Lensrentalsnがキヤノン「EOS R5」の分解レビューを公開。下2/3で新方式の立派な防塵防滴仕様を備え、浸水を防いでいる模様。話題の発熱・放熱についても触れ、「優れた密閉性なのに放熱できるのか?」と疑問を呈しています。
新方式の優れた防塵防滴仕様
Lensrentals:Taking Apart the Canon EOS R5 Mirrorless Camera
- 発熱問題の流れでこのページにたどり着いた人向けに結論からのベルト、このカメラは小さく、天候に左右されない防塵防滴仕様を備え、静止画用カメラのボディデザインで熱を逃がすには限界があるように見える。
- 2年前に分解したEOS Rにはボディ内手ぶれ補正を搭載することができるくらいの空きスペースがボディ内部に存在した。
それでも搭載しなかったのは、キヤノンがレンズの光学手ぶれ補正に拘っているのでは無いかと推測している。- バッテリースロット周辺は他のキヤノン製カメラとよく似ている。付近にはワイヤレストランスミッター「WFT-R10」用の端子が存在するクールなデザインだ。
これはバッテリーグリップとして機能するだけでなく、イーサネットとワイヤレス接続に対応し、サーバーと最大10台のカメラを接続することが可能だ。
本格的なプロフェッショナルにとって、高価だがクールなオプションに思える。- バッテリードアは通常、浸水箇所になり得るウィークポイントだ。EOS R5のバッテリードアは周囲を耐候性ガスケットで囲み、平面全体が柔らかいガスケット材となっている。
- ファインダーはクランプではなくネジで固定している。
- もちろん分解にはグリップのカバーを外す必要がある。グリップ表面の素材は従来モデルと比べて若干手触りが違うように感じる。厚みや柔軟性は同程度だ。
- リモコンセンサーのカバーはグリップのカバーで覆われているだけだった。
- カメラ底面プレートを外すと目新しい防塵防滴仕様を目にした。従来のようなゴムフェルトでは無く、遥かに大きいゴム製ガスケットを備えている。通常目にするよりも大きなシール領域だ。
他のパーツとの結合部にも同様の材料が使われている。- 金属製の三脚ネジ穴+プレートは頑丈だ。交換可能となっているのは重要なポイントである。
- HDMI・デジタル出力ポートは両方ともメインPCBの一部である。つまり、カメラに接続したHDMIやUSBを強く引っ張り破損させると、高価なメインPCBの交換となるので気を付けよう。
- サイドドアにおけるシーリングの弱点は一か所しかなく、これまで見たことが無いしっかりとしたものだ。
- カードドアの下にはバッテリードアと同じく分厚い防塵防滴用の柔らかい素材が使われている。
- 毎年多くのカメラが水没して帰ってくるので、防塵防滴仕様はあまり信頼していない。このカメラの仕様は良いように見えるが、どこから浸水するかが問題だ。
- 背面モニタの配線はEOS Rと同じように見える。何故かフレキシブルパーツのみ新しくなっている。
- 回路基板はEOS Rよりも複雑に見える。
- トッププレートの防塵防滴処理は他の部分と比較して少し異なっている。底面や側面のようなゴム製シールでは無く、一般的な発泡素材が施されている。
水たまりにカメラを置いた際に浸水しやすい底部を強化するのは理に適っている。- レンズマウント部分の上部にはあまりシール材が無い。耐候性に弱点があるとすればこれくらいか。(おそらく、上部のシーリングが弱めてあるのは放熱性を考慮したものだろう)
- 電磁シールドは薄くなりがちだが、R5のそれは厚さ0.98mmと男前だ。熱対策のためかもしれない。
このアルミ製シールドは上下の銅トレースに接続し、さらに2つのサーマルパッドの上に置かれているので、熱が伝わりやすいはずだ。(一端は三脚プレートに繋がっている)- サーマルパッドを剥がすとSKハイニックス製SDRAMチップが現れる。
- EOS Rとは違い、ボディ内に空間はあまり残されていない。
- バッテリードアの開閉を判断するスイッチはメインボードに直接はんだ付けされている。小さく脆弱なスイッチだ。わずかな力でこのスイッチを回路基板から外すのは簡単であり、そうなればメインボードを交換する必要があり、非常に高価な修理となるだろう。
(訳注:EOS HDなどで、熱問題のタイマーをリセットするため、このスイッチを小さなネジで押しっぱなしにする裏技が公開されています。そのような場合に破損する可能性が高いと示唆しているのでしょう)- メインPCBの裏側には大きなアルミ製ヒートシンクが備わっており、サーマルパッドはCPUに接続されている。
このことから、SDRAMチップ用・CPU用で別のヒートシンクに熱を送っているようだ。- CFexpressカードスロットは古いCFカードスロットより遥かに頑丈に見える。
- センサ?の調整にEOS Rはスプリングテンションネジを使用していたが、ボディ内手ぶれ補正を搭載するR5で同じ方法を採用すると、手ぶれ補正の振動でネジが緩む可能性がある。そのためか、R5の調整ではシムを使っている。
- センサーを分解せずに正確なガラスの厚みを測定することは出来ない。ガラスは割れやすいため、EOS R5が壊れるのを待って、測定してみたいと思う。
- ソニーのボディ内手ぶれ補正はプラスチック製パーツの破損が見つかった。しかし、キヤノンの補正ユニットはソニーのような壊れやすいパーツは使っていないようだ。より頑丈に見える。
驚くべきことは無かった。ボディ内手ぶれ補正ユニットの搭載により、EOS Rより内部の密度が高まっている。防塵防滴はカメラ下部2/3が新しい方式のシーリングを採用し、本当に浸水しにくい仕様を実現している。
ボディ内手ぶれ補正は非常にコンパクトだが、巧みに設計され、弱点となるような接続はされていない。とは言え、発売直後なので、正確なことは言えない。
ヒートシンクは2つの回路があり、一つはメインPCBとセンサーアセンブリの間、もう一つは電圧ボードの下だ。それぞれサーマルパッドがあり、少なくとも一つのヒートシンクは三脚プレートと接続されている。
多くのスチルカメラより多くのヒートシンクを使っているが、動画機ほどでは無い。
分解で分からなかったのは、この熱がどのようにしてカメラの外に逃げるかだ。少なくとも空気の循環が無いことは確かである。カメラが密閉されていることを考慮すると、熱がどのように外へ行くのか気になる。多くの人が熱問題に対して様々な対策を講じているが、単純に考えて、密閉性に優れたカメラが熱を外に逃がせるものだろうか?
とのこと。
特に下部からの浸水を防ぐため、新しい仕様の防塵防滴構造を備えているようですね。過信は出来ませんが、万が一の時に耐える可能性はありそうです。
メインボードに接続されているHDMIポートやUSBポートは注意が必要な模様。また、EOS HDなどがテストで使っていた裏技(隠しスイッチ)は壊れやすく、破損した際の修理費が高そうなので、触らない方が良いでしょう。
中国の分解レビューで、サーマルパッドの貼り方について否定的な見解が多かったと思いますが、それらを覆うように装着されたアルミ製パーツで三脚プレートまで熱を逃がしていたのかもしれませんね。
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