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銘匠光学 TTArtisan 50mm F2 徹底レビュー Vol.5 諸収差編

銘匠光学「TTArtisan 50mm F2」のレビュー第五弾を公開。今回は色収差や歪曲収差など各収差を恒例のテスト環境でチェックしています。

TTArtisan 50mm F2のレビュー一覧

像面湾曲

簡単に言うと、ピント面が歪んていることを指す(歪曲収差とは異なる)。像面湾曲が残っていると、ピント面がセンサーに対してフラットな状態では無く、パンフォーカスを狙ってもピントが合わない。例えば、中央にピントを合わせても、同じ撮影距離のフレーム隅でピントが合わない。これを直接改善する手段はなく、絞って被写界深度を深くするしかない。

上の作例はそれぞれ中央にピントを合わせた写真と、隅にピントを合わせた写真の右上をクロップしたものだ。違いは一目瞭然であり、遠景でも像面湾曲がかなり強めに残っていることが分かる。これを改善する手段は無いので、絞って被写界深度を深くして像面湾曲の影響を緩和するしかない。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

少なくとも倍率色収差が影響していると思われる顕著な色ずれは見当たらない(それ以上に非点収差やコマ収差が目立つが…)。絞ると拡散していた色ずれが徐々にシャープとなるが、それでも色付きは最低限で良好な補正状態に見える。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

完璧な補正状態とは言えないが、1万円未満の明るいレンズとしては軸上色収差が目立たない。明るい環境でもF2を躊躇せずに使うことが出来る。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

実写で確認

軽微な糸巻き型歪曲だ。フルマニュアルレンズのため、当然ながらカメラ側の自動補正には対応していない。補正は簡単だが、撮影後に現像ソフトなどで修正しなければならない。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

実写で確認

絞り開放でかなり目立つ収差が発生している。像面湾曲も影響しているので、ピントを合わせなおせば少し緩和するかもしれない。どちらにせよ、フレーム全域で良好な結果を得るにはかなり絞る必要がある。少なくともイルミネーションや夜景などにおススメできるレンズではない。

まとめ

倍率色収差と軸上色収差は良好に補正されている。もちろんAPOのような完璧な補正状態を期待するべきでは無いが、1万円未満の安価なMFレンズとしては良好な補正状態である。高コントラストな領域においても色収差の影響は僅かで、補正が必要と感じるシーンはそう多く無い。

歪曲収差も完璧ではないが実写では目立たない程度に抑えられている。直線的な被写体をフレーム端に配置すると軽微な糸巻き型歪曲を感じるかもしれないが、その場合でも現像ソフトで簡単に手動補正が可能である。

問題は像面湾曲だ。無限遠側でもかなりの像面湾曲が残っているので、中央からフレーム隅までピントを合わせるのが難しい。と言うか絞り開放や中程度の絞り値では不可能だ。風景など、遠景をパンフォーカスで撮影しようと思ったらF8では足りない。α7 IVとの組み合わせでF10くらいまで絞りたいと感じる。しっかりと絞ってしまえば、全体的にまずまず良好な結果が得られるので、このレンズでパンフォーカスを得たいのであれば躊躇なく絞ることをおススメする。

コマ収差も厄介な問題の一つだ。イルミネーションや夜景では点像再現性が低く、通常の風景写真でも周辺部や四隅のコントラスト低下などに繋がっている。風景なども木漏れ日で影響を受ける可能性が高い。対策には像面湾曲の問題も含めてかなり絞る必要がある。

50mm F2はあくまでも近距離で被写体をぼかすためのレンズと割り切り、風景や夜景などでF2を活かした撮影をしない限り、特に大きな問題は無い。F11くらいまで絞って50mmのスナップレンズとして使うのであれば小型軽量サイズを活かした撮影が出来る。

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作例

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