DPReviewがニコン「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」のレビューを公開。解像性能の一貫性やボケの騒がしさを指摘しつつ、絞った際の高い解像性能や大部分の収差を良好に補正した光学性能を高く評価しています。
DPReview:Nikon Z 14-24mm F2.8 S field review
NIKKOR Z 14-24mm F2.8 Sは、Zマウントの大口径広角ズームだ。「Nikkor Z 24-70mm F2.8 S」「Nikkor Z 70-200mm F2.8 VR S」とセットで、広角14mmから望遠200mmまでを隙間なく、F2.8の明るい開放値で撮影することができる。
このレンズは他のF2.8ズームと同じく、ピント合わせが早く、ほとんどの点で満足のいく結果が得られる。シャープネスの点で、デジタル一眼レフカメラ用レンズよりも明らかにステップアップしているにも関わらず、はるかに軽く、明らかにコンパクトになっている。
このレンズは静止画だけでなく、動画にも対応しており汎用性が高い。また、焦点距離や撮影距離の確認、被写界深度の判断などが容易なOLEDパネル表示も魅力的だ。
レンズ外装はしっかりとした作りで、全体的な防塵防滴性能を備えており、フロントフィルターはねじ込み式、リアフィルターはゼラチン式に対応している。もちろん、112mmのねじ込み式フィルターは高価で手に入りにくいため、可能な限り後者を選択したいところだが、ライバル機にはフロントフィルターの選択肢がない。いくつかの問題点がある。
中心は絞り開放でも非常に良好だが、フレーム全体では一貫性に欠ける。F5.6に絞ると改善されるが、我々は絞り開放で最高に近い性能を発揮すると期待していたので、これは少し期待はずれだった。さらに、ピント面前後ではボケが2線になり、玉ボケには明るい縁取りが発生して「シャボン玉」のような効果が発生し、ボケが騒がしく見えることがある。我々はキヤノンのラインナップが好みだが、このレンズの登場で、ニコンZマウントのラインナップが少しだけ安定したものになったと思う。また、大きな差ではないが、他のプラットフォームのライバルであるシグマ「14-24mm F2.8 DG DN Art」よりも短く、軽くなっていることは否定できない。
Zマウントでは、一眼レフ用レンズをFTZマウントアダプターで使用する以外に、本レンズに代わるものは無い。それに画質の低下や複雑な像面湾曲の問題がある。コスト面で多少の節約になったとしても、はるかにかさばるレンズサイズなど、満足のいく体験にはならないだろう。
このタイプのレンズとしては、比較的小型軽量で、実用性が高く、ミラーレスカメラ全般、特にZマウントの短いフランジバック距離を最大限に活用している。フレーム全体の一貫性やボケに関する欠点は許容範囲内となる人が多いはずだ。欠点が許容できれば、このレンズにはたくさんの魅力がある。
- 長所:
・このクラスとしては小型軽量
・防塵防滴
・非常にシャープでほとんど収差が無い
・とても高速なAF
・多機能なOLEDパネル
・前面フィルターに対応
・動画撮影にも適している- 短所:
・隅に向かって画質が低下する
・ボケに縁取りがある
・2線ボケ
・一眼レフ用よりも高価
・対応フィルターが大きく高価
とのこと。
一眼レフ時代の14-24mm F2.8と比べると小型軽量化されているにも関わらず、より良好な光学性能に加えて機能性も高まっている広角ズームレンズですね。価格は30万円近いものの、Zマウント用としては他に選択肢がなく、光学性能を考慮すると面白い選択肢となりそうです。
解像性能の一貫性について指摘していますが、テスト環境が比較的近距離なので、遠景ではまた違った結果となるかもしれません。とは言え、近距離では像面湾曲の影響を指摘しており、そのような撮影が多い人は注意が必要な模様。ボケも騒がしいと指摘しているものの、酷い描写では無い用に見えます。既に数多くのサイトで本レンズを使った写真が公開されているので、自身の使い方に耐えられるか、実際に確認してみるのがおススメです。(参考までに、以下にリンクを掲載しておきます)
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