Sony Alpha Blogがソニー「FE 50mm F1.2 GM」のレビューを公開。唯一の欠点はフォーカスブリージングと指摘しつつ、F1.2としては小型軽量で、優れた光学性能を備えたレンズと高く評価しています。
Sony Alpha Blog:Sony 50mm F1.2 GM
レンズの紹介:
- EマウントでF1.2レンズの実現が可能であることを示した最初のソニー製レンズだ。
- FE 50mm F1.4 ZAの代わりでは無く、約40%ほど高価なレンズである。
ビルドクオリティ:
- 他のGMレンズと同様にビルドクオリティはトップクラスだ。
携帯性:
- FE 35mm F1.4 GMよりも重いが、FE 50mm F1.4 ZAと同じサイズと重量を実現している。
- シグマの35mm F1.2 DG DNと比べると遥かに小さくて軽い。
操作性:
- エルゴノミクスはとても優れている。
- 絞りリングはクリック・クリックレスに切り替えることが出来る。これは動画撮影で便利だ。
- マニュアルフォーカスは幅広く、リニアなレスポンスで滑らかに回転する。
オートフォーカス:
- 超高速で正確に動作する。
- 静止画・動画どちらでも無音だ。
- α1との組み合わせで30fpsの連写に対応している。
- 瞳AFは完全に機能する。
- 動画撮影でも完璧に機能する。
- フォーカスブリージングが目に付き、このレンズ唯一の弱点である。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IVでテストした。
- 性能は全体的に抜群だ。F2で際立った性能に達しており、このような性能は滅多に見られるものでは無い。
- このレンズは私がテストした中で最もシャープな50mmである。FE 50mm F1.4 ZAの中央は同程度だが、四隅は少し劣る。
- F1.2でさえ優れた結果だ。非常に素晴らしい解像性能である。
- ポートレートでは絞り開放で優れたシャープネスであり、肌の色調ときちんとしたコントラストを備えた優れた描写だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは良好だ。絞っても円形を維持している。
- 後ボケは良好だ。騒がしい背景でも非常に滑らかである。
- 発色は素晴らしく、とても自然でバランスのとれたコントラストだ。
色収差:
- 倍率色収差はとても少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は小さい。
周辺減光:
- F1.2で目立つが、F2付近で解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は優れている。
- 絞ると素敵な光条が発生する。
他の50mmと比較:
- 数多くの50mmが存在する。F0.95からF2.8まであるが、唯一の代替モデルはFE 50mm F1.4 ZAだ。非常にハイクオリティな選択肢を用意するとしたら…
・FE 55mm F1.8 ZA
・APO Lanthar 50mm F2
以上の2本だけである。それ以外の選択肢はクオリティの面で遥かに劣る。- サイズ・重量は50mm F1.4 ZAと同じだ。そのうえでより大口径を実現している。
- 55mm F1.8 ZAはコンパクトだが、絞りリングなどが無い。ビルドクオリティはGMやAPO Lantharと比べると低い。
- 50mmGMとAPO Lantharはシャープだが、コントラストはAPO Lantharが少し良好だ。
- 50mm F1.4 ZAはGMとほぼ同じ性能だが、四隅が低下している。
- 55mm F1.8 ZAはワンランク下のレベルだが、5000万画素以上なければ違いは分からないと思う。
- 50mm F1.2 GMは35mm F1.4 GMと同等の優れた性能だ。
- ボケはF1.2 GMが最も大きく、F1.4 ZAが続く。
- 周辺減光以外はF1.2 GMが逆光耐性・歪曲収差などの点で優れている。
- AFはどのレンズも正確かつ高速だが、連写時に対応しているのはF1.2 GMだけだ。
- F1.2 GMとF1.4 ZAはクリックレスに対応した絞りリングを搭載している。動画撮影に最適だ。
- フォーカスブリージングはAPO Lantharが最も良好で、最悪はF1.2 GMとF1.4 ZAだ。
F1.2 GMは全ての面でチャンピオンとなるレンズだ。究極のポートレートレンズが必要で、被写体が動き回るのであればF1.4 ZAからアップグレードする価値がある。スタジオで撮影するのであれば違いは分からないと思う。
総評
AF対応のコンパクトなF1.2レンズだが、市場で最高の50mmである。卓越したシャープネス、非常に滑らかなボケと優れた発色、小型軽量なうえにα1の30fps連写に対応したAFを備えている。強くおススメできるレンズだ。
F1.4 ZAは少し安価でほぼ同じくらいシャープだが、絞り値とAFは少し劣っている。APO Lantharは同じくらいシャープだが、AFに対応していない。F1.8 ZAは小型軽量で手ごろな価格のレンズであり、2400?4200万画素であれば非常に優秀なレンズとなるだろう。
- 長所:
・抜群のシャープネス
・滑らかな後ボケ
・優れたコントラスト
・優れた玉ボケ
・優れた発色
・優れたポートレートの描写
・優れたAF
・小型軽量
・防塵防滴
・優れたエルゴノミクス
・優れた逆光耐性
・低色収差
・低歪曲
・リニアレスポンスのMF
・良好な最短撮影距離- 平凡:
・F1.2の周辺減光
・価格- 短所:
・フォーカスブリージング
とのこと。
欠点が少ない、非常に高性能な50mm単焦点レンズに仕上がっているみたいですね。実写作例を確認しても確かにシャープで滑らかなボケを実現しているように見えます。近距離でも6100万画素のα7R IVで隅までシャープな解像性能を実現しているのは凄いですね。EDレンズ未使用にも関わらず、色収差を良好に補正しているのも驚きですねえ。ちなみにFlickrには専用ページが開設されており、既に100点以上のユーザー投稿が公開。ボケ描写などの参考になるかと思います。
F1.4 GMレンズよりも、やや高価ですが、2021年5月現在で納期が9月になると言われるほど人気があるようです。このレンズを使いたいのであれば、早めに注文しておいたほうが良いかもしれません。
ソニー「FE 50mm F1.2 GM」交換レンズデータベース
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- TTArtisan 50mm f/1.4 ASPH
- TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH
50mmレンズ比較
50GM | 50ZA | 55ZA | 無印 | |
構成 (群-枚) |
10-14 | 9-12 | 5-7 | 5-6 |
絞り | 11 | 11 | 9 | 7 |
開放F値 | 1.2 | 1.4 | 1.8 | 1.8 |
最小F値 | 16 | 16 | 22 | 22 |
最短距離 | 0.4 | 0.45 | 0.5 | 0.45 |
最大倍率 | 0.17 | 0.15 | 0.14 | 0.14 |
フィルタ | 72 | 72 | 49 | 49 |
サイズ | 87.0 108 |
83.5 108 |
64.4 70.5 |
68.6 59.5 |
重量 | 778 | 778 | 281 | 186 |
防塵防滴 | 配慮 | - | 配慮 | - |
絞り環 | あり | あり | なし | なし |
AFL | あり | なし | なし | なし |
コート | ナノAR2 | T* | T* | 不明 |
AF | XD Liner | RSSM | Liner | DC |
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