Sony Alpha Blogがソニー「FE 20-70mm F4 G」のレビューを公開。20mmの有用性について言及しつつ、F2.8 GM IIに次ぐ高い光学性能を高く評価しています。
Sony Alpha Blog:Sony 20-70mm F4 G
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- ビルドクオリティは良好だ。
携帯性:
- ズーム操作で内筒は伸びる。
操作性:
- クリック切替機能のある絞りリングを搭載している。
- 滑らかだが十分なトルクのあるズームリングを搭載している。
- リニアレスポンスのMFリングは動画撮影に適している。
フォーカス:
- AFは非常に高速で正確だ。
- 静止画と動画の両方で静かに動作する。
- 追従撮影時の精度は99%だ。
- α1の30fpsに対応している。
- フォーカスブリージングは目立たない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 6100万画素のα7R IVでテストした。
- ズーム全域でF4から優れた中央解像だ。
- 隅は20mm F4で少し見劣りするが、それでも良好だ。35mmは絞ることで優れた結果を得ることができる。
- ピークの性能は70mmで、20mmは見劣りするが、それでも多くの20mm単焦点レンズよりも優れた性能である。
- 遠景でもズーム全域で優れた性能だ。隅の20mmはF5.6で非常に良好となる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは素晴らしい描写だ。完全に円形で、F11まで絞らないと絞り羽根の形状は目立たない。
- 後ボケは35-70mmで柔らかい描写だ。20mmは少し騒がしくなる。
- 発色はとても良好だ。自然な色とコントラストを備えている。
色収差:
- よく補正されている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 20mmで目立つ樽型歪曲が残っている。
- 35mmで低下するがそれでも目に付く。
- 70mmは目立つ糸巻き型となる。
周辺減光:
- 20mmと70mmで非常に強いが、2段絞ると大幅に改善する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 良好だが、PZ 16-35mm F4 Gほどではい。
- F16-22まで絞ると素敵な光条が得られる。
競合レンズ比較:
- FE 24-70mm F2.8 GM IIとよく似たレンズだ。
- 競合レンズと比べて20mmの広い画角は強みとなる。
- 解像性能は24-70mm F4 ZAよりも遥かに優れている。
- FE 20mm F1.8 Gに近い性能だが、隅はあまり良くない。
- FE 24-70mm F2.8 GM IIと比較して少し見劣りする。
- FE 24-105mm F4 G OSSと比較して少し良好だ。
- F2.8 GM IIほど柔らかいボケではないが、他の選択肢よりも良好だ。
- 発色やコントラストはF2.8 GM IIに次いで良好だ。
- 歪曲収差と周辺減光は最悪だ。
- 逆光耐性と色収差はF2.8 GM IIと同じくらい良好だ。
- クリックレスの絞りリングとフォーカスブリージングを抑えた設計により動画撮影に適している。
総評
20-70mm F4 Gは新基準を打ち出した傑作レンズだ。歪曲収差と周辺減光を除けば優れた性能で、残った欠点はプロファイルで補正できる。建築物、風景、旅行、ストリート、ポートレート、Vlog、動画などあらゆる状況に対応できる。強くおススメできるレンズだ。
- 長所:
・20mm F4の隅を除けば全域で優れたシャープネス
・20mm
・動画撮影に適した操作性と特性
・適度なサイズ
・軽量
・発色
・コントラスト
・玉ボケ
・35mm以降の後ボケ
・防塵防滴
・ビルドクオリティ
・色収差の補正
・AF
・70mmにおける接写性能- 平凡:
・価格
・20mmの後ボケ
・20mm F4の隅- 短所:
・20mmの歪曲収差と周辺減光
とのこと。
24-70mm F4 ZAよりも少し大きめですが、広角20mm始まりの便利で珍しい標準ズームレンズ。数年前から、このようなレンズが徐々に登場し始めていますが、望遠端が70mmまでカバーしているズームレンズはソニーが初めて。手振れ補正こそ搭載していないものの、20mmの広い画角から70mmの中望遠までを利用でき、XDリニアによる快適なフォーカスや、0.4倍に近い高い撮影倍率が得られるのが魅力的。
SABのレビューによると、便利なズームレンジながら、既存のF4ズームよりも優れた光学性能を備えているようです。歪曲収差や周辺減光は補正必須のようですが、レンズプロファイルがあれば良好に補正できる模様。ただし、社外製現像ソフトを利用している人は、このレンズに対応するまでRAW現像が難しいと思われます(陣笠状に歪む歪曲収差を見る限りでは手動補正が難しそうです)。
数日前に入手したばかりですが、特殊なズームレンズとしては優れた性能と感じています。歪曲収差など補正必須の領域は確かに存在しますが、そのあたりを考慮しても全域で安定感のある画質を、このサイズで実現しているのは凄い。さらにコントロールも充実。従来の24mm始まりでは画角が狭いと感じていた人には面白い選択肢と言えそうです。ただ、タムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」が半値で手に入るので、いろいろと妥協できるのであればタムロンもありだと思います(ズーム域や互換性、操作性など)。
FE 20-70mm F4 G | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2023年2月10日 | 初値 | 1099ドル |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.3-0.25m |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 0.39倍 |
焦点距離 | 20-70mm | フィルター径 | 72mm |
レンズ構成 | 13群16枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F4 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | フッ素 |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ78.7×99mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 488g | AF | XDリニア |
その他 | 絞りリング・絞りロック | ||
付属品 | |||
レンズフード |
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