PhototrendがLAOWA CF Argus 33mm F0.95のレビューを公開。F0.95のレンズとしては良好な中央画質が得られるものの、T値はそこまで小さくならず、何よりフォーカスリングのストロークが長すぎると言及しています。
Phototrend:Test Laowa Argus CF 33 mm f/0,95 APO : un cocktail particulier
外観・構造:
- 中国製のレンズというと、「安っぽい」「作りが悪い」のイメージが先行するが、ローエンドからは程遠いレンズの作りだ。
- Voigtländer、Zeiss、Leicaの領域であり、金属外装は質感が高く、組み立てもしっかりしており、デザインへのこだわりは明らかだ。
- 付属の角型レンズフードは、このプレミアム感をより際立たせている。
- このレンズはエレガントだ。
- XF35mm F1.4と同じ露出を再現するためのテストでは、1/3?1/2EVのISOアップしか達成できなかった。
携帯性:
- バランス、快適さは、使用するカメラによって異なる。
- 長くて重いので、X-Pro3やX-E4などグリップのないカメラでは、とても不愉快になることがある。
操作性:
- リングは滑らかで、十分なトルクだ。
- 絞りリングはリニアでクリック感がないため、ファインダーを覗いたままでも絞りを変えられるような触覚的なフィードバックが得られない。
- フォーカスリングの回転範囲はMFD35cm~無限遠まで約320度だ。この評価は、人によって大きく異なる。街撮りの場合、ある位置から別の位置に移動するためにリングを3回操作しなければならず、シャッターチャンスを逃しやすい。
- 我々の意見としては、リングの範囲が広すぎると思う。ルポルタージュスタイルよりも、三脚を立てての風景撮影の練習に適している。ポートレートでは、ポーズをとってくれる忍耐強いモデルや、正確な操作をする時間を与えてくれるモデルがいれば良いが、そうでなければMF操作に満足できない。
- 7Artusans 35mm F0.95の回転範囲は140度、中一光学 35mm F0.95 Speedmaster IIは150度だ。これらは現場でより実用的だ。
フォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- このようなレンズでF0.95の隅の解像性能は重視しない。結果は非常に悪く、周辺減光もある。
- 幸いなことに、画像の中心部は非常に良好だ。ピントが合っていれば、我々のテストで中央部は中一光学より良く、XF35mm F1.4とほぼ同じように絞り開放でシャープに写る。
- F2.8まで絞ると隅がきれいになり、F5.6で期待通りの性能だ。
- 一貫性を重視するならば、富士フイルムを使い続けることだ。
- LAOWAと中一光学は絞り開放で良好な中央解像と、描写の柔らかさを楽しむことができる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- このレンズのボケ味は、予想通りとても良いものだ。
- 少し口径食があるものの、背景に関係なく、ボケは柔らかい。
色収差:
- APOという呼称には疑問が残る。
- 色収差は中一光学や富士フイルムよりわずかに少ないが、性能は高くはない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 横線を見るとある程度の歪曲収差があることがわかる。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- フレアは明らかに弱点で、特に夜間は絞り開放で明るい光源は避けた方が良い。
- 絞り開放で強いフレアが発生するが、F2まで絞ると柔らかくなる。
- この点、富士フイルムは絞り開放でのコントラストレベルが格段に良いので、ボケ味の不足を補うことができる。
作例集
この焦点距離のすべての提供の中で、Laowa 33mm F/0.95 Argus CF APOは、最も喜ばしくない人間工学、最も競争力のある価格 - そして実用的なオートフォーカスを提供していません。確かに一般の方や、写真に対して非常に合理的な考え方の方を対象にしていないですね。
ピント合わせの呼吸が比較的穏やかで、シャープネスのレベルが高いので、ビデオグラファーはこのカクテルに魅了されるかもしれませんが、多くの人はフォーカスレンジの両端を3回切り替える必要があるため、敬遠するでしょう。
ポートレート作家は、このラオワの恩恵を最も受けられるカテゴリーであることは間違いないでしょう。そのショットセパレーション能力は、小型センサーでは前例のないものです。シャープネスは十分で、絞り開放での表情は非常に特異なものになります。
手ブレ補正機能付きセンサーを搭載したX-T4は、動きの少ないシーンに限定されるものの、夜に出かけるのが好きなストリートフォトグラファーにとって、良い相棒となることでしょう
総評
手ごろな価格ではなく、使用には根気と器用さが必要だが、その分、質的にもオリジナリティのある仕上がりになる。一番の不満は、解像度の高さではなく、フォーカスリングが長くて辛いことだ。
フレーム中心の画質を比較的落とさずに、より多くのボケを求めるフォトグラファーに非常によく応えてくれるだろう。また、APS-CセンサーでISOの上昇を抑えたい人にも適している。
この種のレンズの創造的な可能性にコミットし、最低限の経験と、何よりもそれに伴う忍耐力がある人は、非常に個性的なルックスの美しい結果を得ることができるだろう。
Laowa 33mm F0.95 Argus CF APOは、富士フイルムX、ソニーFE、ニコンZ、キヤノンRFマウントで599ユーロから入手可能です。
- 長所:
・F0.95
・素敵な仕上がり
・中央で満足のいく解像性能
・美しいボケ- 短所:
・MFリングのストロークが長すぎる
・MFリングのストロークが長すぎる
・MFリングのストロークが長すぎる
・大きい
・逆光耐性
・高価
とのこと。
気合の入ったF0.95単焦点レンズですが、一回転に近いMFリングのストロークにはかなり不満があるようですね。確かに適度なトルクのある標準単焦点で一般的なマクロレンズよりも長いストロークは不便と感じるかもしれません。撮影距離に大きな変化が無いシーンでは精度の高いフォーカス操作が可能となりますが、近距離や遠景を次々に撮りたいと考えているのであれば、厄介な操作性と言えそう。
光学性能は決して悪くはないものの、価格やサイズとのバランスは要検討。透過率は良くないらしく、低照度用の大口径レンズを想定していると肩透かしになるかもしれません。
LAOWA CF Argus 33mm F0.95 交換レンズデータベース
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