PhotographyBlogが富士フイルム「XF33mmF1.4 R LM WR」のレビュー動画を公開。35mmF1.4と比べると大きく重いレンズですが、解像性能・ボケ・AF・耐候性の点で優れたコンビネーションを実現しているとのこと。
PhotographyBlog:Fujifilm XF 33mm F1.4 R LM WR Review
外観・構造:
- XF35mmF1.4 Rよりも複雑なレンズ構成で、耐候性と高速AFを備えている。
- 防塵防滴仕様に加えて、-10°の耐寒仕様でもある。
- ビルドクオリティは組み合わせたX-T30 II以上のものだ。
- レンズマウントやフォーカスリング、絞りリング、フィルターソケットなどは金属製である。
- プラスチック製の円筒フードが付属している。
携帯性:
- 重量360g、サイズは67×73.5mmだ。
- フィルターサイズは58mmと妥当な大きさである。
- XF35mmF1.4 Rと比べると重量は2倍、全長は150%と重く大きい。
(これは複雑なレンズ構成に加えて耐候性を加えるため)- X-T30 IIとの組み合わせでバランスは取れている。
- 16mmF1.4や18mmF1.4、23mmF1.4とよく似ている。
操作性:
- 1/3段で動作する絞りリングを搭載している。F1.4からF16まで操作可能だ。
- 絞りリングのトルクは良好だ。
- 絞りリングにはAポジションでロックする機構が備わっている。
- フォーカスリングは電子制御で両端にハードストップは無い。
オートフォーカス:
- リニアモーター駆動で、X-T30 IIとの組み合わせで高速・正確・静かに動作する。
- インナーフォーカス仕様だ。
マニュアルフォーカス:
- バイワイヤ式だが滑らかな操作のフォーカスリングを搭載している。
- 理由は不明だがフォーカスリングのクラッチ構造は無くなっている。本当に残念だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央はF1.4から心地よいシャープネスだ。F2~F11で最高のパフォーマンスを発揮する。F16で回折の影響がある。
- 端は中央と同じくらいシャープで、F2.8-F11で最適な絞り値となる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- とても心地よいボケ味を実現しているように見える。
色収差:
- コントラストが非常に高い領域でのみ色収差が発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は見られない。
周辺減光:
- 絞り開放で光量落ちが発生する。
- 解消するには少なくとも3段絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 絞った際はフレアがまったく抑えられていない。
- F16まで絞ると非常に良好な光条が発生する。
総評
ボケ味、絞り全域での優れたシャープネス、高速・高精度・静粛なAF、防塵防滴仕様など、優れたコンビネーションを実現している。ほぼすべての絞りで、フレーム中央は驚くほどシャープで、周辺部はほぼ同じようにシャープに写る。F1.4という大口径は、9枚羽根の絞りによって美しいボケ味を実現し、背景をクリエイティブに切り取ることが非常に容易である。
ただし光学的にはいくつかの問題がある。色収差は非常にコントラストの高い状況で目立ち、フレアは太陽をフレームに入れるとかなり酷い。プレミアムレンズの例に漏れず、ビルドクオリティはは素晴らしい。レンズマウントと鏡筒は金属製だ。また、リニアモーターによるオートフォーカスは、合焦時間がほとんど発生せず、音も静かだ。そして、広々としたフォーカシングリングと、非常に便利な絞りリングを備えており、露出の重要な要素を素早く、簡単に、正確に設定することができる。
残念ながら、16mmF1.4と23mmF1.4に搭載されている、フォーカスクラッチ機能は搭載されていない。この2本のレンズには被写界深度マーク付きの距離計がついていて、ゾーンフォーカスがしやすいが、なぜこのような決断をしたのかはよく分からない。
XF 35mm F1.4の2倍の重さと150%の長さがあるため、小型レンズのファンは旧レンズを使用した方が良いだろう。これは、XF35mmF1.4よりも複雑な光学構造を採用していることに加えて、耐候性、インナーフォーカス、より洗練された高速のオートフォーカスシステムを備えていることが主な理由だ。
全体として、新しい富士フイルムXF 33mm F1.4 R LM WRは、誰もが期待していた35mm F1.4の自然な後継モデルではないかもしれないが、間違いなく素晴らしいレンズだ。Xレンズシリーズに加えるには十分すぎるほど価値のあるレンズである。
とのこと。
レンズサイズは新F1.4シリーズでほぼ同程度となる、これまでの単焦点レンズと比べると少し大きなサイズとなっていますね。それでもAPS-Cらしいコンパクトサイズに抑えられていますが、特に携帯性を重視する場合は気になる大きさかもしれません。耐候性や高速AF、絞り開放のシャープネスが不要ならば、従来のXF35mmF1.4 Rを検討するのも一つの手と言えそうです。
実際にX-T30 IIと組み合わせて撮影したサンプルを確認してみると、確かに大部分の絞り値でシャープな光学性能を実現しているように見えます。F1.4の「明るさ」を活かすには最適な標準レンズと言えそうですね。コントラストも高く、パンチのある描写。
ボケは接写時に滑らかで綺麗。XF35mmF1.4 Rのようにピント面まで滲むような描写ではなく、ピントはシャープでクリアな描写を維持しつつ、背景がまずまず滑らかに溶けているように見えます。ただし、撮影距離によっては周辺部が少し騒がしい(それでも標準レンズとしては良く抑えられているように見えますが)。
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