Mobile01がシグマ「85mm F1.4 DG DN」のレビューを公開。小型軽量ながら優れた画質で低価格。多くの人にとって、ソニーGMに取って代わる選択肢と評価しています。ただし、AF-Cのレスポンスは純正が良好である模様。
小型軽量ながら優れたポートレートレンズ
Mobile01:Sigma 85mm f/1.4 DG DN Art 評測報告|大光圈人像鏡也能如此輕巧!
- 85mm F1.4 DG DN Artは今のところ2020年に登場した単焦点で最も優れたシグマレンズだ。驚くべきは焦点距離や絞り値では無く、「85mm F1.4 DG HSM」と比較して全長が1/3、重量が1/2まで削減されていることだ。
- 円形レンズフード・77mmレンズキャップ・マウントキャップ・レンズポーチが付属する。
- 最初にこのレンズを見た時、十分な光学性能を得るのが難しいレンズサイズに見えた。サイズは82.8×96.1mm、重量はわずか625gである。
- それにも関わらず、レンズのビルドクオリティには妥協が見られない。周囲の外装は強化プラスチック、マウント周辺が金属製だ。実用的な防塵防滴仕様である点も見逃せない。
- レンズ構成はSLD5枚と非球面レンズ1枚を含む11群15枚だ。さらに11枚の絞り羽根で柔らかいボケ味を実現している。
- フードは特殊な素材を使用しており、上半分はマットブラック、下半分はゴムのような素材でコーティングされている。フードはリリースボタンを備えており、ロックを解除するにはボタンを押す必要がある。
- 最短撮影距離は0.85m、最大撮影倍率は0.12倍と地味に見える。しかし、α7RIVのような高解像カメラで撮影後のクロップに耐えることが出来る高解像レンズに仕上がっている。
- 絞りリングには「A」ポジションでロックするためのスイッチが存在する。うっかり絞りリングを回転させてしまう誤操作を防ぐことが可能だ。
- 絞りリングを使う際は1/3段ごとに動作する。クリックを解除して無段階操作も可能だ。
- レンズには「AF/MFスイッチ」「AFLボタン」がある。AELボタンはボディ側のカスタマイズで別の機能に変更可能だ。
- レンズマウントは金属製で周囲は防塵防滴用のゴムシーリングが見える。内部も防塵防滴構造となっており、過酷な環境での撮影が多い場合はゴムリングを定期的に点検することをおススメする。
- α7R IIIと組み合わせた際の重量は1282gだ。バランスが取れており、長時間の手持ち撮影でも問題ない。
- オートフォーカスは超音波モーターではなくステッピングモーター駆動を採用している。フォーカス速度は十分と言えないが、ステッピングモーター駆動の滑らかさは動画に最適だ。
- Artシリーズの名に恥じない光学性能だ。F1.4の絞り開放からF11まで中央・周辺部どちらも非常にシャープで豊かなディテールを備えている。
- お借りした個体はプリプロダクションモデルであり、補正用プロファイルが登録されていない。このため、周辺減光の問題は特に目立つ。
- 色収差はF1.4でわずかにパープルフリンジが発生し、F2まで絞ればほぼ完璧に抑えることが出来る。倍率色収差は見当たらない。逆光ポートレートで優れた色収差補正が光るはずだ。
- 逆光耐性はプリプロダクションモデルのためか絞るとフレアが発生しやすい。このカテゴリは製品版で確認して欲しい。
- 光条はF4-5.6で徐々に発生し始める。小絞りでは22本の光条が発生する。
- 玉ボケは口径食の影響を受けるが、F1.8まで絞ると大きく改善する。
- コマ収差の問題は全くない。
このレンズ最大の強みはサイズと画質だ。
過去の「85mm F1.4 DG HSM」はまさしく「Bigma」であり、レンズ重量は1kgを超えている。一眼レフと組み合わせると、本当に手持ち撮影が辛いものだった。
その一方、このレンズは使うのが楽しく、F1.4の浅い被写界深度を気軽に利用することが出来る。絞り開放の解像感も良く、GMに取って代わることも不可能ではないだろう。この新しいレンズを選ぶ人も多いはずだ。純正レンズとの違いはオートフォーカスだ。単焦点の使い方だと気が付かないかもしれないが、AF-Cの追従フォーカスを利用すると近接から遠景までの応答性が遅いと感じる。
とのこと。
プロダクションモデルのため、フォーカス速度は改善される可能性があります。とは言え、これまでのシグマレンズを見る限りでは純正ほどのレスポンスとはならないかもしれません。
妥協点と言えばそれくらいで、解像性能・ボケ・諸収差の補正はとても良好みたいですね。特に作例を見る限り、大口径ながら色収差が非常に少なく見えるのがGood。特殊レンズを贅沢に使っているだけの事はあるようです。ただし、カメラで補正できる収差「歪曲」「減光」はいくらか修正が必要に見えます。特にプリプロダクションモデルで補正が効かないためか、四隅の減光がかなり目立つ模様。補正で回復可能ですが、場合によってノイズが増える可能性があるため気を付けたいところ。
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