な結果を得ることが出来る。F8まで絞るとさらに少し改善する。
- F5.6まで絞ると、フレーム全域で非常にシャープな風景写真を撮影可能だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズとしては非常に良好だ。
- 適度に柔らかい描写だ。
- 9枚円形絞りで2段ほど絞っても円形を維持している。
- とても良好な発色である。
色収差:
- 軸上色収差は最小限であり、心配するほどではない。
- 倍率色収差は非常に少なく、厳しい状況にも耐用できるだろう。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 20mmで過度ではないが樽型の歪曲収差が発生する。形状は少し複雑だ。
- 40mmは糸巻き型歪曲へと変化するが、リニアな変形で修正は簡単だ。
周辺減光:
- 20mmの周辺減光は2段ほどの補正量が必要だ。
コマ収差:
- フレーム隅でも滲みはほとんど見られない。
- ここ最近のテストしてきたレンズの中では優れた天体撮影レンズだ。
逆光耐性:
- 少なくとも絞り開放ではゴーストが少なく、フレアにも強い。
- F11のように小絞りを使うと、明るい条件で顕著なフレアが発生する。
総評
歓迎すべき広角ズームレンズだ。しっかりとした作りで、耐候性を備え、小型軽量だ。間違いなく価値のあるレンズだが、にも関わらず699ドルである。さらに強力なAFと光学性能が加わり、多くのフォトグラファーにとって有益なレンズとなるだろう。それに天体撮影にも適している。従来の広角ズームに取って代わる個性的なレンズだ。
- 長所:
・個性的なズームレンジ
・小型軽量
・簡易防滴
・VXD駆動の高速で正確なAF
・コマ収差補正
・穏やかな歪曲収差と周辺減光
・色収差補正
・全域で良好なシャープネス
・接写性能
・素敵なボケ
・USB-Cポート- 短所:
・小絞りでややフレア気味
・20mmで複雑な歪曲収差
とのこと。
広角20mmから標準40mmまでをカバーした珍しいズームレンズですね。広角ズーム・標準ズームと比べるとどっちつかずなズーム域ですが、超広角や中望遠を妥協できるのであれば便利なズーム域をカバーしたレンズを感じるかもしれません。個人的にも風景からカジュアルな行楽写真まで様々な状況で活用できるレンズと考えています。
小型軽量ながら耐候性を備え、VXD駆動による高速AFにも対応しています。Dustin Abbott氏のレビューによると光学性能も全体的に良好となっており、この手のレンズによくある歪曲収差も光学的に比較的良好な補正状態となっている模様。コマ収差も良好に補正されているらしいので天体撮影やイルミネーションシーンでも役に立つレンズと言えるかもしれません。私も一つ予約しているので、手元に届き次第レビュー予定です。
タムロン 20-40mm F/2.8 Di III VXD 最新情報まとめ
20-40mm F/2.8 Di III VXD | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2022年10月27日 | 初値 | 87,120円 |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.17-0.29m |
フォーマット | 35mm | 最大撮影倍率 | 1:3.8-1:5.1 |
焦点距離 | 20-40mm | フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 11群12枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F2.8 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | BBAR-G2 |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ74.4×86.5mm | 防塵防滴 | 簡易防滴 |
重量 | 365g | AF | VXD |
その他 | USB-Cポート | ||
付属品 | |||
レンズフード |
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