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ソニー「FE 28-60mm F4-5.6」は小型軽量だが光学性能を犠牲にしていない

Sony Alpha Blogがソニー「FE 28-60mm F4-5.6」のレビューを公開。FE28-70mmよりも小型軽量ながら、光学性能を損なっていないと評価。ただし、四隅の性能はα7R IVだと伸び悩む模様。

小型軽量ながら良好なキットレンズ

Sony Alpha Blog:Sony FE 28-60mm F4-5.6

  • レンズの紹介
    ・α7Cのキットレンズとして登場した。
    ・2013年から販売されているFE28-70mm F3.5-5.6よりも遥かにコンパクトだ。
    ・重量:182g
    ・開放F値:28-30mm F4・31-34mm F4.5・35-42mm F5・42-60mm F5.6
    ・最小絞り:28mm F1.6・40mm F25・60mm F32
    ・全長:格納時 45mm・展開時 68?70mm
    ・フィルター:40.5mm
    ・絞り羽根:7枚
    ・ボタン:なし
    ・防塵防滴
    ・最短撮影距離:30-45cm
    ・レンズフードなし
    ・光学手ぶれ補正なし
  • ビルドクオリティ
    ・きちんとしたビルドだ。
    ・プラスチック外装だが、FE28-70mmと比べて良くも悪くもない。
    ・沈胴機構を備え、格納時にカメラを使用することは出来ない。
  • 携帯性
    ・FE35mm F2.8 ZAと同じくらいコンパクトで軽量だ。
  • 操作性
    ・ズームリングはあまり滑らかではない。この点でFE28-70mmは遥かに滑らかだ。
    ・フォーカスリングはとても狭いが、MF時が滑らかに回転する。
    ・小型レンズのため、機能は最小限だ。ボタン・レンズフード・手ぶれ補正は搭載していない。
  • オートフォーカス
    ・非常に高速で正確だ。
    ・静止画と動画どちらでも静かに動作する。
    ・瞳AFは完全に機能する。
    ・動画でもAFは完全に機能する。
  • マニュアルフォーカス
    ・動画撮影でフォーカスリングを操作するのは難しい。
  • 手ぶれ補正
    ・ボディ内手ぶれ補正を利用すると動画撮影で問題は感じない。
  • 解像性能
    ・α7R IVと組み合わせてテストしている。
    ・中央はズームレンジ全域で絞り開放から優れた性能だ。
    ・四隅は中央と比べて遥かに見劣る。無限遠の撮影では比較的良好だ。
    ・実写でも非常に良好な中央解像だが、開放F値が大きいのでISO感度が上がりやすい。
    ・実写での四隅は無限遠側の被写体で比較的良好である。
  • 像面湾曲
    ・記載なし
  • ボケ
    ・開放F値が大きいので、ボカすためには寄らなければならない。
    ・後ボケはとても柔らかく心地よい。
    ・玉ボケは十分円形だが、60mmは場合によって縁取りがある。
  • 色収差
    ・色収差は見られない。
  • 球面収差
    ・記載なし
  • 歪曲収差
    ・28mmでとても目立つが、60mmではほぼゼロだ。
  • 周辺減光
    ・記載なし
  • コマ収差
    ・記載なし
  • 逆光耐性
    ・逆光耐性は良好だ。
    ・絞ると素敵な光条が発生する。
  • その他描写
    ・発色は良好でコントラストも良い。
  • FE28-60mmとの比較
    ・28-60mmは開放F値が少し暗いが、遥かに小型軽量だ。
    ・光学手ぶれ補正が無い。
    ・ビルドクオリティはほぼ同じだが、ズームリングの滑らかさで劣る。
    ・望遠端60mmは実際には55mm程度の画角だ。
    ・中央解像はより優れており、一貫している。
    ・四隅は同程度だ。風景写真家にとって弱点となる。
    ・28-70mmは70mmを利用することで大きなボケを得られる。
    ・発色は比較的良好だ。
    ・望遠側の歪曲収差補正で優れているが、プロファイル適用で有意な差とはならない。
    ・色収差や逆光耐性はどちらも良好だ。
    ・オートフォーカスは少し速い。

総評

α7Cの理想的なキットレンズだ。主な利点は光学性能を犠牲にすることなく小型軽量化を遂げていること。発色やAF、中央シャープネスはより優れているが、四隅に奇跡は起こらなかった。

長所:中央の優れたシャープネス・小型軽量・色収差が無い・逆光耐性・良好なコントラスト・良好な色・滑らかなボケ・良好なAF・防塵防滴・望遠側の歪曲収差補正

平凡:四隅のシャープネス・ズームリングが滑らかではない・28mmの歪曲・レンズフードなし

短所:ISO感度上昇に繋がる暗い開放F値・60mmの画角は55mmに近い・別売り時に高価

とのこと。
6100万画素のα7R IVと組み合わせると、流石に四隅のパフォーマンスが苦しそうですね。とは言え、中央は6100万画素でも十分活用できそうな性能を維持している模様。望遠側でもパフォーマンスを維持しているので、大きな中央クロップにも耐えてくれそうです。

私は2400万画素のα7Cと共に使用しており、四隅における解像性能の評価は比較的ポジティブな結果です。絞り開放や接写時の四隅は少し甘めですが、1?2段ほど絞って使えば遠景撮影にも対応できそうな印象を持ちました。

後ボケは確かに滑らかです。前ボケが犠牲となっていますが、このようなレンズで前ボケを入れる余地はあまり残っていないはず。良い采配だと思います。

28mmで大きな歪曲収差が残っているため、社外製現像ソフトなどを利用する場合は注意が必要です。おそらく、そのうちLightroomなどにレンズ補正データが対応すると思いますが、それまではRAW現像時に手動補正が必要となります。

高いか安いか、で言うとα7Cのキットレンズとして手に入れるのであれば適正価格。単体で手にれる場合は少し割高と感じるかもしれません。おススメはα7Cのキットレンズをばらした新古品。保証の問題はありますが、この価格帯であればリスクを考慮しても低価格で手に入れられるメリットは大きい。

ばらし品と思われる中古レンズが市場に出回っていますが、今のところ相場は5万円前後。もう少し流通すると4万円台前半になるのではないかなと予想。

FE 28-60mm F4-5.6交換レンズデータベース

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