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シグマは「180mm F2.8 DG DN Macro」も検討していた?

2021年9月27日付けでシグマの気になる特許出願が公開。基本的には「105mm F2.8 DG DN」用だと思いますが、中には「150mm F2.8」「180mm F2.8」となりそうな実施例も含まれています。

概要

  • 【公開番号】特開2021-148808(P2021-148808A)
  • 【公開日】2021年9月27日
  • 【発明の名称】インナーフォーカスレンズ
  • 【出願日】2020年3月16日
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】
    至近時の撮影倍率が―0.5倍を超えるマクロレンズで、製品の小型化を達成しながら、撮影距離によらず諸収差を良好に補正しつつ、製造誤差による性能バラつきを抑制したインナーフォーカス式の撮影レンズを提供する。
  • 【0002】
    近年、デジタルカメラをはじめとする撮影装置の高画素化に伴い、諸収差が十分良好に補正された高い光学性能を有する光学系が求められている。【0003】
    また、撮影倍率が−0.5を超えるマクロレンズにおいては、フォーカシング時の収差変動を十分抑制し、無限遠から最至近時まで高い結像性能を維持することが求められる。

実施例1

  • INF -0.5倍 -1.0倍
  • 焦点距離 103.48 80.01 65.35
  • Fナンバー 2.90 4.32 5.73
  • 全画角2ω 23.28 13.66 8.05
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 146.73 146.73 146.73

パラメータやレンズ構成を見るに、「105mm F2.8 DG DN MACRO」用の特許に見えます。数日前に公開されシグマの特許出願はフローティングフォーカス構造でしたが、今回はレンズ構成枚数の多い、大きなフォーカスユニットを動かす設計となっています。これも実用化されたレンズと同じポイントですね。前回のフローティングフォーカス構造と同時期に出願したところを見るに、どちらも「105mm F2.8 DG DN MACRO」の開発段階における検討案の一つだった可能性あり。
さらに、今回は105mm F2.8の他に気になる実施例も含まれていたのでピックアップ。

実施例2

  • INF -0.5倍 -1.0倍
  • 焦点距離 70.99 64.71 59.55
  • Fナンバー 2.90 4.33 5.74
  • 全画角2ω 33.43 21.55 14.39
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 126.92 126.92 126.92

105mmよりも焦点距離が短く、シグマでは定番の「70mm F2.8」となりそうなマクロレンズですね。ただし、このクラスとしては珍しいインナーフォーカスタイプ。画角が広いので汎用性が高そうに見えますが、本格的なマクロ撮影用としてはワーキングディスタンスが短くなるのでボツとなったのでしょうか?

実施例3

  • INF -0.5倍 -1.0倍
  • 焦点距離 149.83 91.72 66.25
  • Fナンバー 2.91 4.34 5.80
  • 全画角2ω 16.08 8.90 4.26
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 163.76 163.76 163.76

前回の特許出願でも見られた「150mm F2.8」となりそうな実施例。前回と設計は異なり、基本的には105mm F2.8と同じコンセプトの光学設計となっています。レンズ全長は105mmよりも20mmほど長く、大きく重いレンズとなりそう。当然ながらフォーカスレンズ群も大きく、高トルクのモーターが必要となることでしょう。このクラスはフローティングフォーカス構造のほうが良いかもしれませんね。

実施例4

  • INF -0.5倍 -1.0倍
  • 焦点距離 179.87 103.07 72.47
  • Fナンバー 2.90 4.33 5.79
  • 全画角2ω 13.42 7.01 3.28
  • 像高Y 21.63 21.63 21.63
  • レンズ全長 183.24 183.24 183.24

フローティングフォーカス構造の特許出願にはなかった「180mm F2.8」となりそうな実施例。この焦点距離のマクロレンズは過去に「APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」をリリースした実績があります。需要は少ないかもしれませんが、面白そうなレンズですねえ。とは言え、150mm F2.8よりもさらに大きなフォーカスレンズが必要となってくるように見えます。この辺りを考慮すると、105mm F2.8でテレコンに対応したほうが無難と結論付けたのかもしれません。

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