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タムロン フルサイズ対応「17-50mm F4」インナーズーム光学系の特許出願

2023年7月4日付けでタムロンの気になる特許出願が公開。フルサイズ対応で全長に変化がない構造のフルサイズ対応「17-50mm F4」に関する光学系の特許となっています。

概要

  • 【公開番号】P2023092730
  • 【公開日】2023-07-04
  • 【発明の名称】光学系及び撮像装置
  • 【出願日】2021-12-22
  • 【出願人】
    【識別番号】000133227
    【氏名又は名称】株式会社タムロン
  • 【課題】小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において結像性能の高いズームレンズ及び撮像装置を提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    従来から、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、一眼レフレックスカメラ、一眼ノンレフレックスカメラ等の種々の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。これらの撮像装置に用いる撮像光学系として、広い撮像画角をカバーすることができ、高解像度で小型のズームレンズが求められている。また、そのようなズームレンズにおいて、高速かつ高精度なオートフォーカスの実現も求められている。
  • 【0003】
    近年、静止画だけでなく動画撮像機能を有する撮像装置も広く普及している。静止画撮像時には位相差方式によるオートフォーカスを採用する場合も、動画撮像時にはコントラスト方式を採用することが行われている。例えば、一部のレンズ群(フォーカスレンズ群)を光軸方向に高速に振動(ウォブリング)させながら、非合焦状態、合焦状態を作り出し、撮像素子の出力信号から一部の画像領域のある周波数帯の信号成分を検出し、合焦状態となるフォーカスレンズ群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させるといった一連の動作を繰り返すことで、動画撮像時にも連続的に被写体にオートフォーカスすることが可能になる。
  • 【0004】
    しかしながら、ウォブリング時に被写体に対応する画像の大きさが変化する場合がある。これは主に、フォーカスレンズ群の光軸方向への移動によりレンズ系全体の焦点距離が変化することに起因するものである。ウォブリングによる画角の変動が大きい場合には撮像画像等に違和感が生じる場合がある。この違和感を軽減させる為には絞りに対して後方のレンズ群をフォーカスレンズ群とすることが考えられる。ノンレフレックスカメラの小型化が進みズームレンズ自体の小型化が要望されていることからフォーカスレンズ群の小型化及び軽量化が求められているのは勿論のこと、動画撮像時にフォーカス群を高速に且つ連続的に駆動させるには、フォーカスレンズ群の一層の小型化及び軽量化が望まれている。
  • 【0005】
    ところで、従来、光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像センサにおいては、オンチップマイクロレンズ等で入射光の効率的な取り込みをする為の制限があり、その為レンズ側で射出瞳をある一定以上大きくして撮像センサへの入射光束のテレセントリック性を確保する事が望まれていた。しかしながら、近年の撮像センサでは開口率の向上やオンチップマイクロレンズの設計自由度の進歩があり、レンズ側に求められる射出瞳の制限も少なくなってきた。その為、従来はズームレンズのレンズ後方に正レンズ群を配置し、テレセントリック性を確保する為の各種発明がなされているが、近年はその限りではなくなってきており、レンズ後方に負レンズ群を配置して撮像センサに対する光束の斜入射があってもオンチップマイクロレンズとの瞳のミスマッチ等での周辺減光(シェーディング)が目立ちにくくなってきた。また、ソフトウェアやカメラシステムの進歩、向上もあり歪曲収差がある程度大きく、従来では目立つものであっても画像処理により補正する事も可能になってきている。
  • 【0009】
    そこで、本発明の課題は、小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において結像性能の高いズームレンズ及び撮像装置を提供することにある。

実施例1

  • 焦点距離:17.520-48.483
  • F値:4.120
  • 半画角:110.747-47.366
  • 像高:21.633
  • 全長:134.456
  • バックフォーカス:18.462-50.815

実施例3(構成図のみ)

VCは防振群

フルサイズ対応で広角17mmから標準50mmまでをF4でカバーする面白いズームレンズですね。このように広角域をカバーする標準ズームレンズは多くなってきていますが、フルサイズ対応で20mmよりも画角の広い広角端を備えている選択肢はありません。さらに本特許の光学系はズーム操作により全長の変化がなく、コンパクトなレンズサイズを実現しています。

収差図を見ると巨大な歪曲収差が残っていることが分かりますが、最近のミラーレスカメラならボディ内で処理可能となっているので心配することはないでしょう。この光学系のレンズが商品化する可能性はまだ低いかもしれませんが、面白い一本となりそうです。

参考:Di III レンズ一覧

フルサイズ ズーム
フルサイズ 単焦点
APS-C

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