RadojuvaがYONGNUO「YN85mm F1.8S DF DSM」のレビューを掲載。色収差が目に付くものの、絞り開放から実用的な画質を得られるコストパフォーマンスの高いポートレートレンズと評価しています。
低価格ながら優れたAF
Radojuva:Обзор Yongnuo YnLens YN85mm F1.8S DF DSM (для Sony E/FE)
- レンズの紹介:
・ソニーEマウント用のフルサイズ対応レンズだ。
・Yongnuo製としては初めてのフルサイズミラーレス用レンズである。
・静かで十分高速なステッピングモーター駆動のAFに対応している。
・光学性能は悪くない。
・2020年8月に正式発表された。
・一眼レフ用のYNレンズとは全く関係が無い。新設計のレンズである。
・フィルター径:58mm
・絞り:7枚円形絞り
・絞り:F1.8-F16
・最短撮影距離:0.8m
・最大撮影倍率:0.13倍
・重量:346g
・レンズ構成:8群9枚- ビルドクオリティ:
・説明書と保証書、QCカードに乾燥剤、カメラバックにフードとレンズキャップが付属している。
・レンズマウントは金属製だ。
・幅広いフォーカスリングはゴム製でよく手に馴染む。
・絞り羽根は2対7枚で動作する。
・絞りの駆動には顕著な遅延が見られる。シャッターボタンを押してからF16まで閉じるのに約1/3秒かかる。逆も同じだ。ただし高速連続撮影時に違和感はない。
・レンズフードLH-60Tはプラスチック製だ。フードはかなり長く、逆さ付けするとフォーカスリングが完全に隠れてしまう。
・フード装着時にかなりの力が必要だ。
・レンズデザインはサムヤンのAFレンズを彷彿とさせるものだ。
・USB-Cポート経由でレンズのファームウェアアップデートが可能だ。古いファームウェアにロールバックする手段は無い。
・USBポート経由で更新できるのはファームウェアだけである。- 携帯性:
・記載なし。- 操作性:
・記載なし。- オートフォーカス:
・ステッピングモーター駆動だ。
・フォーカス速度は速く、非常に快適である。
・α3500やα7 IIIとの組み合わせでリフォーカスは十分高速だ。
・難しい撮影条件の場合はFE85mm F1.8などよりも著しく劣る可能性がある。
・AFは静かで動画撮影中に音を拾いにくい。
・フォーカスブリージングが目立ち、最短撮影距離付近で画角が狭くなる。- マニュアルフォーカス:
・ピント全域の回転角は360度だ。
・最短撮影距離は0.8mであり、このクラスのレンズでは一般的な数値である。- 手ぶれ補正:
・記載なし。- 解像性能:
・フレーム中央・周辺は絞り開放から良好だ。F1.8から完全に実用的な画質である。
・フレーム隅のF1.8でも顕著な画質低下は見られない。
・F2.8?F8で四隅まで良好なシャープネスを得ることが出来る。
・おそらく中距離から遠距離で最高の結果を得ることが出来る。近距離ではシャープネスが低下する。- 像面湾曲:
・記載なし。- ボケ:
・玉ボケは不均一だ。
・非球面レンズを使用していないので、玉ボケの内側は滑らかな描写だ。- 色収差:
・軸上色収差と倍率色収差はどちらも目立つ。
・目立つパープルフリンジが発生する。
・色収差はこのレンズで最も弱いポイントだ。- 球面収差:
・記載なし。- 歪曲収差:
・中程度の糸巻き型だ。
・この歪曲は編集で簡単に補正できる。
・実写では歪曲が目立たない。- 周辺減光:
・F1.8の無限遠で最も目立つ。
・周辺減光は四隅に向かって波打つように影響している。
・最短撮影距離付近では影響が小さくなる。
・F4以降はほぼ解消する。- コマ収差:
・記載なし。- 逆光耐性:
・光条はあまりシャープにならない。
・逆光耐性は良好だが、厳しい環境ではフレアが発生する。- 作例集
総評
コストパフォーマンスの高いポートレートレンズだ。フレーム中央と周辺のどちらもF1.8から良好な画質を実現している。F2.5からF4まで絞れば高画素カメラやAPS-Cでも良好に機能する。
長所:低価格・小型軽量・良好なビルドクオリティ・十分高速なAF・インナーフォーカス・AF/MFスイッチ・ファームウェアアップデート対応・Fnボタン・EDレンズと高屈折レンズ使用・F1.8から良好なシャープネス
短所:フードの脱着に力が必要・絞ると不規則に玉ボケが角ばる・複合構造の絞り羽根の影響か動作が遅い・ピント距離指標なし・光学手ぶれ補正なし・目立つフォーカスブリージング・目立つ色収差・適度な糸巻き型歪曲
とのこと。
国内AmazonでもYongnuoストアから注文可能なソニーEマウント用の交換レンズですね。現在はこのレンズに加えてYN35mm F2も注文可能となっています。35mmが2万円台であるのに対し、85mmは3万円台と比較的高め。とは言え、フルサイズ用AF対応85mmとしては安い。
実写作例を確認する限りでは、しっかりと写るレンズに見えます。指摘している目立つ色収差も作例では影響が僅か。ボケも柔らかく、周辺部までまずまず綺麗に見えますが、作例によって電子先幕シャッターの影響があるので注意が必要です(大口径レンズ装着時に電子先幕シャッターを使うとボケにムラができる可能性あり)。
同じような価格帯にVILTROX 85mm F1.8やSamyang AF75mm F1.8があるのは悩ましいところ。FnボタンとAF/MFスイッチがあるYN85mmは便利ですが、金属外装のVILTROXやカスタマイズ性のあるAF75mm F1.8も魅力的。
YONGNUO「YN85mm F1.8S DF DSM」交換レンズデータベース
購入早見表
*簡易早見表。おそらく入手できるのはAmazonくらいのはずですが、まだ国内Amazonでは未確認。
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