Dustin Abbottがサムヤン「AF 50mm F1.4 II」のレビューを公開。小型軽量ながら、Planar 50mm F1.4 ZAよりも良好な中央解像性能を発揮し、絞れば周辺部も互角になるとのこと。
Dustin Abbott:Samyang AF 50mm F1.4 II Review
外観・構造:
- AF 12mm F2がそうだったように、デザインが進化している。
- フォーカスリング表面デザインに変化が見られ、サムヤンの赤いリングが無くなっている。この結果、すっきりとしたモダンなデザインとなっている。
- 防塵防滴仕様である。
- 花形のプラスチック製レンズフードが付属する。ロック機構は無い。
- 本体の外装はエンジニアリングプラスチックだ。ビルドクオリティはしっかりとしているが、際立ったものではない。
- フィルターは72mm径に対応している。
- 9枚の絞り羽根は良好な円形だ。
- レンズ構成は8群11枚で、そのうち2枚の非球面レンズと3枚の高屈折レンズ、1枚の低分散レンズを使用している。
携帯性:
- 50mm F1.4としてはおどろくほど小型軽量だ。
- 直径80.1mm、全長88.9mmで、重量は420gと非常に軽い。
- FE 35mm F1.4 GMよりも小さいので驚いた。
- 旧モデルと比べて小型軽量である。より優れた光学系と防塵防滴仕様を採用していることを考えると見事である。
操作性:
- Lensstationにてカスタマイズが可能なスイッチを搭載している。私はM1で絞りリング、M2でMFとして使うことが出来るように設定している。
- カスタマイズ可能なAFLボタンも搭載している。
- フォーカスリングは幅広く、良好なグリップだ。かなり重めだが滑らかに回転する。
- フォーカスリングのレスポンスはリニアであるように見える。再現性は良好だが、動画撮影には長すぎる(ピント全域を移動するには5回転必要)。
フォーカス:
- 最短撮影距離は40cmで、撮影倍率は0.16倍だ。
- ステッピングモーター駆動で動作する。第一世代よりも遥かに滑らかで静かなモーターだ。
- 動画撮影中にハンチングなどは目立たず、ピントをしっかりと固定していた。
- 静止画時のピント精度も非常に満足のいくものだ。
- α1との組み合わせで一貫した精度を実現している。
- フォーカスモーターは完全に無音では無く、かすかに音が聞こえる。
- 近距離から遠景にフォーカスが移動する際はリニアモーターほど高速移動は出来ない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 5000万画素のα1でも全体的に見栄えの良い画質だ。
- 中央はPlanarよりも良好だが、隅はPlanarのほうが少し良好だ。
- F2まで絞るとサムヤンはさらに中央が良くなるが、Planarは周辺部や隅がさらに良好となる。
- F2.8まで絞ると全体的にシャープとなり、中央はサムヤンが少しリードし、周辺部で互角となる。
- F1.2 GMと比較すると、中央は互角だが隅に向かうにつれて差が大きくなる。絞るとさらに差が広がる。
- GMほどではないが、恥じる必要のない光学性能だ。
- 接写時はGMレンズほどコントラストが高くない。
像面湾曲:
- 接写時はGMレンズほど像面湾曲の補正が良好ではない。
ボケ:
- 玉ボケは綺麗な円形で柔らかい描写だ。縁取りに色づきが見られるものの、騒がしい描写ではない。
- このレンズでボケが騒がしくなる環境に遭遇したことが無い。
- 光透過率はPlanarよりも良好だ。
色収差:
- 倍率色収差は僅かだ。
- 軸上色収差は穏やかな色付きがあるものの、不快な色収差は無かった。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 極僅かな糸巻き型だ。
周辺減光:
- 隅にはー3EVの目立つ光量落ちが発生している。
- 既に補正用のプロファイルが存在するので修正は簡単だ。
- 残念ながらカメラ出量のJPEGでは自動補正されない。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光時にコントラストを良く維持している。
- 絞っても問題はない。
- 強烈な逆光時に少しベールが見られるものの、欠点と言うよりは強みとなる描写に見える。
総評
ソニーEマウントにおける50mm F1.4の選択肢はまだ多くない。その中でサムヤンが50mm F1.4を見直し、再設計したレンズをリリースしたことは嬉しく思う。この価格帯に最も近いレンズは、シグマ「50mm F1.4 DG HSM Art」だが、一眼レフ用の設計だ。 光学的には良いレンズだが、重さは2倍以上、長さは40%も違う。 サムヤンAF 50mm F1.4 IIのコンパクトで軽量なデザインに加えて、素敵な造りと充実した機能を備えていることは、私の中では勝利の組み合わせと言える。
否定的な意見はとても少ない。 フォーカスにもう少しトルクが欲しいと感じる場面がいくつかあったので(主に動画用途で)、デュアルモーターAFシステムをこのレンズに投入して欲しかった。また、私の好みとしてはMFリングのストロークが少し長いと感じた。
しかし、これらは、ほとんど些細な問題だ。オートフォーカス性能は良好で、レンズの物理的なデザインとサイズが気に入り、光学性能はこれまでテストしてきた最高の50mmのいくつかにかなり匹敵するものだと思う。
700ドルという価格は文句なしの価値があり、このレンズが多くのユーザーに愛用されない理由はないと思う。このレンズに続いて135mm F1.8を出すと噂されているが、もし彼らがこのレンズと同じようなコンセプトで価格を1000ドル以下に抑えることができれば、ポートレート写真家の間で人気が出ることだろう。今後のリリースを楽しみにしている。
そして今、私は個人的な難問を抱えている。すでに所有している優れたPlanar 50mm F1.4 ZAを持ち続けるべきか、それとも代わりにサムヤンを追加するか? 悩ましい選択肢だ。
- 長所:
・素晴らしいビルドクオリティ
・防塵防滴
・滑らかなMFリング
・カスタムスイッチ
・小型軽量
・静かで効果的なAF
・絞り開放から良好な中央シャープネス
・絞った際に全体的にシャープ
・素敵なボケ
・強力な逆光耐性
・優れたコストパフォーマンス- 短所:
・MFリングのストロークが長すぎる
・AFモーターのトルク
とのこと。
FE 55mm F1.8 ZAと同程度の価格設定で手に入る、小型軽量なF1.4レンズ。比較的手ごろな価格の大口径レンズですが、なかなか良好な光学性能を発揮するようです。Sony Alpha Blogのレビューも考慮すると接写時にパフォーマンスが低下する点に注意する必要がありそう。また、色収差の補正状態はFE 50mm F1.4 ZA・FE 50mm F1.2 GMほどではない模様。とは言え、実写サンプルを確認する限りでは良好な解像性能を備え、柔らかいボケと扱いやすい逆光耐性に見えます。ただ、Sony Alpha Blogでは逆光耐性を「欠点」を主張しているので、もう少し色々なレビューを見てみたいところ。
サムヤン AF 50mm F1.4 II FE 最新情報まとめ
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